4月27日 ハリスの童話・ウサギどん キツネどん | ☆かおりキャンドル®☆CANDLE ARTIST☆手作りキャンドルのお花のお部屋☆ フラワーキャンドルアーティスト☆きょうちゃんのブログ☆

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蝋で花の芯から作り、花びら一枚一枚全て手作業でお花のキャンドルに仕上げていく工房での出来事を綴ったブログです(*^。^*)  

 むかしむかし、原っぱの中を、ウサギがヒョイヒョイとあるいてきました。
 むこうをみると、おいしそうなやさいがたくさんおちています。
(こいつはラッキー)
と、くいしんぼうのウサギは、パッととびつきました。
 ところが、それは人間のしかけたワナで、ウサギはたちまちつかまってしまいました。
 逃げようにも、からだになわがまきついてしまい、うごくこともできません。
 そこへ、ワナをしかけた人間がやってきました。
「やいウサギ! おまえだな、まえからうちの畑のやさいをとってたべたりしていたのは。まずはおまえを、パンパンにぶってやろう」
 そういって人間は、ウサギをぶつための木のえだをとりに林へはいっていきました。
 ちょうどそこへ、キツネがやってきました。
 ワナにはまってうごけないウサギを見ると、キツネは、
「ほう、ウサギどん、きょうはまいってるようだね」
と、いいました。
 キツネとウサギは仲がわるくて、けんかばかりしていたのです。
 キツネがからかうと、ウサギはしばられているのにへいきなかおをして、
「キツネどん、わしがこんなワナなんかに、ひっかかるとおもうかね。これはわざとだ。わしがたのんで、人間にしばってもらったのだよ」
「えっ? なぜ、しばらせたのだい?」
「いま、村の知り合いとばったりあってね。結婚のおいわいがあるので、ぜひきてほしいとたのまれたんだが、その男はわしがきまぐれなのを知っていて、にげられないようにわざと木にぶらさげて、わしをはこぶカゴをとりにいったのさ。わしはそのむかえのカゴを、まっているわけだ」
「ふーん、そんなおいわいなら、ごちそうも多いだろうなあ」
「多いとも! おなかいっぱい、おいしいものがたべられるよ」
「いいなあ」
 くいしんぼうのキツネは、うらやましそうな顔をしています。
「どうだい、わしにかわって、そのおいわいに出てみたくないかい?」
「うん! ウサギどん、たのむから、わしをいかせておくれよ」
「よし、そんなにいうんなら、かわってあげようか」
 そこでウサギは、じぶんのからだのなわをキツネにほどかせて、そのかわりに、キツネのからだをしばってしまいました。
 そしてじぶんはさっさと、どこかへきえていきました。
 そのあとそこへ人間がもどってきて、ウサギがキツネにかわっているのでビックリ。
「あれ、いつのまに、かわったのだい? だが、キツネもニワトリをとったりするこまりものだ。よし、きょうはおまえをこらしめてやろう!」
 人間は木のぼうで、ポカリポカリとキツネをぶちます。
 キツネはしばられているので、にげることができません。
 そのうちに、つかっていた木のぼうがおれたので、男はかわりのぼうをひろいに、また林へはいっていきました。
 そこへウサギが、もどってきました。
「ウサギどん、ウサギどん、たすけてくれ」
と、キツネはいっしょうけんめい、ウサギにたのみます。
「たすけてやってもいいが、これからは、わしに出あったら、『いつでも、お元気ですか? ウサギどん』と、あいさつするかい?」
「うん、するする! きっとあいさつするよ!」
「よし、じゃあ、たすけてやろう」
と、ウサギはキツネのなわをといてやりました。
「ああ、ありがとう。おかげでたすかったよ」
 キツネはウサギにだまされてしばられたこともわすれてしまい、ただワナからぬけでることができたのをよろこんで、おれいをいっています。
 そして、人間がまたぼうをひろってもどってきたときには、ウサギもキツネも、もうどこかへいったあとでした。

おしまい



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