知ったかぶりのプロもどき
ログハウスの施工を監理チェックしながら完工に導くのが私の仕事です。オーナー様には契約時から施工時、その都度の段階で、今やっている作業の必要性と問題点を説明しています。また今後起こりうるかも知れないメンテナンスと対処も説明します。
独り善がりなのでしょうか。わかりやすく説明していると思うのですが、オーナー知人の技術者?技能者?の方には理解してもらえない事があります。
例えば、知人に建築関係者がいらっしゃるとかで、その方が何かとアドバイスをしてくれるケース。
(1) ログノッチ(交差部)にコーキングを施す作業を手伝うとします。指定して
用意してあるコーキング剤を使わないでシリコンコーキングを使うのです。
組み上がったログ壁ノッチ部分に、クリアーのシリコンコーキングを施すん
ですよ。ノッチ部以外の至る処にも。
※ なぜ指定して用意してあるコーキングを使わないのですか。
セトリング(材料が沈む事)が出来なくなりますよ。左右前後のセトリング
バランスが保てませんよ。
より一層の材料の噛み合わせが期待できないですよ。
(オーナー)知人の○○さんが、ログハウスは隙間だらけだから、コーキング
はこれが一番。誰が何と言おうとこれを使ってね、と持って来て
くれたんです。
※ 知人の○○さんはログハウスの習性の事は、あまり知らないと思うんです。
説明したら、きっと理解してくれると思います。まずは、打ち合わせ通り進め
ましょう。
(2) 知人の△△さんが、塗料は○○メーカーの○○が一番だと言ってたので
変更して下さい。
※ すみません。その塗料はちょっとタイプが違うので使用できません。
(3) 知人のログ経験者が、窓上のセトリングスペースが1Fと2Fで一律じゃないと
言っているのですが・・・。
※ 1Fと2Fは沈み方(セトリング)が違います。むやみに空間部分をいっぱい
作る必要はないのです。
以上のようなケースでも、知人の方が私の方に直接もの申してくれたらいいのですが、何かと現場が混乱して困ることがあります。
指定工務店の巻
● 解らなかったら聞いて下さい。
お客様から別荘建設の依頼が来ました。
そこの別荘地では、管理会社指定の工務店で施工しなければならないとの事。
よって、設計監理のみをさせて頂く事にしました。
その工務店は、他社ログメーカーも施工しているとの事でしたが、打ち合わせに不安を感じ、私の他での施工中物件と完成物件を見に来て頂くように勧めました。しかし、忙しいという理由で見に来ませんでした。
基礎、組立、仕上の段階、造作完了、完了検査と行います。結構厳しく、うるさく言った方です。
・組立の時
私 : この段階で配線チェックをして下さい。ボルト入れを行って下さい。
今日一日いますので、一緒に点検しましょう。
工務店 : 出来てますから大丈夫です。
私 : 今やらないと、後からできなくなりますよ。
工務店 : 今日は、○○しますんで明日必ずやります。大丈夫ですよ。
・建具の取付時
私 : この材料はこのように使います。長さは全てその箇所のサイズに
合わせてありますので、決して転用しないで下さい。
これは、こう付けます。これは、こうします。この注意点は……。
工務店 : 図面見てますから大丈夫です。
注意を守ってきっちりやります。
・造作完了時
私 : ようやく出来ましたね。ボルトをきっちり入っていますね、などと
外観を見ながら中に入った。
スタッフの女性 : この家何か変です。私はいつも完成の建物しか見て
いなくて、何がどうだというのはわからないのですが、
いつも訪問している家と雰囲気が違います。
私 : え! そうなの、何でだろう。
よく見ると、
あれ! 床板の表裏が逆だ。天井板も逆だ。ケーシングが鉄釘で
打ってある。巾木も廻り縁も、全て鉄釘だ。左右の板の種類が違う。
あそこもここも、ゲェー!
もう一度外部に廻る。ボルトをしめてみた。
ポトンとボルトが落ちた。あそこにもここも。外部ケーシングが
種類違いの板で継いでる。塗装でごまかしている。
よくも、こんな事ができたもんだ。
工務店 : ボルト入れるの忘れたんですよ。大工が適当に板を切ったんです。
仕上板の表裏は、○○メーカーを参考にしたんです。
私 : ムカーッ! ××××××××××××××××ッ!!
・ 屋根板をめくって、全部ボルトを入れ直して下さい。
・ スイッチの位置も違うので、やり替えて下さい。
・ 建具を全部取り外して下さい。一からやり直して下さい。
・ 床も天井も、あれもこれも~~全部やり替えて下さい。
お客様には1ヶ月の納期延長をお願いして、私どものビルダーを監督に派遣して完成させた。
この工務店は、大損をしました。
※ 別荘地の指定業者というのは、棚からボタモチ。
土地が売れれば仕事が入ってくる。たいして仕事の研究もしなくて済む。
全部が全部、このような工務店ばかりではありませんが、初めての仕事は
やはり勉強してほしいものです。
業者選びのポイントは、工務店の担当者と家造りについて色々会話を
されたら、その方の気質が読みとれるかもしれませんね。