<勇者の剣>
さき「着せ替えはね、こんな感じ。上に服をのせるだけ。これは夏服。ともだちと遊びながら次々に描いたから、色ぬりがちょっとざつだけど」
ひろじ「なるほど、服のところだけ載せると、服を着ているみたいに見えるわけか・・・服のデザインは?」
さき「ともだちとわたし、それぞれで考えて描いたから、オリジナル。といっても、ふたりとも、何かで見たのが頭に残っているかもしれないけど」
ひろじ「なんどもいうけど、服に対する感覚がさきたちとぼくではずいぶんちがうなあ。イサムの服、無地のTシャツに無地のズボンだから・・・今度新しいのを描くときは、見習うよ」
さき「ミオくんの服はまだちょびっと、デザインがあるね」
ひろじ「これも、ジンバが黒、イサムが白のイメージカラーなので、二人とかぶらないようにぐりぐりした模様をつけただけ。決して、デザインを優先して描いたわけじゃないんだ」
さき「わたしの絵を見て、勉強してね」
ひろじ「ハイ・・・」
さき「そういえば、この男の子、とっぴじゃなくて、イサムっていうんだね」
ひろじ「ジンバとミオの名前はわりと時間をかけて考えたけど、イサムは正直、どんな名前でもよかったんだ(笑)」
さき「主人公なのに?」
ひろじ「主人公なのに。といっても、ふつうの意味での主役じゃないけどね。ミオくんとジンバの物語に巻き込まれただけの子だから。そういう意味では、科探隊のとっぴに近いかな。とっぴほど個性はないけど」
さき「ちゃんとキャラをつくってあげないと、かわいそうだよ」
ひろじ「その通りです、ハイ」
さき「森の木とか背景とか、あのアミアミのやつ、使わないんだね」
ひろじ「ああ、スクリーントーンか。今はパソコンでトーンが貼れるけど、昔はトーンは手作業で貼りつけたんだ」
さき「あー、それがめんどくさくて、アミアミ使わなかったんだ」
ひろじ「いや、それもあるけど、一番の理由はオカネだよ。あのころはトーンも高くて、プロなみにトーンを使ったら、結構な金額になってしまうんだ。だから手描きでトーンのかわりにしようと、いろいろ工夫しているうちに、こんな感じになったんだよ」
さき「じゃあ、これ、全部ペンだけで手描きしたの?」
ひろじ「そうなるかな。ガーゼに墨を軽くつけてぽんぽんとたたいてアミのかわりにする、なんてことも、試したことがあるけど、あんまり思ったようにならなかったからね。アミはもともと、モノクロ印刷では中間色の灰色が使えないから、そのかわりに使うようになったものだ。こまかい斜線でも、使いようによっては灰色っぽい感じになるからね」
さき「背景の木の細かい線のところ、灰色っぽく見えるもんね」
ひろじ「印刷のレベルが高い印刷所ならウスズミも使えるんだけど、それに対応できていないところだと、ウスズミとベタの区別がつかなくなっちゃうんだ。最初の『いきいき物理わくわく実験』を出した新生出版(現在は廃業)は、ウスズミが使えなくて、できあがってきた本のイラストでウスズミ指定したところが真っ黒になっていて、びっくりしたよ。社長さんに確認したときはウスズミ使えますよ、とのことだったんだけど、マンガとか出版したことのないところだったから、そういう技術的なことは、あまり知らなかったみたい。イラストの一部は出版社の方でトーンを貼ってもらったのがあるんだけど、社員さんが初めてのことで興味津々で作業したって聞いたよ。まあ、いまは昔のオハナシ。いま日本評論社から出ている改訂版では、そういうところは直してあるよ」
さき「いまは、ずっと便利だね」
ひろじ「ほんとうに、さきがうらやましいよ・・・」
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