2024年9月20日発行

「花の墨通信」14巻9号・号外 

         (回答)花 墨 汎 潤

ー 相談室「パンセ・ソバージュ」

    第92回     

 

オーバー・ツーリズム

      をどうさばくか」 その(6-1)

 

Q26 ということは<私学まかせにぜず、国立化または公立化して二年間はみっちり日本語と日本文化を学ばせる学制>があっても良かったのでは、というわけですか?

A26 まさにその通りでしょう。それほど国にとっての重大問題ですよ。そこに気がつかないのですから、今の自民公明与党はどうかしています。ここは<政権交代>して野党が<国立または公立による外国人への日本語教育>を公約にすべきでしょう。二年間はみっちり教育してそのなかへ<オーバー・ツーリズム問題>を盛り込み、<インバウンド(訪問者・出稼ぎ労働者)として美しいマナーのあり方>も学んでもらうわけですね。

Q27 そうなれば、逆にわれわれ日本人が恥ずかしくないマナーを身につけなければならなくなります。いちばんの問題は<外国人との交流>が苦手だという点です。この点をどう思いますかね?

A27 確かに! われわれ日本人は信じられないほど英語が使えません。実は自分は高校の社会科教師だったのですが、たまたま農業高校に着任して英語を教える授業がありました。通信教育で英語教師の資格をとっていたんですね。英語が大好きだったので、特別に英文科を志望せずとも独学自習でいこうと思っていたわけです。 

 さて授業してみて結果は大好評でした。日本の英語教育はリーダー(購読)中心だったのに、自分は英会話中心にしたのです。さて、どんな方法をとったと思いますか?

Q28 自分も英会話が苦手ですね。流ちょうに英語がしゃべれません。ゆえにさっぱりわかりません。

A28 その考えは日本人通有の誰でもが思う感覚ですね。が、そこに大いなる誤解があります。実は<英会話なんかぶっ飛ばせ!>と思うべきなんですよ。どういう意味かわかりますか?

Q29 意味不明です。どういうことですか?

A29 実は<日本の英語教育>は肝心なことを忘れています。言葉の通じない相手と<コミュニケーション>する最良の手段は<単語を伝える>ことなんですね。適切な単語だけを伝えれば充分相手に伝わります。文法は中学程度の基本的な知識があれば良いのです。ところがわれわれ日本人は<英語はとても苦手だ! うまく話せない!>というコンプレックスが強くあるので、単語だけ並べても通じない、と思ってしまうわけですね。これは<大いなる誤解>です。いちばん大事なのは単語なのに、これを軽視する傾向があります。ゆえになんと! いちばん大事なのは<単語の意味をできるだけ知る>ことなんですよ。ディグニティーというカタカナの横に(尊厳・品位)などとその意味を付記すべきです。 

Q30 言われてみると、確かに<単語さえ知っていれば、会話はなんとか通じる>かも知れませんね。だとしたら、スマホはインターネット機能も持ちますから、これで単語や英文を呼び出せば済む話じゃありませんか。どうですか?

A30 いやそれは良くありません。それでは交流がメカニック(機械的)過ぎます。(6-2へ続く)