アラブの大使たちも懸念する「電磁波がもたらす脳への影響」
週末を利用し、アラブ諸国の大使9人と鳥取県内を視察して回った。
鳥取大学の乾燥地研究センターの次に訪れたのは鳥取県産業技術センターである。
村江清志理事長の案内で、センター内の研究開発の現場を見せて頂くことに。
大使たちは因州和紙を使ったランプのシェードが醸し出す柔らかな光に驚嘆。
また、家具の作製用に開発された杉材の圧縮機やコースターへの印字技術に目を見張った。
20世紀ナシのエキスを活かしたリキュール酒にも感動。
しかし、最も盛り上がったのは、電磁波や通信電波を一切遮断した電子機器の安全性確認シェルター内での質疑応答であった。
クウェートやイラクの大使からは「携帯電話は人の脳に障害を及ぼすとの指摘があるが、実際の影響はどの程度あるのか」とのストレートな質問が出た。
残念ながら、このセンターで扱っているテーマではない。
しかし、この質問が皮切りとなり、電子機器の安全性について突然、討論が白熱した。
同センターの研究員からは「便利な機器とはいえ、過度に依存することは避けた方がいい」との説明に皆がうなずくことに。
というのも、某大使曰く「自分たち大人は注意しているが、子供たちのことが心配だ。というのも、彼らは生まれた時から電子機器に囲まれており、四六時中、電磁波に晒されているからだ。子供らが切れやすくなっているのも、ゲームや携帯にはまっているせいかも知れない」。
率直な悩みの発露に、他の大使たちも同感の様子であった。
思わぬ方向に議論が発展したが、こうした電子機器と健康の関連性は今後避けて通れない研究テーマになるに違いない。