所信の詳細 JARL NEWS問題、QSLカード問題 | はじめてのアマチュア無線

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アマチュア無線を始めたばかりの方、あるいはン十年ぶりに再開局された方、アマチュア無線のイロハを解説するブログです。

まず金額面から。令和6年度の予算を見ると、JN発行費で3,870万円、QSL費で7,700万円が計上されています。
これは、人件費等を除けば、JARLの支出の中でも非常に大きな比率を占めるものでであり、極めて重要な問題です

 
 
1.JARL NEWS問題
JARL NEWSの改革を2つの面から見ていきます。
 1.JARL NEWSの電子媒体化
 現在、クレジットカード会社や会員誌を発行している企業の多くが紙の書籍を郵送するのをやめ、Webに移行しています。
経費削減とともに、SDGsを意識したものと思われます。
昨年、X(Twitter)の投票システムを使用して調査をしたところ、現在の書籍の形態のまま電子化(PDF化)する声と冊子形態ではないWeb化(ホームページ化)の2つで投票者の7割の方を占めました。
 また、ご意見として、
  ・文字が小さくて読みずらい
  ・有益な情報が無い
 といったものがありました。
 これらを変革し、コストを削減するという観点から、以下のように実施します。
 ①電子版への移行を促すため、紙媒体の送付が不要な人は会員情報の変更等で選べるようにする。同一世帯への配布は1冊のみとする。(希望により、配布することも可とする。)
 →印刷費と送料は一定数削減されます。(現在の6万部→4万部くらいまで削減を見込む)
 ②JARL NEWSの紙面の見直しとJARL WEBの見直し
  コンテスト結果やJARD関連の記事など、既に他のページで公開されている情報については、JARL NEWSから削除する。
TOPICSや地方だよりなど、Webのほうが速報性もあるので、Web化する。同時にJARL WEB自体も見やすく再整備すること、地方だよりのように各地の支部長などが掲載すればよい情報は直接更新できるなどの見直しも行う。主な記事は、JARLメールマガジンなどで情報が取得しやすいようにする。
 →これにより、現在100ページ強あるJARL NEWSは40ページ位となり、紙の発行を続けても印刷の経費等は大幅に削減される。
 ③紙媒体の廃止
  ①②が実現後、電子版へのアクセス状況などを鑑み、紙媒体の発行を終了する。(①②実施からおおよそ1年後くらいを目途)
点字JARL NEWSについては、現状のニーズをしっかり把握したうえで上記の計画に盛り込んでいく。
 

2.QSLカードの転送遅延、電子QSL
 JARLの支出で一番多い項目です。ここの改善無くしてJARLの財政改革はないと言っても良いと思います。
 QSLカード問題は、以前にブログにも記載しておりますので、こちらもご覧ください。(この所信の詳細よりも踏み込んでいる部分もあります)
https://ameblo.jp/ham-net/entry-12815878299.html

 


 時間の経過で、多少変わっているところはありますが、上記をご覧いただいたうえで読んでいただけると幸いです。


 まず、JARLがQSLカード発行の削減を求めていることに対し、不満の声が上がっていますが、まずこちらをご覧ください。
https://www.iaru.org/on-the-air/qsl-bureau/

 簡単に言えば、IARU(国際アマチュア無線連合)は、QSLカードの交換という文化を肯定しつつ、廃棄されるカードやビューローの経済的負担を考え、電子QSLに移行しようと言っています。
日本は、古くから国内QSLも転送するという仕組みが馴染んでおり、紙カードありきの文化が定着していますし、まだ多くの方が、紙でのQSLカードを楽しみにされているのも承知しております。しかし、多くのカードが廃棄される等の問題は、環境問題でもあり、アマチュア無線が社会の一部であることを考えると、無視できない問題です。

非常にかじ取りの難しい問題ですが、以下のように考えます。
 ①転送遅延問題
  何をやるにしても、QSLカードの遅延問題は既に年単位で改善されておらず、早急な改善が必要です。ここまで問題解決が進まないのは、人とか金の問題ではないように思えます。まず、何が原因で滞留しているのかを分析したうえで、対応策を立てます。一時的な支出で解消するのか、恒久的な対応を打たなければならないのか等を総合的に判断し、進めていきます。
 ②電子QSLへの移行
  世界的な流れを受けて、緩やかに電子QSL化を進めていきます。世界的に見れば、LoTWやe-QSLが普及していますし、国内だけを見れば、HAMLOGのhQSLがありますが、これらの電子QSLも一長一短あります。
 JARLとしては、
  ・どこかのシステムに相乗りする(JARL会員ならではの相乗りメリットを出す必要がある)
  ・JARLのQSLシステムを作る
 という方法がありますが、後者は構築費用や維持費用が相応にかかることと、国内システムゆえのガラパゴス化する可能性があります。既にこれらの分析をされている方もいますので、そういった意見を参考にしながら、進めていきます。
あまりに検討項目が多く、また、意見の分かれるところでもありますので、今回の詳細では割愛させていただきますが、委員会等を設け、じっくり検討(時間をかけるという意味ではなく中身を深く)し、結論を出したいと思います。

  
※電子QSLを推進するとQSLカード転送を目的として入会しているJARL会員が減る、これは少なからずあるでしょう。JARLとしてそれ以上のメリットを出していくことも検討していく必要があります。