2008年の運用開始から17年を迎えた全日空737-800。通常塗装機のパターンが非常に複雑になってきた。
運用開始から全てを網羅することはできないので、ここではIOJタグが標準化して以降、またその周辺時期の動向から通常塗装機の変遷を紐解いていく。
⚠️なおウイングレットは脱着・交換可能な部品であることを考慮し別分類とする。したがってウイングレットの差異によって塗装分類は影響されない。ただし各種デザインについて標準のウイングレット塗装パターンについては随時言及することがある⚠️
INDEX
1章.はじめに
-尾翼ロゴ
-ウイングレット
2章.塗装の変遷
-IOJタグの普及
-第一次フルリペ
-ALスタイル
-第二次フルリペ
-第三次フルリペ
3章.備考、補足
-ドアアウトライン
-フルリペを伴わない主翼更新事例
-Wi-Fi Serviceデカール、〒デカールの剥離動向
-ANA WINGS+BOEING737-800ロゴ(タイトル)
4章.今後の推定展望
-片方デザイン違い機、ストロボライト混在機の処理
終わりに
改訂履歴
分類
[欠落]記載欠落
[修正]内容に誤りまたは最新の事情に照らし合致しなくなった内容が含まれ、これを修正した箇所(原文改変)
[改訂]整備内容の変更など、新たな内容として加筆した箇所(原文維持、加筆)
2025.04 [欠落] 2章 ALスタイルを加筆
2025.05 [改訂] 2章 第三次フルリペ更新内容を一部加筆
2025.06 [改訂] 2章 IOJタグの項目において最新状況を反映し内容を一部加筆
2章 Wi-Fiデカールの項目において最新の状況を反映し内容修正
2025.08 [改訂] 3章 備考補足の項目中、「フルリペを伴わない主翼更新事例」に最新の状況を反映し内容修正
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1章.はじめに
タグの普及以前から差異があった箇所をこの項に集約する。ここに関しては今後の言及のため、ウイングレットにも触れる。
なお今回は整理単純化のためウイングレットを分類範囲から除外したが最終的にはウイングレット各種の組み合わせによって膨大な分類量になる。
尾翼ロゴ
他機種と共通でVスタは白地にトリトン・モヒカンの2色ブルーで塗り分けられ大きく「ANA」の文字が入れられている。
777や767に観測されたように、737-800にもこの箇所については2種類の「ANA」文字があるのが確認できている。
777/767と異なるのはフォント自体ではなくサイズの変更がなされた点で、特殊な変更事例と言える。
なお尾翼ロゴは細かく変更がおこなわれている。
777/767では「ANA」の"N"の幅が改訂され、最初の"A"の位置が初期機と後期機ではやや異なっている。
A320ではバニラから3機を繋ぎで導入した際"ANA"ロゴそのものの太字化が確認されている。
DHC8-Q400では2018年から行われているフルリペメニュー適用機は1機を除いて位置が全体的にやや下方修正された。
話が逸れたがそんなわけでVスタに取り付けられたピトー管を基準に取ってみると以下の通り2種類の尾翼ロゴに分けることができる。
↑両者を比較するとピトー管の位置が異なって見える。左のデザインは後期の機体に、右のデザインは初期の機体に多く見られる
ウイングレット
737-700のものを引き継いでトリトンブルー1色のものを標準にしている。現在はロゴ入りが増えてきたこともあり「標準にしていた」という表記に変えるべき時が来るかもしれない。JA51ANだけは初期から尾翼と同じトリトン+モヒカンに「ANA」のロゴを添えたものが装着されているが、こちらは2号機JA52AN以降は単色に戻されている事象から考えて、スターアライアンス塗装であることを考慮した措置であると考えられる。
ウイングレットは大まかに、根元が大きくカーブしているかどうかで2種類に分けることができる。
筆者はかつてTwitter上に分類表を貼ったことがあったが、非常に名称がわかりづらかった。なので今回は名称を改めながら再分類していく。また表記上の都合のため分類コードを後に付すが、塗り分けを示す「ベースデザイン分類コード」とロゴやそれに伴う地色の種類を示す「サブデザインコード」を組み合わせて使用する。
また実際は塗り分けの種類が同じでもその深さが違ったり、あるいはロゴ機ではロゴの太さが異なる機体が混在し、これらは今回分類対象に含めていないことに留意されたい。
またエラー塗装機であるJA56ANは今回塗装分類からは除外し別記事に譲る(記事最後参照)。
・曲線スタイル(分類コード=1)
根元が曲線を描いた塗り分け。737-700が全てこの塗装であったことに由来して「73Gスタイル」にしても良かったが、やはり視覚的にどう見えるかという呼称を優先した。
・直線スタイル(分類コード=2)
根元が地面と平行に近い直線を描く塗り分け。737-800にしか存在しないので「738スタイル」と呼んでも良かったのだがイマイチピンとこなくてやめた。
サブデザイン分類
・ロゴ入り1(分類コード=L1)
ロゴ入りは全てウイングレットが尾翼のようなトリトンブルー・モヒカンブルーの2色で塗られている。
また「ANA」ロゴの傾き方がウイングレット前縁後縁両方の角度の中間とをったような傾き。
・ロゴ入り2(分類コード=L2)
L1にほぼ同じだが「ANA」ロゴの傾き方がウイングレット後縁に沿っている。
・ロゴ入り3(分類コード=L3)
76E と同じスタイル。モヒカンブルーが大きくカーブし前縁にまで到達している。JA87AN~JA90AN限定(ただし88,90ANはそれぞれ片方のウイングレットを別デザインに置き換えられ元のWLの所在は不明)
・ロゴ入りハーフ(分類コード=Lh)
ロゴ2/3の中間、尾翼に最も近いモヒカンにカーブを持たせたデザイン。普及度合いがあまりにも低ければL1派生のエラーとして再分類を行う。
ANAロゴ
IOJタグが入る前は胴体には単にANAのロゴがひとつ書かれていただけだった。このロゴはANAの文字に尾翼を模した模様が付されていて、この模様のモヒカンブルー・トリトンブルーの範囲に若干の差異が発生している。
他機種の場合、777ではロゴそのものの寸法がやや変更、A321ではceoとneoでは窓1つぶん後ろに下げる変更がされたが模様の差異はまだ確認できていない…いや、確認していないが正しいか。777や767は初期機の鮮明な写真が少ないこともあり比較が難しい。
"少なくとも"737-800では差異が発生している、という表現で進めたい。
2章.塗装の変遷
IOJタグラインの普及
2010年に社のタグラインとして「Inspiration of JAPAN」を制定、2012年ごろから機体への記入を始めた。
最初はJA8569、JA359Kだったように記憶している。すぐに737-800への記入も始まる。
↑737-881/WL JA72AN タグラインが導入されるまでこの姿が基本的だった。
↑737-881/WL JA52AN 社名後方に小さく白いテープが貼られているのが見える。
初期の機体は2012年4月付でANA本体に吸収されたANK(AIR NIPPON)との共通事業機としてそのタイトルを記入していたので、2014年ごろまではそれをテープで覆い隠した機体が散見された。
JA72ANまではタグなし、JA73ANからは製造時からタグを記入していたが、まずここで大きく2種類のタグが存在することになる。
↑737-881/WL JA68AN
↑737-881/WL JA55AN
737といえば左面について非常口前方が独特な窓割になっているが、この1枚独立した窓を基準にしたとき、"…of JAPAN"のかかり方が異なる。
参考に引いた上2機でいうと、68ANは基準窓の直上は丁度"AN"の境目がきている。これに対して55ANは直上に"N"がドンピシャ来ている。
ストレートに1枚目を「大IOJタグ」、2枚目を「小IOJタグ」と名づける。
これはどういう差異かというと、元々ロゴなしでデリバリーされて分は大タグ、ロゴ付でデリバリーされた機体は小タグという分類である。ただし大タグ機は整備でWi-Fi装着と並行して順次小タグへの統一が進み、2025年4月現在大タグの残存数はわずかにJA69ANの1機のみである。この機体は主翼上面の褪色が激しいことから、近々フルリペを喰らうのではないかと推定している。→本記事投稿後の6月、JA69ANが後述第三次フルリペを纏い帰国、大タグは消滅した。
逆に特殊例としてJA54ANがひときわ大きなIOJタグ(特大タグと呼んでいる)を纏っていたものの、こちらも小タグへ統一され短期間で姿を消してしまった(*)。 *...筆者は撮れなかった。参考程度にJPのリンクを貼っておくので興味のある方はご覧あれ(
https://www.jetphotos.com/photo/8401383 )
最後の1機がどれだったのか覚えていないが、一旦スターアライアンス塗装のJA51ANを除いて(大小混在ではあるが)IOJタグ記入でノーマル機の塗装統一は完了した。
2018年からやや塗装内容に変更を伴うフルリペ(=フルリペイント。部分的な修正ではなく、主翼・胴体一括して再塗装)がスタートする。第一次フルリペでは胴体のデザインこそ変化がなかったものの、スタティックポートの注意書きが白文字から黒文字に変更され、また主翼のCSFFが在来型から更新(NGタイプ)に変更された。
↑左が更新CSFF、右が在来型CSFF。エンジンパイロン付近で線の描き方が異なるなどいくつかの差異がある。詳しくは「【大解剖】737-800」を参照(
)
JA61AN〜64ANが連番でこれにあたり、うちJA62ANはややトリトンブルーの塗りが高い微エラー塗装機である。
一旦フルリペが入ると次のフルリペまではかなり期間が空く。ウイングレットはそのまま青一色が維持されたため、ロゴ入りが進む現時点では最後まで青一色が残るのはこの4機のうちになるのではないかと憶測している。なおこれらの機体から順次L1ドア横に貼られた「〒」デカールの剥離が始まり、以後のフルリペ機は全てこれに倣った。
2018年から導入された追加導入4機はリース機で大幅にデザインが変更された。カスタマーコードにあやかり「ALスタイル」と勝手に命名してみる。
日の丸は前方に移動し、ウイングレットは76Eスタイルと同じものになった。後胴には堂々たる「BOEING 737-800」の文字があるが、AKX+738タイトルの導入が進む中どう対処していくのだろうか。
被雷のせいなのか88ANのWLは右がブルー1色に、90ANの右はWLはよくわからない2L1スタイルのややエラー(モヒカンブルー面積減)に取り替えられ当時の姿を残しているのは87AN,89ANの2機にまで減っている。
余談ながらこれらのWi-Fiフェアリングは既存機に対して若干前寄りの位置に取り付けられ、またグレーになっている点も特徴的である。
続けて第二次フルリペが開始された。およその内容は第一次に沿いながらWLにANAロゴが入れられたことが特徴である。経緯はもちろん不明だが、第一次と第二次フルリペの間に導入したALスタイルを参照するとこれらにはロゴが入っていた。安直に考えればこれに倣ったものと考えられるが、デザインは異なるため経緯を察するのは難しい。考えられるのはソーシャルメディアの普及で翼の写真が投稿されるときにロゴがあった方がいいよね、となったくらいであるが、あくまで憶測である。
仮にALスタイルに倣ったとして、なぜWLのデザインを若干変えたのか、胴体はなぜイジらなかったのか...などあえて今までのデザインに寄せたのはどういう経緯だったのか気になりすぎて夜はよく眠れる。
第二次フルリペはレジがばらつき、70,71,72,77,79,80,81ANの7機であった。
このうち81ANは主翼にウォークが引かれたが、これは737N以来17年ぶりのことであった。また後期からはフルリペでなくても〒の剥離が始まり、また後述第三次フルリペの直前からは「ANA Wi-Fi service」デカールの剥離も始まった。詳しくは後述する。
第三次フルリペは胴体の塗装内容に変更が加えられ、社タイトルはこれまで「ANA Inspiration of JAPAN 🇯🇵」であったものを「🇯🇵 ANA Inspiration of JAPAN」に変更した。これはJA87AN〜90ANのタイトルに相当するもので若干の誤差は機体によって存在する。
また機体後部に「ANA WINGS」のタイトル、また「BOEING 737-800」のタイトルが入れられ、特に後者についてはサイズがかなり小さくなったとはいえ先述の社タイトルと併せて第二次フルリペよりさらに最後期4機を意識させるデザインになった。これまで738は本体運航とウイングス運航の2パターンがあったためタイトルを記載していなかった(AJXでは共通事業機として記載があるがウイングスの場合完全にウイングス100%化した機材にしか書かない)が、2024年に全日空本体の乗員による運航が終了しAKXの乗員による運航に全て切り替わったためタイトル記入が始まったものと考えられる。
このデザインはまず58ANに施されたが、知っての通り万博スペマになったのでベースデザインのみ先行する形になった。ウイングレットは第二次フルリペのものとは若干異なりモヒカンブルーが根元に垂直尾翼に近い塗り分けがなされた新デザインが適用された。ただし整備を行なったのが台北に格納庫を構えるEGATであり、通常737の重整備を担当する済南のHAECOまたは那覇のMROJではまた若干異なったデザインになる可能性がある。現時点でEGATでの第三次フルリペはJA58ANのみであるため今後検証が必要。
12月登場のスペマから第三次フルリペノーマル機の登場までは4ヶ月待たねばならなかったが、済南で整備を受けていたJA68ANが満を辞して(?)第三次フルリペ最初のノーマル機として登場した。
およそ58ANデザインに沿ったノーマルデザインに仕上がったが、ウイングレットのモヒカンブルーの塗り分けが第二次フルリペに近しいものに戻った点が目新しい。他にJA73ANが(実質)2機目の第三次フルリペ機として登場したがこちらはウイングレットは根元の塗装が変わっていた。両機は済南で整備されたから元になったデザインは共通している。
差異が発生した理由に挙げられるのが元々のウイングレットのデザイン差である。詳しくは後述するのだが、737-700導入以来続く青一色WLは根元の塗り分けが曲線型と直線型の二種類が存在する。今回フルリペに当たった2機はそれぞれ違うデザインのWLを有していて、それでいて今回は元のデザインに沿った塗り分けで完成されている。
↑JA68ANの比較。根元のデザインは2型を維持している。
ちなみにWLに書かれた「ANA」ロゴもわずかにサイズが異なっていたし「AKX+738」タイトルも数cm引き上げられていた。
少なくとも全日空の機体は剥離前のデザインに沿った塗り分けを施す傾向があり、全日空からは特にそれに関する指示がされていないことが推定される(もしくは塗り分けの類はそのまま維持せよ、という指示があるのかもしれない)。
JA60AN以降は尾翼ロゴが現行サイズに統一されるようになった。本事例は現時点で2機のみであり、今後の普及状況では新スタンダードになりうる[2025.05加筆]。
3章.備考、補足
-ドアアウトライン
本題とはややそれてしまうが、ドアのアウトラインに関して少々触れておく。737NGの場合、2006,7年頃がらアウトライン(輪郭線)が変更されている。正しい呼称がわからないのでここではアウトラインと称する。アウトラインは初期は実際のドアの輪郭に沿って引かれていた(ここでは旧アウトラインと称する)。しかし途中からL1ドア下部については正確に輪郭をなぞらず余白を持って引かれるようになった(同じく新アウトラインと称する)。同様の傾向は他機種でも見ることができる(全日空でいえばA320/A321など)が、理由は判然としない。ともかくメーカー標準の新しいアウトラインがちょうど737-800の導入時期と重なったからJA51ANはこのドアアウトラインで納入された。
通常塗装機ではちょうどこの余白箇所がトリトンブルーの横断箇所と重複したためかドア輪郭と完全に一致するタイプのアウトラインが引かれた。新アウトラインが標準になってから旧アウトラインを標準に採用する珍しい事例であった。
他社を参考にすると、ドア周辺が一色の地色で整っている場合、新アウトラインを採用している傾向が見られた。
だからJA51ANの場合でいえば地色が白一色であるからグレーで新アウトラインを適用したと考えられる。他にフラワージェットでは旧アウトラインが適用されたが、これはデカールによるスペシャルマーキングでありアウトラインがトリトンブルーで塗られていたことが示す通り(ドア周りは塗装処理されていたとはいえ)通常塗装ベースであった。だからこれには旧アウトラインがそのまま適用されたものと考えられる。
流れが変わったのはJA58ANのEXPO'25ジェット登場である。本機は2025年にもなって全日空738史上初の全面塗装特別塗装機であった(既存機からの塗り替えという意味で。新造機であれば51ANが該当)。であるから、ドアは理屈上新アウトラインになるはずであった。ところが実際は旧アウトラインのまま出てきて大きな衝撃を喰らった(自分が)。
理由は不明だが、前例のないホワイトベース塗装機であること、前述「剥離前のデザインに沿った塗り分けを施す傾向」をまさになぞったことになる。個人的には前者を取り、全日空側の塗装図面担当者が図面上のアウトラインが旧アウトラインだったものをそのまま色だけ変えてEGATに送ったのではないか、と考えている。
フルリペを伴わない主翼更新事例
先ほど第一次フルリペの内容に「主翼のCSFFが在来型から更新(NGタイプ)に変更された」を記述した。2024年までこの更新CSFFはフルリペ機に限られていた。しかし2024年3月、千歳から伊丹に到着したJA54ANの右主翼構造部に腐食が発見され、長期のAOGを経て一時運用復帰、その後済南に送られ主翼のみリペイントが行われ胴体には一切手を触れないまま(*)更新CSFFに変更された。
タイミング的には主翼構造部の腐食に対する処置として捉えるのが妥当で、またこの機ではウォークが追加されるなど異端の存在になっている。*...2020年ごろからノーズ付近にマークされたイエローマークが消去されていなかったため少なくとも胴体の構造修理は行われていないと推定される。
これを受けて全機の主翼を再調査したが、この事例が適用されたのは他にJA53ANのみであった。
またウォークはないがJA57AN・JA65ANが主翼のみの更新を受けた。
Wi-Fi Serviceデカール、〒デカールの剥離動向
第一次フルリペの頃から順次〒デカールの剥離が進み、現時点では19機と半減している。むしろもっと後から始まったWi-Fi Serviceデカールの剥離はわずか1年足らずで完全消滅した。
ANA WINGS BOEING 737-800ロゴ
「AKX+738ロゴ」と勝手に称しているこのロゴはフルリペでなくてもドックインする整備で追加されるようになった。
フルリペを受けた機体は必ずこのロゴを伴うが、このロゴがあるからと言ってフルリペ機ではない。
ねんのため、フルリペを伴わずロゴが入った機体を列挙する。
JA56AN
JA57AN
JA59AN
JA65AN
JA66AN
今後の推定展望
-片方デザイン違い機、ストロボライト混在機の処理
2025年4月1日現在、那覇でJA60ANが長期の整備に入っていることから第三次フルリペが適用される可能性が高まっている。この機体は左WLのみロゴが入った特殊な機体であるので、ウイングレットに対してどうした処置が取られるかが今後のフルリペ機の将来を考える上での参考になる(以前のデザイン維持の法則に沿って左右違いにするのか、これを機に統一するのか)。
またウイングレットは冒頭にも書いた通りライトニングがヒットしやすくよって交換が多発する。737ではストロボライトがウイングレットに内蔵されていることから機体によっては左右でストロボがフラッシュタイプ/LEDで混在している場合もある(JA53AN,88AN,57ANほか)。これらの機体は電装品の差異を気にせずフルリペにかけてしまうのか、仕様統一を優先するのか。
こちらは先行事例がないため非常に興味深いところである。
2025年8月時点でTwitterなどで各機の主翼のコンディションを確認したが、(あまりにも主翼が写っていない機体が多数あったが)JA75AN・JA83ANにあっては主翼面の剥がれが顕著であることから、この2機は遠からず(せめて主翼だけでも)リペられるのではないか、と憶測している。
4章.終わりに
分類したところでなんか役に立つのでしょうか。いや、たたないでしょう。
しかし「あーなんだナナサンか」では終わらせたくないので、ぜひ楽しんでほしいと思っています。
せっかく機数があるので楽しんでしまいましょう。
今後のフルリペ、楽しみに待っています。
また記事内で紹介した事例のいくつかは他記事にまとまっているので、ぜひ参照してください。