放送大学の移転と実験講座
実験室の環境が変わった初年度のため、いくつか想定していなかった問題点が多々あり、今年はその対策で四苦八苦しました。
講座の記録をまとめることで、その問題点を思い出すことができましたので、忘れないうちに、問題点とその対策、そして懸案点について、この辺でまとめておきたいと思います。
来年度の講座準備のためのメモとして。
困ったところ
(1)実験室が暗室にできない。
→実験室の廊下側の壁の大部分がガラス張りで開放的なのはよいのですが、そのため、実験室が暗室にできません。科学実験では暗室が必須ですので、これは本当に困りました。
これについては、いろいろ考えた挙げ句、文化祭のお化け屋敷方式を採用。窓に黒いプラスチックダンボールをはめ込むことで対応しました。その結果、効果な暗幕より遮光効果が高くなりました。
このダンボール遮蔽板は着脱式なので、放送大学に保管してもらうことで、これからずっと使えるようになりました。
私たちの担当講座が終わった後も、他の方がやられるときに利用できるでしょう。
(2)教室容積が半分になった。
(A)収容人数が減った。
→今まで最大20〜24人が対象だった実験講座ですが、私たちの実験の場合は、最大でも12人が限界になりました。
これについては、昨年一昨年と、コロナ禍で人数を12人程度に減らして募集していたので、特段条件は変わらず、とくに問題を感じていません。
(B)狭いため湿度が上がりやすくなった。
→人間の出す水蒸気で、部屋の湿度は徐々に上がっていきますが、実験室の容積が減ったことで、湿りやすくなりました。
天候次第ですが、エアコンの「ドライ」でどこまで湿度を下げられるか、検証が必要でしょう。
最近のエアコンは健康のためか湿度をある程度一定にするような仕組みがあったり、イオンを撒き散らしたりするようで、静電気実験には大敵。
雨天にならないことを祈るのが精一杯かも。
実験の中で、とくにヘルツの実験はバンデグラフを使う方法がうまく行かない場合を想定して、次回から誘導コイルを使う方式にすべきだと感じました。バンデグラフを使う方式はじつにユニークで面白かったのですが、雨天で性能がガタ落ちになります。これは、今回の反省点の一つですね。
良かったところ
・前の場所のように強力な電波による障害がなく、光速度測定実験がスムーズに行えた。
→これは本当にありがたかったですね。
今までは電波障害のため、測定装置につよい雑音が入り、測定が困難になる班もあり、実験時間がかなり押しました。予定通りできるようになったのは良かったですね。
その他
・予約しておいた搬入搬出用の駐車場が開かず、待たされた。
→これは、出入りの業者で許可証を持たずに勝手に止めるクルマがけっこうあったのが原因です。迷惑千万ですが、この建物のシステム的な問題なので、どうにもなりません。
・搬入搬出用の駐車場から建物への移動が、7時をすぎると特別なカードがないとできなくなる。
→これはびっくりしました。まあ、セキュリティの問題なのでしょうが、事前に知らされていなかったので、困りました。
・背の高い脚立がない。
→高い窓にプラダンを設置するのに、安全対策として最低140センチの高さがいりますが、なかったので、しかたなく家にあるものをクルマで運んで使いました。このため、搬出時の荷物が増えたので、これはなんとかしてほしいものです。
建物が変わったことでの変更点は以上です。
また思い出すことがあれば、追加して記入します。
関連記事
〜ミオくんと科探隊 サイトマップ〜
このサイト「ミオくんとなんでも科学探究隊」のサイトマップ一覧です。
*** お知らせ ***
日本評論社のウェブサイトで連載した『さりと12のひみつ』電子本(Kindle版)
Amazonへのリンクは下のバナーで。
『いきいき物理マンガで冒険〜ミオくんとなんでも科学探究隊・理論編』紙本と電子本
Amazonへのリンクは下のバナーで。紙本は日本評論社のウェブサイトでも購入できます。
『いきいき物理マンガで実験〜ミオくんとなんでも科学探究隊・実験編』紙本と電子本
Amazonへのリンクは下のバナーで。紙本は日本評論社のウェブサイトでも購入できます。