クレィドゥ・ザ・スカイ


森博嗣 中央公論新社 2007年6月


僕は、病院を抜け出し、知り合いの女性に電話をし、一緒に行動するが、僕は自分が誰なのか、わからない状態だった・・・・・・・・・・・

大人にならないキルドレを描いたスカイクロラシリーズ(スカイクロラ  ナ・バ・テア  ダウン・ツ・ヘヴン フラッタ・リンツ・ライフ ) 第5巻、最終巻。だが、時間の上では、一番最初のスカイクロラが、結末である。


今まで、飛行機に乗り、戦っていた僕が、病院から抜け出し、陸にいる。自分は生きているのか。自分はいったい誰なのか。相手の見覚えがあっても名前が出てこないような状況。そのなんとも不安な気持ち、もやもやした気持ちが感じられた。陸の上では、落ち着かないということなのだと思う。


そんな僕が、飛行機に乗れば、みごとなまでの活躍をするのだ。水を得たさかなのように。

ただ、飛行機に乗ること、それが好きなだけ。飛行機の乗ることでしか、満たされないキルドレの気持ちが、胸に突き刺さる。


僕は逃げている。誰から逃げているのか。何から逃げているのか。


機械なら、故障したら、修理して直すか、直らないから廃棄するかの二とおり。人間の場合は・・・・


戦争は悪いこと。なら、スポーツはよくて、戦争がダメなわけは?


人間がいいのか、キルドレがいいのか。



何も答えが出ない。けれど、この世界がいい。いつの間にか、惹きこまれてしまう。 読んでいると心地いいのだ。

装丁もすばらしい。飛行に乗って見たら、こんな雲が見れるんだろうな。


ところで、“僕”とはいったい誰なのか。3人候補は挙げられるけど、誰なんだろう。キルドレは、生まれ変わるってことなのか?同一人物?考えれば考えるほど、混乱してきた。

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