1979年2月発行の愛知物理サークル通信の一部です。(愛知物理サークル通信完全復刻版DVDより)
アメリカ製の水ロケットのおもちゃがはじめてサークルで披露されたときの記事だと思われます。貴重な記録なので、ちょっと紹介しておこうと思いました。
このあと、この水ロケットを手近にあるプラスチック製のボトルで再現する試みが何度も行われ、やがて、大きなペットボトルを使うことで飛行が安定するということが見つかってきます。
これはそのきっかけになった内容を示す記事です。
ぼくも、サークルで、このアメリカ製おもちゃの実物をみせてもらったことがあります。10〜20センチくらいの大きさのロケットでした。空気ポンプも小さなものでした。この記事のあった例会より、もっとあとの例会のときだったと思います。
この号の記事では、水を入れて飛ばした方がよく飛ぶという、一見エネルギー保存則と矛盾するような結果を、サークルでああでもないこうでもないと議論した様子が描かれています。(かなり本格的に書かれていますので、記事を読みとくのには物理の知識がいります)
サークルではこのあと、飯田さん、林ヒロさんが、米ソ(当時のアメリカ・ソ連、現在ではアメリカ・ロシアに相当)のロケット開発競争さながらに、競うようにして水ロケットの開発・改良にとりくんでいきます。(詳しくは、『いきいき物理わくわく実験2』(愛知岐阜三重物理サークル著:日本評論社)「イラストで見る水ロケット発展史」をご覧ください)
基本的な水ロケットはイベントがあるたびに紹介してきましたが、その間も水ロケットの技術革新はどんどん進み、ついには2段ロケットまで登場します。
やがて、どこかのレスキュー隊がペットボトルの水ロケットを使ってロープを対岸に飛ばすというニュースが報道され(テレビのニュース番組を見ているときにこのニュースが紹介され、びっくりしたことを覚えています。もちろん、ロープを実際につけて飛ばすと飛びませんので、ロープにつないだ糸をまず水ロケットにつけて飛ばし、そのあと、ロープをたぐり寄せるのですが)、さらに時間をおいて、ペットボトル協会なるものがいつのまにか作られて、遊び道具としてのペットボトルロケットが市販されるようになりました。(商魂のたくましさに呆れましたが・・・そもそもアメリカ製のおもちゃと同じ原理なのに、日本で似たようなおもちゃを勝手に売っていいのかなという疑問も残っています。アメリカのおもちゃ会社にきちんと対価を払っているんでしょうか・・・※)
サークルでは「水ロケット」という名称を使っていましたが、市販されたペットボトルロケットが、世間には広まったようです。
※なお、水ロケットのおもちゃに関しては、1979年発行の『続おもちゃセミナー』戸田盛和著に、ノルウエーで見つけたという記事があることを、2015年に書いた「元祖水ロケットとその起源」の記事を読まれた方から、コメント欄でご指摘いただいています。
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