「覚悟」と「情熱」に、「愛」までセットで付いた、お得なアジアンボイス!
今までききみみは、歌手・落語家・俳優・芸人さんたちの声を中心に聴いてきました。
今日は、新しいジャンルに挑戦です!
「あの人、面白い声ですよね~♪」
とリクエストを下さったのは、Nちゃん。
ありがとうございます。
本日は「ジャパネットたかたの社長の声」です。
◆◆◆
表現者。
特に人気のある俳優や女優さんたちの声を聴き取っていて気付いたのは、「素」が、分かりにくいということです。
「素」は、サバサバ、サクサクしているようでいて、けっして「素」ではないと感じるのです。
彼らは、ある意味、その「素」さえも装っている、演じているように感じました。
さて、本日聴いてみたのは、そんな芸能の世界の人ではなく、通販業界の人。
抜群の人気を誇る、ジャパネットたかたの社長・髙田明さんの声です。
65歳だそうですよ!
TVショッピングの番組は、ほとんど観たことがないのですが、髙田社長の声は、私でも知っています!
一度聴いたら、忘れられない声ですものね。
さて、ジャパネットの動画を、じっくりと観てみました。
思わず電子辞書を買いたくなってしまったのですが・・・
まずは、声。
商品を販売している時の社長は、金属的な高い声ですよね。
そして、速い。
奥歯のあたりから息漏れもしていて、滑舌も甘いです。
サ行やラ行は、舌の動きが悪くて、発音が出来ない時もあります。
ノドや肩周辺に力を入れて発声もしているので、頭周辺に緊張感がビーンと張り付めて、首の後ろがコリそうな感じです。
血圧が高いんでしょうか・・・
それに、なまりも強いので、聴き心地という点ではかなりハンデを背負っていますね。
それでも、社長が宣伝をすると、商品は飛ぶように売れるんです。
なんでだろう・・・?
動画の社長、目が笑っていません。
真っ直ぐにこちらを見て、語りかけています。
もちろんスタジオで、カメラを見て話しているのですが、それを飛び越えて、カメラの向こうにいる視聴者ひとりひとりと対峙し、見つめ合っているようです。
伝えたい。
受け取って欲しい。
届け、届いてくれ~!
その真剣さ、熱量が、半端なく感じられます。
台本もカンニングペーパーもなしで、何時間も販売トークができるのは、社長の「情熱」。
ジャパネットたかたのオフィスに、でかでかと掲げられた文字。
それは、「覚悟」。
なるほど、髙田社長は、「情熱」と「覚悟」の人だとお見受けしました。
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私たちが、あの声を真似してプレゼンをすると確実に失敗します。
「うるさい!」
と叱られるのがオチです。
でも、髙田社長は受け入れられている。
きっと社長は、商品が大好きなのでしょうね。
仕事が、好きで好きでたまらない。
仕事に対する、深い愛情を感じます。
俳優さんの声と違うなと感じる点は、「素」の部分が声に出てしまうこと。
商品の紹介に失敗すると、声に落胆や動揺が痛ましいほどに出てしまいます。
機転を利かせて見事に切り抜けるのですが、やはり、いつものノリが感じられなくなります。
とても、素直な声なんです。
そしてあの口調は、熱意が高まれば高まるほど音程も高くなり、速度も速くなるようです。
普段のおしゃべりの声は、高音ですが、穏やかに、むしろ淡々としゃべる人ですから、ある意味、名人芸なのだと思います。
社長は、商品の説明をしているわけではなく、その商品を買った後の、楽しさを伝えようとしているそうです。
「素」の声の中に、繊細な感情の揺れと、素直さ、静かな優しさも感じます。
良くも悪くも、その時の感情の揺れが声に出るからこそ、人を動かすのでしょうね。
そして、もうひとつ。
あの声の張りは、アジアの民謡を思い出させます。
モンゴルの平原で唄われる民謡とか、江差追分とか・・・
広いところで唄われ、遠くの人に、的確に声を届けるために発達した発声法。
空気を切り裂くような、伸びのある高音とこぶしの細かい揺れ。
社長の声は、そんな声です。
つまり、人を振り返らせ動かす声というわけです。
ジャパネットたかたの大成功は、髙田社長のあの声ありきだと思いました。
私たちも、社長から学びましょう。
どう思われるだろうと心配するより、たどたどしくても舌足らずでも、なまっていても、素っ頓狂でも、一生懸命に、覚悟と情熱と愛を持って伝える。
そうすれば、思いは必ず伝わり、必ず、受け取ってもらえます。
あなたもききみみをたてて、
髙田社長の声を、
よ~く聴いてみてくださいね♪