「結局この前の事件どうなったん？」
「あぁ、結局菜緒の推理通り、歩道橋から落ちたのもほぼ事故で間違いなさそう。とりあえず殺人罪で逮捕したけど過失致死に切り替えて送検で進んでる。本人も反省してるし、逃げてるとは言え検察官次第では不起訴処分もあるかもね」
「そっか」
「よかったですね。加害者にとってはよかったとは言えないかもしれないですけど」
「まあそれはね、故意でないとはいえ、自分が好きだった人を結果的に殺してしまってるもんね」
「棄てた恋と棄てられた恋ですか。今回は誰も悪くはないんでしょうけど、なんか悲しいですね」
「え、でも被害者が加害者を振ったんですよね」
「まぁそれが直接の原因ではないからね～」
「間接的には原因になったんやろうけどね」
「でもなんで被害者はあの歩道橋にいたんでしょう？」
「影山さんとのデートの約束ドタキャンされたらしいですよ。あそこを待ち合わせにしてたらしいです。部活あるの忘れてたらしいですけど」
「控えめに言って付き合ったらダメな人種な気が…」
「あ、莉奈ありがとうね。あれでアリバイ崩せたし、あと筆跡鑑定もあれであの２人が付き合ってるって確証持てたから」
「いえ、お役に立てたならよかったです。科捜研の知り合いに頼むの大変でしたけど」
「大変そうだね」
「色々とやられるんですよね～タマハラって呼んでるんですけど」
「今回はなにされたの？」
「昼ごはん一緒に食べに行ってずっとダル絡みされました」
「まあまあすみれも守ってあげてね」
「ところですみれは何メモしてるの？」
「身体をはれば小坂さんは褒めてくれる」
「アハハ、別に身体はらんでもええんやで」
「菜緒どこ行くん？」
「ちょっとね～」