芸人さんたちの声~その① | 浜田真実*文筆と朗読「まほろふ舎」

浜田真実*文筆と朗読「まほろふ舎」

昭和の終り頃、シャンソン喫茶「銀巴里」にて歌手デビュー。平成の中頃に、心と身体を整えるボイトレ教室「マミィズボイススタイル」オープン。「声美人で愛される人になる」「説得力のある声をつくる」等出版。この頃は「しげのぶ真帆」名義で、文章を書き朗読もしています。

水曜と木曜発行の間を揺れているききみみずきんも、これで14回目。

解析した声も、のべ人数で18人になりました。

まだまだリクエストにお答えしきれず、お待ちいただいている方もいます。

どうぞ、気長にお待ちくださいね。
さて今日は、ちょっと寄り道です。

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2011年10月に、日本テレビの「ぐるナイ」に出演しました。

テーマは「おけいこ男子」。

独身の芸人さんたちが、モテる男になるために、ダンスや書道、料理などの、お稽古ごとに挑戦するという企画でした。

私は、その中のボイストレーニングを担当。

司会進行は、ナインティナインの矢部さんと奈々緒さん。

おけいこ男子は、ナイナイ岡村さん、バナナマン日村さん、ドランクドラゴン塚地さん、キャイーン天野さん、サバンナ高橋さんの5名でした。

その時の写真はこちら

スタジオに入って驚いたのは、芸人さんたちの、声の大きさ。
凄まじい勢いで、前へ前へと声を出しています。

横に立っていて、耳が痛くなるほどの大音声を聴いたのは、この時が初めてです。

それに、大声なのは、芸人さんたちだけではありません。

カメラの後ろには、40人~50人のスタッフ。
芸人さん達が面白いことをすると、彼らは全員で笑います。
しかも、大声で。

すると、芸人さんたちのノリが良くなって、もっともっと面白いことをする。

というわけで、スタジオの中は、人間の声と熱気がグワングワンと渦巻いていました。

一緒にいった生徒さんのYちゃんは、「頭が痛い・・・」とギブアップ。

通常の生活の中にはあり得ない、圧倒的なエネルギーの場でした。

◆◆◆

この音声の凄さは、テレビを観ているだけでは分かりません。

テレビのモニターやスピーカーでは、このエネルギーは再生できないからです。

同じ空間を共有して、お互いの声を身体全体で聴き取り、初めて気付くこともありますしね。

ききみみの場合、直接お会いしたことのない人の声を解析するので、その点はかなりハンディがあります。

なので、私のアンテナを全開にし、ご本人がお話をしている映像を観て、口の形や姿勢、呼吸や息づかいをじっくりと観察するわけです。

もっと分かりやすいのが、ラジオ。
ラジオは、個人的な場になりやすく、その人の「素」の部分も出やすくなります。
さらに、ひとりで話しているよりも、親しい関係の人と会話をしている時の音声の方が、なお分かりやすいです。

隠しても隠しきれない「素」が出ますから。

私は、仕事で作り上げられた声よりも、そんなポロっと出てしまう「素」の声に魅力を感じています。

毎回、こうして気付いたことをピックアップして、文章にまとめて配信しているのですが、やはり直接お会いすることの方が、断然、情報として受け取れるものは多いのです。

それにしても、たった6人の芸人さんでも、スタジオが割れんばかりの声の迫力。

これが、ひな壇にたくさんの芸人さんが座って一気にしゃべるバラエティだと、どんな状況になるのでしょう。

芸人さんたちも、生き残りを賭けて声を発しますものね。

想像を絶します。

~つづく~