今回は、今日来院されたバレエの先生とのお話。
ご自身のメンテナンスでありながら、話題は自然と「指導のヒント」へと移っていきました。

【リッツの臨床ノート Vol.37】
カテゴリー:バレエ整体
テーマ:「踏む」は「引き上がる」。

【患者さん 】

バレエ教室の先生

肩と膝のメンテナンスでご来院。

「踊れないわけではないけれど、より精密に動かすための身体を求めたい」 その姿勢は、指導者でありながら一人の探求者でもあります。

【感覚が「つながる」瞬間 】
施術中、肩と膝の不調は、対角線上にある支点との連携不足から来ているとお話ししました。

すると先生は、感覚的に全てを理解され、こう仰いました。
「やっぱり! 床を『踏む』ことと、体を『引き上げる』ことは同じエネルギーなんですね」

さすが先生です。
「踏む力」が体幹を通って、反対側の腕を「引き上げる力」に変わる。
この感覚を共有できると、言葉以上のスピードで理解が深まります。

【生徒さんへの伝え方 ️】
その流れで、私はこう提案しました。
「この感覚的な実感を、生徒さんたちにも掴んでもらえれば早いですよね」

先生も頷かれました。
言葉で説明するよりも、体感させることが一番の近道であること。
当院にはその生徒さんたちも来院されていますが、先生と私の間で身体の使い方の「正解」を共有しておくことは、生徒さんの上達にとっても最短ルートになります。

【処方箋:バーの前の「ねじり運動」 】
そこで、遠方から頻繁に来られない先生ご自身のため、そして生徒さんたちがその「実感」を得るためのヒントとして、一つの運動療法を提案しました。

「バーレッスンの前に行う、ねじり運動」 上肢(腕)から体幹を介して、対側の下肢(反対の足)へのつながりを感じる動きです。

バーレッスンに入る前に、この運動で「体の中のつながり」にスイッチを入れる。
そうすることで、「踏むことから引き上がる」という感覚が、生徒さんたちの身体にも自然と宿りやすくなります。

【まとめ 】
先生の情熱と、それに応える生徒さんたち。
バレエへの愛に溢れた、本当に素晴らしいお教室です。

皆さんがよりバレエを好きになれるよう、私も身体のメンテナンスを通して応援し続けます。


今回は、60代男性の患者さんとの会話から。
痛みが出てから慌てるのではなく、その少し手前にある「身体の声」に耳を傾けてみませんか?

【リッツの臨床ノート Vol.36】
カテゴリー:リッツ整体
テーマ:痛みの手前にある、「黄色信号」のお話。

【患者さん 】

60代・男性

定期的なメンテナンスでご来院。

「どこかが痛いわけではないが、今の状態を知りたい」という健康意識の高い方です。

【身体の信号機、見ていますか? 】 施術前のチェックで、私は身体の状態を信号機に例えてお話ししました。

赤信号 =「痛み」 「痛い!」と感じた時点で、身体はすでに悲鳴を上げています。
動きの中で痛むうちはまだ修正できますが、放っておくと骨の変形などに繋がり、取り返しがつかなくなります。

黄色信号 =「左右の違い」 痛みの前に、静かに点滅しているサイン。
それが「左右差」です。
「右腕はスッと挙がるのに、左腕は重い」「右は振り向けるのに、左は行きにくい」。
この左右のバランスの崩れこそが、不調の前兆(黄色信号)です。

【最高の点検ツール:ラジオ体操第一 】
では、どうやって黄色信号を見つけるか?
難しい検査はいりません。
「ラジオ体操第一」を、本気でやってみてください。

あれは究極に「左右対称」に作られたプログラムです。
普段使わない関節をまんべんなく動かした時、「あれ? 左だけ動きにくいな」と感じたら、それが黄色信号です。 子供の頃はできたはずの動き。
大人になった今、自分の身体の運動確認として活用してみてください。

【「スポーツ」と「運動」の違い ⛳️ vs ‍♂️】
ここで一つ、意外な事実をお伝えしました。

「ゴルフを週3回やってます!」 これは素晴らしい趣味ですが、運動学的には「偏った運動」になりがちです。
ゴルフやテニスは一方向への回旋動作が多く、やり込むほど左右差(歪み)を生みやすい側面があります。

一方で、 「毎日、歩いてラジオ体操してます」 一見地味ですが、こちらの方が「均等な運動」であり、身体のバランスを整えるには理にかなっています。

【まとめ 】
状態を確認した結果、この患者さんは首の動きもスムーズで、「左右差もなく、よく動けていますね」とお伝えできました。

スポーツを楽しむのは最高です。
だからこそ、その前後に「ラジオ体操」や「ウォーキング」といった「整える運動」を挟んであげてください。

黄色信号のうちに気づいてあげれば、身体はずっと長く、元気に動いてくれますよ。

今回は、期末テストを終えたばかりの中学生の女の子との会話。
彼女の無邪気な喜びから、私たちが忘れかけている「大切な原点」のお話です。

【リッツの臨床ノート Vol.35】
カテゴリー:こども整体
テーマ:『保健体育』という四字熟語。

【患者さんとの会話 👧】

中学生・女子

「先生! 期末テスト、保健体育がすごく良くできたの!」

5教科(国数英社理)も大切ですが、ニコニコと報告してくれる彼女があまりに素直で可愛らしく、私はこう伝えました。
「それはすごいね。実は保健体育って、一生使える一番大事な学問なんだよ」

【漢字の授業:保・健・体・育 📖】
きょとんとする彼女に、私はその四字熟語を一つずつ平たい言葉に置き換えて説明しました。

保(ほ): 健康を保(たも)ち

健(けん): 健(すこ)やかに生きるために

体(たい): 一生付き合う体(からだ)を

育(いく): 大切に育(はぐく)む

繋げると、 「健やかさを保ち、体を育む」

そう伝えると、彼女はハッとして、 「オー! 確かにそうだ! すごい意味だね!」 と、目を輝かせて感心してくれました。

【私の想い(5教科の前に) 💭】
学校の勉強はすべて大切です。素養になります。
しかし、大人になって多くの人が直面する深刻な問題は、数学の難問ではなく「健康問題」であることが多いのが現実です。

何をするにも、夢を追うにも、まずは「健康」という土台(前提)がなければ始まりません。 自分の体の摂理を知ることは、生きるための必修科目です。

【まとめ 📝】 「私が中高生の頃に、この意味に気づいていたら…」 そう思うことがよくあります。

だからこそ、今の若い子たちには知ってほしい。 自分の体を大切にすることは、未来の自分の可能性を守ることだと。

テストの結果も大事だけど、その知識は君の一生の財産になりますよ。
よく頑張ったね!


今回は、デスクワークで肩や腰がお辛い30代の患者さんとのやり取りです。 以前お伝えした「手を挙げる運動」を毎日続けてくださっていました。
本当に素晴らしいことです。

せっかく習慣になっているので、もう少しだけ効果を高めるための「コツ」をお伝えしました。

【リッツの臨床ノート Vol.34】
カテゴリー:リッツ整体
テーマ:ただ伸ばすよりも、「ねじり」が届きます。

【患者さんのお悩み ‍】

30代・女性(事務職)

「一日中座りっぱなしで、肩も腰も重くて…」

「教えてもらった『バンザイ』を続けていたら少し楽ですが、もっと良い方法はありますか?」

【なぜ、疲れが取りきれないのか? 】
ストレッチを頑張っても疲れが残る理由。
それは、筋肉の「役割分担」がうまくいっていないからかもしれません。

体には大きく分けて2種類の筋肉があります。

奥の筋肉(インナー): 骨格を「支える」のが得意(長持ちする)

表面の筋肉(アウター): 体を「動かす」のが得意(すぐ疲れる)

座りっぱなしが続くと、本来支えてくれるはずの「奥の筋肉」が休んでしまい、代わりに「表面の筋肉」が無理やり体を支えることになります。
「動かす」専門の筋肉に「支える」仕事をさせているので、すぐに疲れて硬くなってしまうのです。

【解決策:「ねじれ」を加える 】
硬くなった奥の筋肉を緩めるには、ただ真っ直ぐ伸ばすだけでは不十分です。
筋肉は螺旋(らせん)状についているため、「ねじれ」を加えることで、奥までしっかり届くようになります。

【実践!「ねじねじ」ストレッチ ✅】
いつものストレッチに、雑巾を絞るような動きを加えてみましょう。

① 内ねじり 片手をバンザイし、腕を内側に「ねじねじ」と回しながら、さらに高く伸ばします。
➡︎ 腕のねじれが骨盤や足まで伝わり、体の奥がググッと伸びる感覚を探してみてください。

② 外ねじり 今度は腕を外側に「ねじねじ」と回しながら伸ばします。
➡︎ テニスのサーブのような動きです。 軸足に体重が乗り、全身が一本の線で繋がるような心地よさがあります。

【その後の変化 ✨】
「うわっ、普通に伸ばすより全然遠くまで手が届きます! 体の中が伸びてる感じです」 手先だけでなく、体の中から温まる感覚を実感していただけました。

【まとめ 】
難しい理屈はありません。 ただ伸ばすよりも、「ねじって、奥まで届かせる」。

この小さな工夫で、毎日のケアがもっと効果的になります。
お仕事の合間に、ぜひ試してみてください。


今回はいつもの症例報告とは少し違います。
ある患者さんと、施術中に意気投合した「筋肉と感覚」のお話です。

【リッツの臨床ノート Vol.33】
カテゴリー:アスリート整体
テーマ:筋肉の罠。「脱力」こそ最強の技術。

【ストイックな競技者との会話】

40代後半・男性(消防士・短距離走者)

学生時代はライフセービングで活躍された、生粋のアスリートです。

トレーニング理論に造詣が深く、身体に対する意識も非常に高い。
52歳のいちテニス愛好家である私にとって、彼との会話はいつも刺激的で、良い学びの時間になっています。

【今日の議題:アウターマッスルは必要か? ️】
施術中、二人の意見がピタリと重なる瞬間がありました。
それは、「表面の大きな筋肉(アウターマッスル)に頼りすぎることの弊害」についてです。

もちろん、パワーには不可欠な筋肉です。
しかし、こればかり鍛えて「鎧」にしてしまうと、身体は重くなり、しなやかな動きが損なわれます。
特に私たちのようなオーバー40の世代にとって、それはケガやフォームの乱れを招くリスクにもなります。

【私のトレーニング論 】
私もテニスをする上で、あえて大きな筋肉のトレーニングは制限し、以下の3点を重視しています。

✅非日常のストレッチ 日常動作では使わない方向へ関節を動かし、可動域の「余白」を広げておくこと。

✅丹田呼吸法 吸うことより「吐く息(呼気)」を意識して腹圧を高め、体幹を内側から安定させること。

✅連動の再教育 手足の筋肉で動くのではなく、「手足は体幹から生えている」という感覚を磨き、中心からの連動性を高めること。

【共有できた「感覚」 ✨】
この話をすると、彼は深く頷き、こう言いました。
「結局、究極のパフォーマンスは『脱力』に行き着くんですよね」

多くの人は「力を抜け」と言われると、「力を使って、力を抜こう」としてしまいます。
これでは抜けません。 本当に必要なのは、 「骨格(インナー)を軸にして立ち、表面(アウター)はリラックスさせておく」こと。
そして、インパクトの一瞬だけ出力する。

種目は違えど、目指している「身体の境地」は全く同じでした。

【編集後記 】
今日は運動指導というより、お互いのトレーニング哲学の答え合わせのような時間でした。

「そうそう、それだよね」 言葉にしにくい身体の感覚を、こうして共有できる患者さんがいること。
治療家として、また一人のスポーツ愛好家として、とても嬉しく、豊かな時間でした。


今回は、【介護予防整体】でのお話しです。
「転ばないように」と頑張っている方ほど陥りやすい、危険な勘違いについて。

【リッツの臨床ノート Vol.32】
カテゴリー:介護予防整体
テーマ:転倒予防。「足を上げよう」は、逆に危ない。

【患者さんのお悩み 】

70代・女性

「転ばないように、もっと足を上げる運動をした方がいいでしょうか?」

すでに当院の運動療法を習得されていますが、さらに強化したいという素晴らしい向上心をお持ちの方です。

【私の回答(意外なアドバイス) 】
私はこう答えました。
「運動は今のままで十分です。これ以上、無理に足を上げようとしないでください」

【解説:なぜ「足を上げる」と危ないのか? 】
「つまづかないように足を上げなきゃ」と意識すると、人はどうしても足元を見ます。

目線が下がる ➡︎ 頭が前に落ちる。

お尻が出る ➡︎ バランスを取ろうとして腰が引ける。

逆に足が上がらない ➡︎ 骨盤が寝てしまうため、頑張っているつもりでも足は地面スレスレを通過します。

この「へっぴり腰」こそが、何もない場所でつまづく原因になります。

【リッツ流・転倒予防の極意 ✅】
私は、全く逆のアドバイスをしました。
「目線を上げて、つま先さえ上がっていれば、かかとは地面を引きずってもいいですよ」

目線を上げる: 自然と骨盤が立ち、足が前に出る条件が整います。

つま先を上げる: つま先さえ上を向いていれば、もし段差があっても足の裏が当たるだけ。
転ぶことはありません。(転倒は、下がったつま先が引っかかることで起きます)

【本日のご様子 ✨】
「かかとは引きずってもいい」 そうお伝えすると、張り詰めていた緊張が解けたように、納得されていました。

杖をついていても、大切なのは筋力以上に「目線の位置」です。

【まとめ 】
骨粗鬆症のお薬を飲んでいても、転んでしまえば骨折のリスクは防げません。

今日からできる一番の予防。
それは、下を見ずに「前を見る」こと。
それだけで、あなたの足はもっと安全に前に出てくれますよ。


今回は、整形外科で「数万円のオーダーメイドインソール」を作っても治らなかった踵(かかと)の激痛。
なぜ、高価な道具が効かなかったのか? その謎を解きます。

【リッツの臨床ノート Vol.31】
カテゴリー:リッツ整体
テーマ:数万円のインソールが「効かない」理由。

【患者さんのお悩み 】

50代・女性

「冬の朝、起きて最初の一歩目に踵に激痛が走ります」

「整形外科で『踵骨棘(トゲ)』と言われ、数万円のインソールを作りましたが…全く効果を感じません」

【初診時のご様子 】
ご来院時の表情は、痛みへの恐怖と医療への不信感で張り詰めていました。
「高いお金を払ってもダメだったのに、ここなら治るの?」 そんな心の声が聞こえてきそうな、怪訝な表情でした。

【私の考察(なぜ効かない?) 】
インソールが無意味だった理由。
それは、彼女の身体が「極端な左非荷重(左に乗らない)」状態だったからです。

道具の限界: インソールは下から支える板です。
しかし、本人が無意識に左足をかばって体重を乗せていなければ、支える機能は発動しません。

機能の崩壊: 体重が乗らないため、足指は浮き、地面を掴めません。
結果、見かけ上の扁平足」となり、足底筋膜が引っ張られ続けて踵にトゲ(激痛)を作っていたのです。

【当院でのアプローチ ✅】
インソール(道具)に頼る前に、「自分の足」を使えるようにしました。

1. 激痛への処置(ショックマスター) まずは、今の激痛を止めるために圧力波(ショックマスター)を使用。
硬直した足底筋膜とトゲ周辺に物理的な刺激を与え、組織の再生を促しました。

2. 根本改善(リッツ整体) ここが重要です。 「左に体重を乗せられる骨盤」を作るための矯正を実施。
さらに、体重を受け止めるための「足指」を使えるように調整しました。

【その後の変化 ✨】
週2回の通院を続け、4週間後。
「先生、あんなに痛かった朝の一歩目が、今は少し違和感がある程度です!」

初診時の険しい表情は消え、「やっと原因が分かりました」と安堵の笑顔を見せてくださいました。
今年中には、完全に気にならない状態まで治る見込みです。

【まとめ 】
どんなに良い道具も、身体の使い方が間違っていれば効果を発揮しません。

「何をやってもダメだった」 そう諦める前に、その痛みの「本当の犯人(原因)」を探しに来てください。

今回は、施術効果は出るものの、環境要因で戻ってしまう「冷え性腰痛」へのアプローチ。 東洋医学の知恵を借りて、身体の内側から熱を作る方法をお伝えします。

【リッツの臨床ノート Vol.30】 カテゴリー:リッツ整体(東洋医学) テーマ:整えても、冷える。その腰痛に必要な「骨への刺激」。

【患者さんのお悩み 🥶】

30代・女性(デスクワーク)

「毎年冬になると、冷えからくる腰痛に悩みます」

「施術を受けると楽になりますが、翌日仕事をしていると足元から冷えて、痛みが戻ってしまいます」

【私の考察(臨床所見) 🖐️】 施術による反応は良好です。 仙腸関節を整えることで、歩幅が広がり、その場での動作痛は大幅に減少していました。

しかし、効果が翌日までしか持続しない。 原因は、**「デスクワークによる足元の冷え」という環境に、身体の自家発電力が追いついていないことでした。 そこで、東洋医学の視点を取り入れ、「熱を作る力」**を強化しました。

【当院でのアプローチ ✅】

1. 施術:動ける身体を作る(西洋医学) まず、冷えて固まった腰背部にラジオ波を照射し、仙腸関節の矯正を行いました。 これにより歩行時のストライド(歩幅)を広げ、動くことで熱を生み出せる骨格条件を整えます。

2. 運動:骨で熱を作る(東洋医学) ここが今回の重要ポイントです。 東洋医学では、冬は**「腎(生命力)」が弱り、冷えやすくなる季節。そして「腎」は「骨」**と深く繋がっています。

「かかと落とし(30回)」の実践: 朝、つま先立ちからかかとを「トン」と床に落とします。 この骨への縦方向の振動がスイッチとなり、弱った「腎」を活性化させます。すると、身体の芯から**「陽気(温めるエネルギー)」**が湧き出し、自家発電できる身体に変わるのです。

3. 保温:熱を逃がさない(養生) 作った熱を守るため、カイロの効果的な貼り方と、温かい食事(温飲食)も指導しました。

貼る場所: 風門(背中上部)、丹田(へそ下)、仙骨(お尻の上)。

⚠️ご注意: カイロは必ず衣類の上から貼ってください。特にデスクワークで背もたれに寄りかかる際や、就寝時は圧迫されて低温火傷のリスクが高まるので注意が必要です。

【その後の変化 ✨】 骨格矯正で動きを出し、骨刺激で熱を作った結果。 「仕事中も以前ほど冷えを感じなくなり、良い状態が続くようになりました」

【まとめ 📝】 施術で骨格を整えれば、痛みは減ります。 しかし、環境による強力な「冷え」に勝つには、ご自身のケアによる援護射撃が必要です。

「整える(施術)」×「骨への刺激(東洋医学)」×「守る(保温)」

この3つのサイクルで、冬のデスクワークを乗り切りましょう。



今回は、1年以上も左肩が上がらず、夜も眠れないほどの激痛に悩んでいた患者さんのお話です。
長引く痛みの正体、それは関節だけでなく「脳」にもありました。

【リッツの臨床ノート Vol.29】
カテゴリー:リッツ整体
テーマ:1年続いた五十肩。「脳の過保護」を解除せよ。

【患者さんのお悩み 😫】

40代後半・女性

「1年以上前から左肩が上がらず、最近は夜中にズキズキ疼いて眠れません(夜間痛)」

「服を着るのも一苦労。もう固まって動かなくなる寸前(拘縮)です…」

【私の決断(愛ある荒療治) 】
昔から通ってくださっている気心の知れた患者さんです。
だからこそ、私は正直に伝えました。 「ズバリ、痛い治療をするよ。
でも必ず動くようになる。頑張れる?」 彼女は「やります!」と覚悟を決めてくれました。

【当院でのアプローチ(ハード×ソフト) ✅】
Step 1:物理的なロック解除(ハード) 固まった関節を剥がすため、容赦はしません。

ショックマスター(圧力波): 痛みの芯に、あえて衝撃を与えて組織を再生させます。

深層筋膜リリース: 肩甲骨周りにへばりついた「甲羅」のような筋膜を、ビシビシと剥がしていきました。

Step 2:脳のロック解除(ソフト) 施術後、可動域は広がっているはずなのに、彼女はまだ恐る恐る動かしていました。 ここで「脳のトリック」を使います。

全身鏡の前に立ってもらい、こう指示しました。

❶「左手は挙がる!」と声に出してもらう(聴覚入力)。

❷まず、元気な「右手」を高く挙げてもらう(視覚的なお手本)。

❸そのイメージのまま、左手を挙げてもらう。

【その後の変化 ✨】
すると…スッと左手が耳につくまで挙がったのです! 「えっ!? 挙がってる!」 ご本人が一番驚いていました。

【解説:脳は「過保護」な親玉 🧠】 長く痛みが続くと、脳は「動かすと痛いから、動かすな!」と過保護になり、関節にロックをかけてしまいます。
鏡で「動く右手(お手本)」を見せ、声に出して脳を騙すことで、この「過保護ロック」が外れ、本来の可動域が瞬時に戻ったのです。

【まとめ 📝】
五十肩は、「様子を見ていれば治る」ものではありません。
放置すればするほど関節は固まり、今回のような「痛い治療」が必要になってしまいます。

これからは「3歩進んで2歩下がる」リハビリ期間。
CBDオイルでのホームケアも併用しながら、焦らず治していきましょう。

違和感を感じたら、我慢せずに医療機関への受診をお勧めします!
早ければ早いほど、痛い思いをせずに済みますから。



今回は、75歳以上の方を対象とした【介護予防整体】から。
当院には、アスリートに負けないくらい健康意識の高い「人生の先輩方」が多く通われています。

【リッツの臨床ノート Vol.28】
カテゴリー:介護予防整体(75歳以上)
テーマ:繰り返す「膝の水」。あえて膝に触れずに施術した理由。

【患者さんのお悩み 】

70代後半・女性

「膝に水が溜まって痛い。整形外科で水を抜いて注射をするけど、すぐにまた溜まる」

「この繰り返しで、私の足はどうなってしまうのか…と不安で来院されました」

【私の考察(臨床所見) 】
膝の水は、炎症を冷やそうとする身体の防御反応(消火活動)です。
つまり、膝に負担をかけている「火種(原因)」を消さない限り、何度水を抜いてもイタチごっこです。

彼女の足元を見て、その火種が見つかりました
冷え性を気にして、「厚手の靴下を2枚重ね履き」していたのです。

【解説:なぜ靴下が膝に悪いのか?(運動連鎖) ✍️】
1️⃣ サスペンションの停止: 本来、足の指は地面を捉えて広がり、歩く衝撃を吸収する「バネ」の役割をしています。しかし、重ね履きで指が圧迫され、その機能が完全に停止していました。
2️⃣ 膝への直撃: 足元で吸収されなかった衝撃は、そのまま上に伝わり、全て「膝関節」に直撃します。
3️⃣ 炎症の発生: その衝撃で膝の組織が炎症を起こし、結果として「水」が溜まっていたのです。

【当院でのアプローチ ✅】
私はご本人にこの仕組みを理解してもらうため、最初の2週間はあえて膝を触らずに施術しました。

足指の解放(セルフケア): 靴下を「5本指ソックス1枚」に変えてもらい、代わりに発熱ウォーマーで足首を保温するよう指導。
足指というサスペンションを使えるよう促進しました。

循環改善(ラジオ波): 膝ではなく、ポンプ作用のある「両ふくらはぎ」にラジオ波を当て、滞った水分の循環を促しました。

股関節の整復: 膝の負担を減らすため、股関節の動き(外旋)を滑らかに整えました️

【その後の変化 ✨】
1日おきに通っていただき、3週間後。 「先生、膝に触ってないのに、痛くないし水も溜まりません!」 と、驚きと喜びの声をいただきました。

現在は、膝そのものに対してもCBDオイルを用いた筋膜リリースを行い、週に1回のメンテナンスで経過良好です。

【まとめ 】
介護予防とは、ただ身体をケアするだけではありません。
不調の原因を理解し、「自分で管理する力(自立)」を養っていただくことが最も重要です。

当院の介護予防整体には、自立志向の高い先輩方が訪れます。
私も彼らのように、幾つになっても元気でいられるよう、臨床の現場で学び続けたいと思います。