ロングランヒットを続けているあのスナック菓子に秘められた切ない想い。 | 恐怖のイラストレーター日記/ハマダミノル

恐怖のイラストレーター日記/ハマダミノル

イラストレーターのハマダミノルです。
アート、音楽、映画、プラモデル、そして冷凍食品を愛しています。

今から8年ほど前にイラストレーターとしてのお仕事がちょっと減ってきた時期がありまして、デザイン事務所や出版社に自分の作品を持って売り込み営業を再び行なっていました。

 

電話でアポイントを取って、とあるデザイン事務所の社長さんに自分の作品を見ていただいた時のお話です。

 

その社長さんは外見は60歳ぐらいで痩せ型でしたがガッチリした体格で眼光も鋭く一見怖い感じでしたが、お話をしてみると温厚な口調で私の作品を面白がって見てくださいました。

 

そして社長さんも今まで手がけてきたご自分のデザイン画をファイルにまとめてあり、私に見せてくださいました。

 

その社長さんは20代の頃はデザイナー兼イラストレーターとしてパッケージデザインをメインにしているデザイン会社でバリバリと仕事をこなしていたそうです。

 

あと10代の頃から現在までずっと空手をやっているそうです。

どうりで拳が潰れているわけだ。(この人、相当強いぞ)

 

この社長さんが20代の頃に勤めていたデザイン会社の仕事で新しく発売されるスナック菓子のパッケージデザインとメインになるキャラクターを考えることになり、そしてクライアントからメインキャラクターはあのドラえもんのような感じにしてほしいとのこと。

 

極限まで周りを削ぎ落としたような究極のシンプルデザインであるあの二頭身の「ドラえもん」のような、と言われてしまってはどう考えてもドラえもんみたいになってしまうでしょう。

 

そして若き日のその社長さんが苦しみ抜いてデザインをしたという新しいスナック菓子というのがあの「う○い棒」なのです。

初期うま○棒のパッケージも見せてくださいました。

 

思いのほか、○まい棒は大ヒットしましたが、若き日の社長さんは素直に喜べず、ずっと心に後ろめたい気持ちを抱えていたそうです。

 

それから数年後、社長さんは独立してフリーランスになり、ある日、某大手出版社のパーティーに呼ばれて広い会場に赴いた時になんと藤子・F・不二雄先生もそのパーティーにいらしていたそうです。

 

すぐにF先生の元へ走っていき「あのスナック菓子のうま○棒をデザインしたのは自分です!すみませんでした!」と謝罪をしたそうです。

 

そしたらF先生は「ああ、あれはドラえもんじゃないから別にいいよ」と公認(?)してくれたそうで、それでやっと社長さんは気持ちが晴れたとおっしゃっていました。

 

この社長さん、ガリガ○君の初期パッケージデザインも担当されていました。すごいですね。

 

私がデザイン事務所にお伺いしたのが14時で帰りは19時を回っていました。

なんと5時間も初対面の社長さんと喋りっぱなし!

こういう裏話を聞くのは本当に楽しい。

 

他にも某大手広告代理店の担当営業マンが「彼女と旅行に行くことになったから今日中にイラストを仕上げてください」との自己中な理由で締切日を早められ、原稿を取りに来たその営業マンに飛び蹴りを食らわした、とか。ゲラゲラ笑いました。

 

でも5時間もお互い喋り倒したのにそこのデザイン事務所からの仕事依頼は今のところ一回もありません。

 

だって社長さん、絵がメチャクチャ上手いんだもの。

ちゃんちゃん。

 

 

 

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