棄てた恋と棄てられた恋 #10 | 五月雨ゆか

五月雨ゆか

稚拙な文章ですが趣味で小説書いています。内容はすべてフィクションです。
















数日後



ある程度調べを進めていた美玖たちだったがここにきて捜査が行き詰まっていた。



「あぁ~証拠がない~」



「どうしましょうか」



「で、どうしてそれをわざわざ鑑識にきてやるわけ?」



「それはおいといてさ、菜緒は誰が犯人だと思う?」



「みんな怪しくなるよな。動機がありそうな人ほどアリバイがあって逆も然りやな」



「ここからどうする?」



「とりあえずもう1回話聞いてみますか?」











「で、今日はどんな用件で?」



「亡くなった髙橋さんのことで色々と伺いたいと思いまして」



「はぁ…」



すみれの提案により3人は再度聞き込みに行く事になった。



「髙橋さんの人柄であったりどのような方だったのか、教えていただけますか?」



「まぁ…どんな人って言われても…いい子っていうか、みんなに優しくて」



「喧嘩とかはされなかったんですか?」



「ん~したかもしれないですけどそんな喧嘩するようなことはなかったと思いますね、未来虹ちゃんがそもそも喧嘩嫌いだったし」



「お互いのお家とか行ったりしたことはありますか?」



「ありますよ。高校の時はしょっちゅう3人の家で勉強会という名の女子会してました。持ち回りみたいな感じでこの前私の家でやったから次は未来虹ちゃん家で、みたいな」



「なるほど。とても仲よかったんですね」



「まあずっと一緒にいれば」



「髙橋さんが誰かに嫌われているとか恨まれているなどと言うことはご存じないですか?」



「聞いたことないですね。誰にたいしても明るいし表裏ないので嫌われるような性格では…」



「そうですよね…」



「あの…何見てるんですか?」



陽世がずっとリビングに飾られていた写真を見ていた菜緒に声をかけた。



「この写真は?」



「昔の写真です。小学校からの」



「髙橋さんとの写真が多いですね」



「まあ、それは幼馴染みですから」



「なるほど」



「で、未来虹ちゃんを殺した犯人は見つかったんですか?」



「恥ずかしながら、まだ分かっていません」



「そうですか、早く見つけてください」