元いた場所に強烈に引き戻そうとする力
いらっしゃいませ、マスターの濱田です。
このブログでは、わたしがどのようにして
「悟り」という概念と出会い、
目が覚める経験をしていったか、
その経験談を書かせていただいています。
これから目が覚めていく方、
またもう既に覚めつつある方の
一助になれば幸いです。
これまでの経験談は、テーマ内の
「悟りへと誘われた道 」をご覧ください。
人がその人生の中で生まれ変わるとき、
ときにそれは苦しみとともにやってくるときがある。
もう一人ある友人が、
彼のその体験を話してくれたことがある。
彼はわたしのクラスに来てくれていた人だった。
彼はとてもユニークな人生を送っている人で、
実は彼は就職経験がないそうだ。
だがなぜかお金に困ったことが一度もない。
なぜなら彼には、アーティストに支援者がいるように、
なぜか彼の生活と人生を支援する人物がいつもいるからだ。
働いたことがない、人に食わせてもらっている。
こう聞くと、世間一般的な観念では、
白い目で見たくなる衝動があがってくるかもしれない。
だが彼の人生は
とてもユニークなものにわたしにはみえた。
だけど彼は内心、働いていないということに関して、
世の中の常識に対しての罪悪感や
劣等感のようなものを感じてもいた。
それで自分が何ができるのか、
本当にやりたいことが何なのかを見つけたくて、
クラスにきていると話してくれたことがある。
そして彼は、どこかでそんな葛藤を感じつつも、
人生を流れに委ねて生きていた。
だがそんなある日のこと、
彼に突然ものすごい焦燥感と恐怖がやってきた。
「こんなことをしていたらダメだ！今すぐ就職しなくちゃ！」
そんな罪悪感と不安、
恐怖が大波のように押し寄せてきた。
「委ねるなんて、とんでもない！このままじゃダメだ！」
そんな強迫観念が、猛烈にやってきたそうだ。
そしてその衝動に、彼は飲み込まれようとしていた。
まさにその衝動に彼は飲み込まれようとしていた。
その最中だった。
彼はふと冷静に気がついた。
「あれ？なにかおかしい」と。
恐ろしさと焦燥感と罪悪感、
嵐のような感情の最中、
彼は突然やってきた感情の嵐に「あれ？」と気がついた。
衝動に飲み込まれそうになったその最中、
彼は突然やってきた衝動が、
まさになんの前触れもなく、
原因らしい原因もなくやってきた奇妙さに気づいたのだ。
そして「これは、なにかおかしい」と冷静に、
感情の嵐に巻き込まれそうになっていたことに気がついた。
突然やってきた大波のような、
感情の嵐の奇妙さに気づいた彼は、
飲み込まれそうになっていたことにも気づいた。
そして「これは、短絡的に対処に走ったりしないで、
様子をみよう」
そう思ったそうだ。
そして嵐がやってくるまま、
吹き荒れるまま、彼は対策、対処をせず、
抗うことをやめ、感情が荒れるままに任せたそうだ。
すると。
先の彼女 と同じく、彼にも不思議なことが起きた。
翌朝気がつくと、「あれはいったいなんだったんだ？」と、
晴れ渡った空の下にいたそうだ。
かつて経験したことのない自由さを感じながら。
彼は後日、わたしに彼の経験から、こう話してくれた。
「本当に人が変わるとき、
元いた場所に強烈に引き戻そうと、
強烈に足を引っ張るようなことが起こる」
「でも、ほとんどの人は、そのことに気づけず、
元いた場所に戻ってしまう」
「そのことを、周りの人達をみてもわかるようになった」と。
わたしも彼が言うように、
嵐が過ぎ去るのを待てず、
なにが起こっているのかに気づけぬまま、
やってきた嵐に飲み込まれ、
生まれ変わる機会とともに通り過ぎていく場面を、
何度か目にしたことがある。
なぜ気づき、生まれ変わる人と、
そうでない人がいるのか、それはわたしにはわからない。
わたしにもそのような嵐がやってきた。
わたしの場合は、とても長かった。
誰も教えてくれる人が周りにいなかったから、抗い、抵抗し続け、
諦めて委ねるということができなかったからじゃないかと思う。
でも本当のことはわからない。
けれど、それでも嵐は通り過ぎ、
新しい人生ははじまった。
もしそこになにかワケがあるとしたなら、
なにがあっても全部台無しにし、
やりなおしなんてのは絶対イヤだ。
なにがあっても、通り抜けられるという信念を、
深いところで持っていたからなのかもしれない。
つづく。
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