サルのうそを見抜いたキツネが、サルに一言。
キツネとサルが一緒に旅をしながら、どちらの家柄が立派かについて、言い争っていました。
めいめい、先祖がどんなに偉かったという話をくどくどしているうちに、ある場所にさしかかりました。
サルはそのあたりをながめ回して、急に泣き始めました。
「どうしたのです?」
と、キツネが尋ねますと、サルはそこに並んでいるお墓を指差してこう言いました。
「これが泣かずにいられましょうか。
だってこのお墓は、わたしの先祖に仕えた召使いや奴隷たちの墓なのですから」
「へーえ、なるほど」
と、キツネが言いました。
「お前さん、つきたいだけうそをつくがいいさ。
そのお墓に入っている連中は、誰もあそこから出てきて、お前がうそをついていると言えないのだから」