所信の詳細 人材育成と体験局運用 | はじめてのアマチュア無線

はじめてのアマチュア無線

アマチュア無線を始めたばかりの方、あるいはン十年ぶりに再開局された方、アマチュア無線のイロハを解説するブログです。

人材育成と体験局運用

所信で、「若者育成、体験局運用」と「カムバックハムの支援」と分けていたものをを1つにまとめて人材育成として説明します。ひとくちに人材育成といっても、年齢によってかなり異なるものとなってきます。また、企業での人材育成と異なり、効果を見極めるためには複数年の長い時間が必要となります。この施策は、アマチュア無線の裾野を広げること、開局後の楽しみを広げること、昔取得した免許での再開局を進めることであり、継続的なアマチュア無線人口の維持、しいては、JARL会員数の増加につながるものです。
こういったイベントは、過去から取り組まれているものではありますが、いま一度整理し、アマチュア無線の活性化につなげたいと思います。


1.電気に興味を持ってもらう世代
 電気に興味を持つ子供の多くが、小中学生くらいの頃に親に連れてこられたイベントで、ということが多いようです。はんだ付けだったり、はんだを使わない工作だったり、特小機での体験交信だったりが主な内容と思います。
 個人的に、私も小学生相手のはんだごてを使う電子工作教室を複数年に渡って開催し、のべ1000人を超える受講者を出してきました。たった1度の思い出として残っているか、これをきっかけに電気の道に進んでいる人がいるかはわかりませんが、少しでも後者の方がいればよいと思っています。
 
 こういったイベントは1人でできるものではなく、複数人の管理の元、安全に行うことが要求されます。また、工具なども多数必要となります。地方支部や登録クラブといった地元密着の団体を通して、実施しやすいように支援していくことがJARLの使命であると思います。
 例えば、工具の貸し出し、特小機の貸し出し、工作で使うキット等の購入など、個々に実施するには経費の掛かることをJARLが肩代わりしていくことが未来につながることと考えています。

2.本格的に勉強をしようという世代
 主に電気に興味を持った中学生~大学生くらいが対象です。
 この世代はちょっと背伸びをした話を聞いて、どっぷりつかっていく世代です。アンテナの理論や、衛星通信、現在の最新の無線機の技術の話でも構わないですが、いわゆる技術セミナーといった類のイベントの開催が必要と思われます。
 現状、主に地方支部やメーカーさんなどが開催することが多いと思われますが、個人やクラブでは依頼できない企業への講演依頼など、組織として対応しなければならない部分はJARLがしっかりサポートすべき部分です。
 
3.技術相談
 「アマチュア無線の楽しみ方」のようなセミナー類は結構あります。
 しかし、開局してもハンディ機1台ではいつまでも楽しもの幅は広がりません。開局後のフォローもしっかり行わないと、1回目の免許更新をせずにやめてしまうということになります。更に、開局後数年がたって、新しいバンドやモード、アンテナを工夫したいということに対しても、フォローしないと、長続きする趣味にはなりません。
 昔なら、近所に大きなアンテナのある家を訪問して・・という経験をお持ちの方もいるかと思いますが、今は、そういう時代でもありません。当時のOMに成り代わってサポートしていくのがJARLの使命と思います。

4.体験局運用
 昨年より、体験局の運用の幅が広がり、既に多くのクラブ等で実施されています。
 体験局運用は、実施する場所、時期等で千差万別であり、2つと同じ運用はありません。JARLでも簡単な体験局運用のマニュアルは作成していますが、各地の運用の状況などを把握し、用意すべきもの、押さえておきたいポイントなど、より多くの方が体験できるような仕組みづくりをすべきであると思います。


5.カムバックハム支援
 免許人口が最多であった頃に10代~30代くらいだった方は現在、50代~70代くらいになっているかと思います。昔やっていたんだけど、退職等を機に、もう一度やってみたいという方はよく聞く話です。ただ、この間に多くの法律、制度などが変わっており、再開局への道は結構険しいです。
 「昔使っていた機械があるから」と思っていた方にとってはスプリアス対応などで「使えないの?」とかいうことになります。
 現在のJARLは「カムバックハムを支援する」としながら、入会促進に重きを置いているように見受けられます。JARLへの入会は説明の最後に「JARLに入ろう」だけでいいと思います。むしろ、親切丁寧に、カムバックの手順を説明してくれる、読みやすいマニュアルを提供すれば、自ずとJARL会員は増えます。

 ここまで5つを並べましたが、いずれもJARLは支援の立場にすぎません。一方でこの体制が無いのも事実です。こういった対策を行うワーキンググループなどを立ち上げ、計画的に実施していきます。