果てしない迷宮と棒人間〜夢の話 | ひろじの物理ブログ ミオくんとなんでも科学探究隊

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ひろじ「なんだか、前回の<地獄のレジ>が公式記事ランキングで19位になっていたよ」

さき「へえ、すごいじゃん」

ひろじ「ああ、でも、これは毎日更新されるから、過去記事になっちゃった今は、もっと順位が下がっているだろうね」

さき「それでも、いいじゃん。いいことだよ」

ひろじ「ところで、前回、さきも何度も同じ夢を見るっていってたけど、たとえば、どんな夢?」

さき「学校でね、移動教室へ移動するとき、迷ってしまう夢。遅れると、先生が怖い顔してにらむんだよ。だから探すんだけど、学校がなんだか、違う場所になってるの」

ひろじ「それ、ぼくもよく見たよ。いつもの場所が迷宮化しちゃうのって、夢の定番なのかなあ」

さき「次は音楽室へ移動なんだけど、教室へ行くとみんな出たあとで、わたしと棒人間の友達だけ取り残されてるの」

ひろじ「棒人間? なにそれ?」

さき「棒だよ。顔もはっきりしないし、体も手足も棒なの。で、棒人間と音楽室はどうやっていけばいいかって話しながら、探すんだよ。知ってる学校のはずなのに、なんかモール街みたいに複雑で」

ひろじ「棒人間は話せるのか・・・」

さき「友達だもん」

ひろじ「さすが、夢だね。ところで、モール街っていうと、まわりは買い物客でいっぱい?」

さき「学校の中だし、授業中なんだから、だれもいないよ。みんな、教室の中にいるんだから」

ひろじ「知っている場所が迷宮化して、行っても行ってもたどり着けないって、まさに夢の世界だよね。で、その棒人間は顔はどんななの? 棒に顔が乗ってるの?」

さき「棒だから、ずっと棒。ふつうの顔はないよ」

ひろじ「棒がしゃべるって、すごいな。ピタゴラスイッチに棒人間のアニメがあるけど、あんな感じかな・・・それで、教室にはたどりつけたの?」

さき「迷って迷って、ようやく音楽室を見つけたので、棒人間と相談して、二手に分かれて音楽室に入ることにしたの。棒人間が分かれ道の左側、わたしが右側。そしたら、わたしの行った方は、ベランダから音楽室に入るコースだったの」

ひろじ「棒人間も音楽室に入れたわけ?」

さき「そっちは普通に扉を開けて入れたんだよ。でも、だれもいなかったの。先生が怖い顔して、こっちの方をにらんでいるだけで」

ひろじ「だれも? どうして?」

さき「もう授業が終わって、次の教室に移動した後だったんだ。先生に、はやく教室へ行けって怒られて、棒人間といっしょにまた外へでるんだけど、その教室への行き方がわからなくて・・・」

ひろじ「悪夢だなあ。それに、その夢の先生は棒人間を見てもリアクションがなかったんだろ? ・・・てことは、その夢の世界は棒人間が当たり前にいる世界ってことか」

 

さき「お父さんの見た夢って、どんなだったの?」

ひろじ「うん、世界が迷宮化する夢は、バリエーションがすごくたくさんあるんだけど、さきの話に似た夢の記録があるから、ちょっと書いてみようか。この夢の頃は職場の学校へ、自動車で通っていたけど、夢の中では自転車で行ったり、バスで行ったりする。これはたぶん、大学時代に片道40分くらいの距離を自転車で通ったり、バスを乗り継いで通った記憶が混じっているんだろうな」

 

***   夢「果てしない迷宮」   ***

 

 仕事場へ向かう道を、いつものように自転車で行く。いつもと違う道に入る。田園の脇道。進んで行くと、込み入った集落の中に。右、左と曲がりながら隘路を進む。川や崖があり、それを亘る大きな橋やトンネルを抜ける。神社の横、見知らぬ人の家。段々畑のような庭と、長く続く階段。自転車を降り、引いて昇り降りする。道端のところどころで、無人の野菜売り場がある。

 進むうちに、行き先がいつの間にか職場ではなく、キャンプ場になったり、宿になったりと、変化していく。最初の目的が失われる。初めて行く場所なのに、そこにいる係員や宿の主人に見覚えがあり、何度目かの訪問であることを思い出す。

 そこで帰りの道を聞くが、聞いた道を進むうち、再び果てしない迷路になる。仕事場までの道のりが、日本を縦断する大旅行になってしまう。

 何度も同じ道を通る。途中にアスレチックベースやお化け屋敷、イベント広場があり、そこを抜けるのに時間ばかりがかかる。

 気がつくと、仕事の開始時刻に大幅に遅刻している。仕事場に進むべきか、家に戻ってしきりなおすか迷い、そのどちらも試してみるが、仕事場に進むことも、家に戻ることもできなくなっている。中間地点が巨大な迷宮となり、時間を無限に吸収し始めている。

 ようやく仕事場の入り口にたどり着くと、仕事場は巨大な超マンモス学校になっている。仕事場にはたどり着いたものの、教室まで行けない。自分の準備室から教室までの道のりが果てしなく遠く、迷路化している。

 非常に入り組んだ、複雑な構造をしている。建物が何棟もあり、そこを連絡する通路も立体的。準備室から目的の教室は見えるのだが、実際に歩いて教室に向かうと、途中の廊下が先々で分岐路を作っている。左右に分かれたり、階段で上下に分かれたり。階が変わると、とたんに建物の構造が変わり、どこかのモール街のようになっている。モール街に来ている一般客が当たり前のように広い通路を歩いている。その横を、校舎へ戻る分岐路を探して、早足で進んで行く。分岐路をようやく見つけ、校舎に戻るが、校舎のどの場所かわからない。

 不思議なことに、その複雑な校舎の構造を覚えているような気がして、教室までの道筋がどうだったのか、記憶をたどりながら、進んでみる。しかし、ところどころ記憶と違う場所があり、歩くうちに再び違う棟に出てしまう。迷宮は収束せず、果てしなく広がっていく。

 腕時計を見ると、もはやそのクラスの授業時間は終わってしまっているが、とにかくその教室を探さなければ、次から困る。入り組んだ迷宮の校舎で、準備室から教室まで進む道を確定しておきたい。延々とさまよったあげく、ようやく目的の教室を見つける。準備室から見ていた教室の場所とはまったくちがうが、教室のクラス名表示は間違いない。不条理だが、クラス名表示が間違いないので、こちらの記憶違いだろうとむりやり納得する。

 そこから自分の担当クラスを確認しながら、廊下を進み、準備室に向かうが、再び迷宮に吸い込まれて道に迷い、途方にくれるところで、目が覚める。

 

***  ここまで  ***

 

さき「なにこれ、わたしのよりひどいじゃん」

ひろじ「うん、これは仕事をするようになってからよく見る夢の<定番>の一つかな。いろんなバリエーションがあるけど、どれも、迷宮が突拍子もない広がり方をして、収集がつかなくなる。まあ、どんどん理屈が崩れていくのは、夢の特徴だから、しょうがないけどね」

さき「こういう夢は、どんな意味があるのかなあ。夢を見ることで、かえってストレスがたまっちゃいそう」

ひろじ「うーん、どうなんだろう。こういう夢はたしかに起きたとき、体がぐったり疲れているけど、なにかの役割があったんだと思う。現実世界のストレスを不条理な世界で拡大することで、精神的にはなんらかの効果があるのかもしれないし。夢の働きや機能って、まだまだ奥が深いと思うよ。一般に言われているのって、その一部にすぎないんじゃないかな。夢は自然科学の対象にはなりにくいから、なかなか本質は見抜けないだろうね」

さき「でも、自然科学でも夢のことが扱えるようになってきたっていったじゃん」

ひろじ「ほんの少しね。今の自然科学は、扱う対象をどんどん広げていっている。かつて心理学が扱っていた分野を脳や神経の働きで理解する、とかね。いずれ、見ている夢を映像化して記録したり、他の人が見たりすることができるようになったら、おもしろいけど。夢自体を映像化するのはまだまだ先の話としても、自分が登場するバーチャル空間に夢のような物を配置して、夢をみているような気分にさせることなら、今の画像技術ならできるかもしれない」

さき「それ、おもしろそう!」

ひろじ「たぶん、初めて映画を見た人たちは、そんな気分を味わったと思うよ。ぼくも、さきがスマホやiPadでユーチューブの動画を見ている時、そんな感覚になることがあるからね。あっというまにパソコンの時代がやってきて、いまはスマホ。世界は一変したよ」

さき「ってことは、わたしが大人になる頃は、世界はもっと変わっているってことだね。どうなるんだろう」

ひろじ「想像できない世界になっている、ということだけは確かだと思うよ。今の世界が、ぼくたちにとっては、そうだから」

 

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