棄てた恋と棄てられた恋 #8 | 五月雨ゆか

五月雨ゆか

稚拙な文章ですが趣味で小説書いています。内容はすべてフィクションです。
















大学で聞き込みを終えたあと帰りの車中で3人が話していた



「先輩どう思いますか?」



「あの影山さんね、なんか気になるよね」



「なんか雑というか、調子乗ってるというか。怪しさ満点な気がします。恋人が亡くなったっていうのにあの態度ですよ」



「まあまあ落ち着きなさいって」



「私だったらもうちょっとうろたえるとか驚いた態度になりますよ!絶対怪しいです」










署に帰ってきて鑑識課の小坂のいる部屋に集まった3人はコーヒーを飲みながらも主にすみれがずっと愚痴っていた。



「う~んあれはきっと何かあったやつだと思います!」



「それを調べるのがあなた達の仕事でしょ」



「あ、小坂先輩。お待たせしました」



「分析終わった?」



「はい。こちらです」



と奥の部屋から出てきた莉奈が菜緒に書類を渡した。



「皮膚片のDNAですが警察のデータベースには入ってませんでした。被害者の指紋は歩道橋の手すりから少し出てきたんですが手すりにいろんな人の指紋が大量についててさすがに分析できませんでした。下足痕も1個だけ分かったんですが調べたらめっちゃ量産されてる普通のランニングシューズだったのでちょっとそこから調べるのは無茶かなと。サイズも平均的でしたし…」



「そっか、ありがと。じゃあ続いてで悪いんやけどこれも調べて」



「なんですかこれ?卒アル?」



「この字、何人が書いたのか調べて。これが被害者の筆跡、とこれが参考人の筆跡二人分」



「あ、プロフィール帳ですね。でもこれで筆跡鑑定ですかぁ…出来るかなぁ。とりあえず科捜研の知り合いに頼んでみます。ほんとは嫌なんですけど」



「一致率9割なくてもええよ。とりあえず何人で書いてるのか知りたいだけやから」



「分かりました」



そう言うと莉奈はまた奥の部屋に入っていった。



「働かせすぎじゃない?」



「それに見合う報酬はちゃんとあげてるから」



「給料とかじゃなくて?」



「それ以外にも私からちゃんとあげてるから大丈夫」



「科捜研と仲悪いんですか?」



「悪くはないけど莉奈が頼めるのはあなたの友達の瑶季ちゃんよ」



「あぁ、たまにゃんですか。なんか納得です」



「莉奈ちゃんと仲悪いの?」



「仲はいいんですけどたまにゃんが莉奈にダル絡みしたり無茶振りしたりハラスメント紛いのことをやってるんですよね~。一応私、莉奈の親衛隊メンバーになってるんですけど」



「そんなのあるんだ…大変だね…でも菜緒の方が科捜研とコネないの?」



「あるけど今は莉奈にコネクション作ってほしいから。知り合いの同僚とかで顔見知りなってた方が後々いいからさ」



「なるほどね」