空き缶つぶしはメーカー品で | ひろじの物理ブログ ミオくんとなんでも科学探究隊

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 中学校でこの実験を見たことがないという生徒が増えてきたので、演示実験を見てもらいました。

 

 冒頭の写真は空き缶がつぶれたあと。

 

 やりかたはたんじゅんなので、みなさんご存じでしょうが、一応、書いておきます。

 

 マグデブルグ半球の実験など、古くからもちいられている方法で、500mL缶の中を真空に近づけ、大気圧で缶をつぶすというもの。以前は、見たことのある生徒がけっこういたのですが・・・

 

 教室に持っていって見せたので、ブンゼンバーナー(ラボガス)を使いました。

 

 ついでに、炎の色で不完全燃焼・完全燃焼を区別する方法も。バーナーが不完全燃焼すると、炎が酸素を求めてバーナーの下部まで降りてきます。バーナーが熱くなるため、非常に危険です。ちゃんと空気を供給して青白い炎で燃えるようにしましょう。

 

 缶に少量の水を入れ、フタを外してバーナーで缶の底を熱します。缶はかなり熱くなるので、缶を持つ手には軍手などをはめましょう。

 

 水が沸騰すると、ぐつぐつという音がして、缶の口から湯気が立ち上ります。(この湯気のことを水蒸気と勘違いしている人はけっこう多いですよね。湯気は水滴の集まりで、水蒸気ではありません)

 

 湯気がどんどん立ち上ってきたら、缶をバーナーの炎から下ろして、すばやくフタをします。もちろん、バーナーの火は消しましょう。

 

 水蒸気(目には見えない)でいっぱいになった缶内からは、最初に入っていた空気がほとんど追いだされています。

 

 缶をしばらく置いておくと、突然、ぽこっと、缶が凹み始めます。つめたい空気を送ってやると(ふーっとふいてもいいし、うちわで扇いでもいい)、さらにばこんっと、缶がつぶれます。

 

 缶のフタをしたら、あとは見ているだけの実験ですが、徐々に冷えるにつれ、生き物のように缶が動いてひしゃけていくのがオモシロイです。

 

 今回はあるクラスだけ、実験に失敗しました。

 

 缶が凹むどころか、まるで変化なし。

 

 「缶のどこかに穴でも開いているかなあ」としらべていたら、原因がわかりました。

 

 

 光っていて見づらいのですが、右がメーカーのコーヒー缶、左がスーパーのオリジナル商品です。

 

 失敗したのは、左の缶。

 

 見えるでしょうか・・・・

 

 別の角度から撮った写真をもう一枚。

 

 

 カンジンの口元が歪んでしまっています。これはどうやら、出荷時にすでに歪んでいたようです。フタをして缶をひっくり返したら、フタと缶のスキマから水が漏れました。

 

 これじゃあ、大気は素通りですね。

 

 商品管理のレベルの違いを見ました。

 

 スーパーの自社製品の缶がすべてだめだったというわけではありませんが、2つ買ったうち片方がこうなっていたのは、ちょっとがっかりです。

 

 空き缶つぶしの実験は大手のメーカー品でやりましょう。

 

 ちゃん、ちゃん。

 

 

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