8月17日 イソップ童話・旅に出たディオゲネス | ☆かおりキャンドル®☆CANDLE ARTIST☆手作りキャンドルのお花のお部屋☆ フラワーキャンドルアーティスト☆きょうちゃんのブログ☆

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蝋で花の芯から作り、花びら一枚一枚全て手作業でお花のキャンドルに仕上げていく工房での出来事を綴ったブログです(*^。^*)  

川を渡らせるのは、仕事? それとも趣味?


ディオゲネスはギリシャの哲学者で、するどい皮肉な事を言うのが上手な人でした。

 ディオゲネスが旅に出て歩いていきますと、川の岸につきました。
 川の水はまんまんと、あふれそうです。
 ディオゲネスは、はたと困って、岸に立ったまま途方に暮れていました。

この川のそばに住んでいて、旅人たちを助けて川を渡らせるのを仕事にしている男がいました。
 ディオゲネスが困っているのを見たこの男は、そばへ寄って来て、ディオゲネスを自分の肩に乗せました。

そして向こう岸まで、親切に運んでくれたのです。
 無事に川を渡る事が出来たディオゲネスは、親切な男にお礼をしたいと思いましたが、とても貧乏なのでお礼が出来ません。

「ああ、こんなに貧乏でなければ、この人にたっぷりお礼が出来るのに」
と、残念に思いました。
「どうやって、感謝をあらわせば良いだろう」
 ディオゲネスは、すっかり考え込んでしまいました。

ディオゲネスがこうやって考え込んでいるうちに、相手の男は川の向こうに別な旅人が来たのを見つけると、さっさと川を渡って向こう岸へ戻りました。

そして、さっきと同じ様に肩に乗せて渡してやりました。
 それを見たディオゲネスは、男に近づいて、こう言いました。


「わたしは、もうあなたにお礼をしたいとは思いませんよ。わたしがディオゲネスだとわかったから、親切にしてくれたと思ったのに、そうではなくて、あなたはただ、誰かれなしに川を渡らせるのが趣味なのだから」

 

おしまい

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