これ、科学？〜クリスタでのマンガ制作裏話とゲゲ郎

さき「どう、ゲゲ郎！」（＊１）

ひろじ「あっ、けっこう似てる〜」

さき「もうねえ、ゲゲ郎、白髪で片目というのが、もう推しポイント満点って感じ」

ひろじ「さきは、鬼太郎の６期は見てたっけ？　この映画、どうも６期のスタッフが作ってるみたいで、６期のエピソード０って感じらしいんだけど」

さき「見てないよ。お父さんの本で、墓場の鬼太郎の話は読んだけど、アニメはまだ。だから、今から見る。ゲゲ郎推しの人たちの情報によると、６期にも昔の目玉おやじが登場する回があるんだって」

ひろじ「じゃあ、それを見てみようか」

さき「だめだめ、最初から全話見ないと、前後の関係がわかんないでしょ」

・・・そして、映画を見たあと数日で、６期のアニメ全話を見たのでありました。

（＊１）映画『鬼太郎誕生　ゲゲゲの謎』に登場する目玉親父の若い頃。まだ鬼太郎は生まれていないので、おやじではない。名前を名乗らないので、後に鬼太郎を育てることになる水木から、ゲゲ郎と愛称をつけられる。オールドファンも納得の、よくできた、面白い映画でした。

さき「ところで、お父さん、ひさしぶりにマンガ描いたね」

ひろじ「いや、ネームやコンテや原稿は、描くには描いていたんだけど。・・・ほら、７月のアレがあったじゃん」

さき「部屋をリフォームする準備していた時、古いMACが壊れた事件ね」

ひろじ「年数的には、いつ壊れても不思議はなかったんだけど、前触れなく立ち上がらなくなったからねえ。結局、マザーボードの故障だったので、修理は不可能だった・・・」

さき「マンガって、古い方のMACで作っていたよね」

ひろじ「うん、新しい方にも古いやつの後継ソフトが入れてあるんだけど、操作や機能がかなり変わっているので、使い慣れた古い方のソフトばかりで作っていたんだ」

さき「じゃあ、困ったよね」

ひろじ「それはもう。でも、あれこれ話せばすごく長くなるから、またそれはおいおい話すことにするよ。そんなこんなで、新しいソフトでマンガを完成できるようになるまで、半年かかったよ。古いソフトで作ったやつと、新しいソフトで作ったのがあるから、比べながら話そうか」

　これが、古いソフト「コミックスタジオ」（コミスタ）で作ったもの。

　次が、新しいソフト「クリップスタジオ」（クリスタ）で作ったもの。

ひろじ「間違い探しじゃないけど、違うところ、わかる？」

さき「えーとね、服の柄！」

ひろじ「当たり。クリスタは付属しているトーンの種類が少ないんだ。でも、ソフト会社のウェブサイトにユーザーが作ったトーンがあって、無料で手に入るものもあるから、使えそうなものをダウンロードした。そのおかげで、制服の柄は前よりそれっぽくなったかな」

さき「タイトルのフォントが違う！」

ひろじ「これも当たり。ていうか、じつは吹き出しの文字のフォントも違うんだ」

さき「吹き出しのは、ちょっとわかんない」

ひろじ「どちらもマンガ用のフォントだからね。マンガ用のフォントって、ひらがなやカタカナが明朝体で、感じがゴシック体というのが普通。クリスタのサイトでマンガ用のフォントがダウンロードできたので、それを使ってる。古い方は、ずいぶん前に手に入れたマンガ用のフォントをだましだまし使っていたんだけど、それは新しいMACでは使えない。それどころか、他のフォントも、新しいMACには入れられないので、正直、困っているんだ。フォトショップに付属しているフォントと、ウェブサイトで無料で使えるフォントで、なんとかやっている」

さき「あれ？　一番下の英語は、同じフォントだね」

ひろじ「これはね、文字をラスタライズ、つまり、画像化して使っていたので、同じ字体で使えているんだ。厳密にいうと、これは画像なので、見かけ上、古いフォントを使っているように見えるだけなんだよ」

さき「こうして比べてみると、そんなには変わっていない感じだね」

ひろじ「うん。でも、実際にソフトを使うときの操作は今までとかなり違うので、使えるようになるまで、すごく時間がかかりそうだよ。今も、とりあえずなんとか完成したという状態で、使いこなしているとはいえないかなあ・・・」

さき「じゃあ、さりの出てくる科探隊の特別編も、もうできるんだね？　あれ、すごい楽しみにしてるんだよ」

ひろじ「うん、絵コンテの段階でよく読みに来るもんね。去年はいろいろありすぎて、まともに活動ができなかったから、その分も含めて、今年は積極的に活動してみようと思っているんだ」

さき「がんばれ〜」

意識の森・最終回p28〜p30