- エネルギーと気候に関するカマラ・ハリス氏のポジションにスポットライトが移行
- ウクライナ・エネ省、日本のJICAとエネルギーセクター復旧と冬季対応への協力で合意
- フランスとイタリアの協力でイタリアの鉄鋼セクターを強化
- ベルギーの原子力発電延長計画、EUの国家援助調査に直面
- 7,100万加ドルの費用が予想されるカナダの原子力発電所の停止問題
- バーンズ・アンド・マクドネル、BWXT マイクロ原子炉の開発を推進
- ロールスロイス製宇宙用マイクロ原子炉への追加資金
- 世界の原子力セクターにおけるサイバーリスクの高まりを指摘する報告書
- 米連邦政府機関の規制権限回復を目指す上院議員たち
- ウクライナ・エネルゴアトムとウレンコは核燃料分野で協力を継続
- DOEが使用済核燃料貯蔵システムの耐震試験を実施
- 米GAO:人員不足がDOEのレガシー廃棄物浄化業務の障害
エネルギーと気候に関するハリス氏のポジションにスポットライトが移行
現在、民主党の大統領候補の最有力候補であるカマラ・ハリス副大統領は、上院議員時代にグリーン・ニューディールの初期共同提案者だった。2020年の短い大統領選挙期間中、彼女は独立した気候・環境正義説明責任室の設立を約束し、沖合石油掘削と水圧破砕に反対を表明した。
(画像:abcニュース動画からのキャプチャ)
ウクライナ・エネ省、日本のJICAとエネルギーセクター復旧と冬季対応への協力で合意
ウクライナ・エネルギー省スビトラーナ・グリンチュク次官は、日本の国際協力機構(JICA)の原昌平理事率いる代表団と会談した。次官は、ウクライナのエネルギーセクターに提供された日本の援助に感謝し、ウクライナのエネルギーシステムを標的としたロシア連邦による大規模な攻撃によるエネルギーインフラ施設の損失で、次の暖房シーズンに備えるのは困難であり、特に重要であることを強調した。会談では、分散型発電容量を増やす必要性が強調された。日本側は、特に定期的攻撃にさらされ、エネルギー供給が危機的であるハルキウ地域のニーズに合わせ、ウクライナに適切な装備を提供する用意があることを確認した。JICAの代表者らは、エネルギーは経済機能と発展の基盤であるため、日本のウクライナ支援では優先分野だと確約した。会談では、エネルギー施設のサイバーセキュリティの問題に加え、物理的防護の確保にも特別な注意が払われた。
(写真:ウクライナ・エネルギー省)
フランス電力公社(EDF)、エジソン社、イタリア鉄鋼連盟(Federacciai)、アンサルド・エネルギア社、アンサルド・ヌクレアーレ社の間で、イタリアの鉄鋼業界の競争力と脱炭素化を高めるために原子力利用に関する協力を促進することを目的とした覚書が締結された。覚書を通じて、各社は、EDF が推進するSMR技術、エジソンの専門知識、およびアンサルド・エネルギアとアンサルド・ヌクレアーレのエンジニアリング能力と工業力を活用し、今後10年間でイタリアにおける原子力新設、特に小型モジュール炉 (SMR) の建設への共同投資機会を検討する。また、イタリアとフランスの間ですでに運用されている相互接続の容量を主に活用し、イタリアの鉄鋼生産の脱炭素化に貢献しながら、中長期にわたる原子力供給契約の締結も検討する。
(画像:エジソン)
欧州委員会(EC)は、ベルギーの原子力発電所2基の運転期間延長に対する支援が、許容可能な国家援助に関する規則に沿っているかどうかについて、詳細な調査を開始した。ベルギーは12月に、ドール4号機とティアンジュ3号機の運転を10年延長する計画を最終決定した。同原子炉の89.8%はエンジー社傘下のエレクトラベル社が所有し、10.2%はEDFの子会社ルミナス社が所有している。ベルギー政府が合意したのは、国とエレクトラベル社が50対50の合弁会社を設立し、ルミナス社とともに発電所とその発電電力を所有することである。寿命延長に必要な資本支出を賄うために約20億ユーロ(3,400億円)の株主ローンが発行された。ECによればこれらの措置は正当であるように思われるが、「EUの国家援助規則との整合性に疑問があるため、徹底的な調査を開始することを決定した」と述べている。
ベルギーのドール原発(画像:エンジ―)
7,100万加ドルの費用が予想されるカナダの原子力発電所の停止問題
ニューブランズウィック(N.B.)パワー社は、ニューブランズウィック州にあるポイント・ルプロ―原子力発電所が、70万kW発電機の問題がまだ完全に特定されていないため、9月まで停止したままになると予想している。同原発は4月に3ヶ月間のメンテナンスのために停止して以来、運転を停止している。N.B.パワー社は、この修理と生産量減少に約7,100万カナダドル(79億円)かかると見込んでいる。
ポイント・ルプロ―原子力発電所は4月第1週から稼働していない。主発電機の故障により、少なくとも9/7まで停止が続くと予想される。(マーク・ゴッドバウト/ラジオ・カナダ)
バーンズ・アンド・マクドネル、BWXT マイクロ原子炉の開発を推進
米国の建設会社バーンズ・アンド・マクドネル(B&M)は、ワイオミング州での配備が検討されている BWXテクノロジーズ社(BWXT)製先進マイクロ原子炉 (BANR) の設計と開発を進めるため、BWXTと契約を締結した。この契約に基づき、B&Mは商用電力業界での経験を活かし、マイクロ原子炉発電所の従来設備(BOP)システムを開発してプラント配置を作成し、BWXTの建設前計画の遂行を支援する。BANR は、TRISO燃料の一種を使用する熱出力5万kWの高温ガス冷却マイクロ原子炉。この技術は、2020 年 12 月に米国DOE(エネルギー省)が先進原子炉実証プログラム (ARDP) の下でリスク削減プロジェクトの初期資金として 3,000 万ドルの一部を受け取るために選択した5つの技術の1 つ。
BANR マイクロ原子炉プラントのコンセプト (画像: BWXT)
バーンズ・アンド・マクドネル、BWXT マイクロ原子炉の開発を推進
ロールスロイス社は、宇宙向けマイクロ原子炉の主要技術の開発と実証を進めるため、英国宇宙庁から480万ポンド(9億6,000万円)の追加資金を確保した。この最新の助成は、国家宇宙イノベーション計画(NSIP)の下で総額3,300万ポンドの資金が授与される20以上の国家宇宙プロジェクトの1つであり、この計画は英国全土で潜在能力の高い技術に投資し、イノベーションを推進し、成長を解き放つことを目的としている。今後18か月間、ロールスロイス・プロジェクトは、オックスフォード大学とバンガー大学の学術パートナーと協力して、マイクロ原子炉システム全体の設計、基礎機能、主要技術を開発する。
ロールスロイス社のマイクロ原子炉は、衛星の推進を含む多くの宇宙活動を可能にする可能性がある(画像:ロールスロイス社)
関連報道:
https://interestingengineering.com/space/rolls-royce-micro-reactor-space
世界の原子力セクターにおけるサイバーリスクの高まりを指摘する報告書
チャタムハウスの報告書によると、世界の原子力産業はサイバーセキュリティの脅威の増大に直面しており、最新のセキュリティの必要性が強調されている。英国のセラフィールド原子力発電所は複数のサイバー攻撃を受け、機密情報が漏洩する可能性がある。時代遅れのインフラと安全でないソフトウェアへの依存が、従来の原子力発電所をハッカーにとって魅力的なものにしているが、小型モジュール式原子炉(SMR)にもサイバーリスクがないわけではない。
セラフィールド原子力発電所(NPP)はサイバーセキュリティの問題を経験した。写真提供:クリストファー・ファーロング/ゲッティイメージズ。
エリザベス・ウォーレン上院議員を筆頭とする民主党上院議員は、連邦政府機関の規制権限を制限する最近の連邦最高裁判決に対抗する法案を提出する予定だ。この法案は、シェブロン法理を復活させることで、連邦政府機関がより柔軟に法律を解釈できるようにし、連邦政府機関の規則制定能力を強化することを目的としている。
エリザベス・ウォーレン上院議員 (写真:トム・ウィリアムズ / AP )
ウクライナ・エネルゴアトムとウレンコは核燃料分野で協力を継続
2024/7/17、ウクライナ国営原子力発電会社エネルゴアトムは、ドイツ銀行AGとバークレイズPLCで構成される多国間銀行コンソーシアムと、最大1億8,100万ポンドの資金の受け取りに関する融資契約を締結した。エネルゴアトムとウレンコの契約によると、信用資金は核物質(濃縮ウランと天然六フッ化ウラン)の供給に充てられる。融資は5年間の長期にわたり、保証は英国政府から英国輸出信用保証局(UKEF)を通じて提供され、ウクライナ国家保証を要せずエネルゴアトムが確保できる。これに先立ち、エネルゴアトムのペトロ・コティン総裁とウレンコのボリス・シュヒトCEOは、ウクライナの原子力発電所向け濃縮ウラン製品の供給契約を締結した。契約は2043年まで延長される可能性がある。
(画像:エネルゴアトム)
米DOE(エネルギー省)は、使用済核燃料の乾式貯蔵システムの実物大の耐震試験に特殊な振動台を使用した。カリフォルニア大学サンディエゴ校で行われた試験には、125トンの垂直キャスクと111トンの水平貯蔵システムが使用された。
(画像:DOE動画からのキャプチャ)
米国政府説明責任局(GAO)の報告書によると、DOE(エネルギー省)環境管理局(EM))の2023年度末の求人倍率は17%で、そのうち80%近くが不可欠な職務に関する職種であった。同報告書は、「人員不足が安全点検の見落し、コスト超過、スケジュールの遅れ、火災や放射能漏れなどの事故の一因となっていることが報告されている 」と述べている。
DOE/EMでは職員の44%が2030年度までに退職資格を得ることになる。BOONCHAI WEDMAKAWAND / GETTY IMAGES