映画館で予告編を観て設定が面白そうだったので、とりあえず当初はパンフレットのみを購入していましたが、特に、韓国映画などにお詳しいAmebaブロガー・あややんさんのブログ記事を拝読して観に行きたくなったので、上映回数が少なくならないまでにと、7月21日(水)に、年老いた父親と一緒に、dポイントの有効活用をするべく、滋賀県草津市のイオンシネマ草津まで鑑賞に出向いて来ました。
今年度の35本目の劇場鑑賞作品。
(※今年度のイオンシネマ草津での8本目の劇場鑑賞作品。)

「死なないクローンと余命僅かな男のロードムービー(21.7/21・2D字幕)」
ジャンル:SF/サスペンス
原題:SEOBOK/徐福
製作年/国:2021年/韓国
配給:クロックワークス
公式サイト:http://seobok.jp/
上映時間:114分
上映区分:一般(G)
公開日:2021年7月16日(金)
監督:イ・ヨンジュ
キャスト:
コン・ユ / パク・ボコム / チョ・ウジン / チャン・ヨンナム / パク・ビョンウン 他

【解説】
永遠の命をもつクローンの青年と、彼を守ることになった余命わずかな元情報局員の運命を描いた韓国発のSFサスペンスドラマ。
余命宣告を受けた元情報局員の男ギホンは、国家の極秘プロジェクトによって誕生した人類初のクローン、ソボクの護衛を命じられる。
ところが任務開始早々、何者かの襲撃を受ける。
からくも生き延びた2人だったが、人類に永遠の命をもたらす可能性を秘めたソボクの存在を狙い、その後もさまざまな勢力が襲ってくる。
危機的な状況の中で逃避行を繰り広げるギホンとソボクは、衝突を繰り返しながらも徐々に心を通わせていくが……。
「新感染 ファイナル・エクスプレス」のコン・ユが元情報局員ギホン、ドラマ「青春の記録」のパク・ボゴムがクローン青年ソボクを演じる。
監督は「建築学概論」のイ・ヨンジュ。
(以上、映画.comより、引用抜粋。)


極秘の国家機密プロジェクトにより、とある研究所で生み出された、永年の寿命を持つ、人類初の遺伝子組み換えクローン人間の少年ソボク(パク・ボゴム)と、その彼の警護を頼まれた余命1年の元情報局員ギホン(コン・ユ)との壮絶な逃避行と心の交流を軸にしたSFアクションエンターテインメント映画。



永遠の寿命ではありはしますが、細胞分裂速度が通常の人間よりも2倍以上速い為に毎日抑制剤を投与し続ければならないし、外傷によっては死ぬこともあるクローン人間の少年ソボク。更には遺伝子組み換えの副作用により、偶然生じた自己防衛本能なのか、物体を自由に制御できるといった超能力のサイコキネシス(念力)を持っているという設定。
一方で、悪性の脳腫瘍により余命1年以下ながらも、ソボクの細胞を利用した治験で病気を克服しようと考えている護衛のギホン。

「ソボクの細胞を移植する臨床実験への参加」が特典のこの任務に飛びついたギホンでしたが、やはりというべきか、シェルターへ移送する任務開始早々に、クローン人間ソボクを狙って、何者かの襲撃を受け、2人はからくも生き延びるのでしたが、その後も様々な勢力が襲いかかってくるのでした。

危機に陥ると、ソボクは目を疑うような超能力を使い追っ手を蹴散らしていくのでした。2人は追いつ追われつの逃避行のなかで、衝突を繰り返しながらも「生」と「死」やお互いの境遇を真正面から見つめ、あたかも兄弟の様に、徐々に心を通わせていくのでした。

前述の通り、ソボクは超能力を駆使することが出来、彼が念じれば、足元の砂も重力を無視したように舞い上がったり、周囲の草花も竜巻に吹かれたみたいに巻き上がるのでした。

それだけに留まらず、鉄パイプをひん曲げたり、人を吹き飛ばしたり、壁や床に打ちつけたりも出来るといった、あたかも大友克洋さんの傑作漫画『AKIRA』の島鉄雄の如き、超能力エフェクト(見えない衝撃の視覚化)を絶妙に彷彿させるのでした。
それらはVFX効果で表現されていて、やや大袈裟に言えば、その品質は、このソボクならば、あのハリウッド映画のMCU(=マーベル・シネマティック・ユニバース)のヒーロー達にも負けないくらいの超能力なのではないかとまで感じさせるほどに、かなり気合いの入った映画であり、韓国における興行成績では初登場No.1といった成功を収めたのも頷ける出来映えでした。

当然の如く、アクションの質も高く、最初の任務の移送中に銃撃戦が突如として始まり、車が横転し、爆発炎上し、乾いた発砲音が響き渡る。と言ったような、この何気ない日常の一場面にジワジワと緊張感が忍び寄る、ただならぬ画作りについても堪能して欲しいですね。

ただVFX効果やアクションの質が高いのみならず、本作品は何よりも主題・コンセプトが深い。
死なないクローン人間と、死を目前にした男によるロードムービーを通して、観客の目前に死を突きつける事で、「生きるとは一体何なのか」「我々が死ぬ理由とは」といった、その死生観について考えさせるかのように描き出していくのでした。
「生きることの意味」、そして延命欲や人間の愚かさをも問い考えさせる、実にコンセプトが深く中身が濃い映画でした。

病により余命僅かなギホンは、すべての病を治す可能性があるソボクと行動を共にし、<人間の究極の目的>に辿り着く。
死が決して無意味な敗北ではなく、<必要悪>なのだとしたら、それは一体何故なのか。

すべての答えは、韓国で初めてクローン人間を題材にした本作品の中にあるといって良いかも知れないですね。

また、この主演2人に負けじと強烈な存在感を放つキャラがいます。その名はアン部長。元情報局員であったギホンの元上司であり、本作品における悪役の1人。演じるのは韓国映画・ドラマには欠かせない名脇役チョ・ウジン。

私は、正直なところ、本作品の出演俳優については、あの大ヒット作品の『新感染 ファイナル・エクスプレス』(2016年)に主演していたコン・ユしか存じ上げていなくて、このチョ・ウジンの低くすごみのある声、爬虫類のような狡猾さと、猛禽類のような獰猛さを併せ持つ、このチョ・ウジン演じるアン部長役のオーラたるや、半端ではなかったのですが、顔付きを観ているだけではパッと観た感じでは、元大阪府知事の橋下徹さんと何気に似ているので、そればかりが気になって仕方がなかったですね(汗)

そしてまた、ギホンとソボクが追っ手から逃げる最中、隠れ家でビリヤード台を机がわりにカップ麺を食べるシーンがあるのですが、これが何故だか凄く美味しそうに見えて仕方がなかったのも印象的でしたね。

このカップ麺を通して、真逆な境遇の2人が絆を深める切っ掛けを掴むから面白かったですね。

あの大友克洋さんの傑作漫画『AKIRA』を彷彿させるような超能力のサイコキネシスなどを実写映画化したようなVFX効果や派手なアクションシーンなどの演出面ばかりを期待している観客には、やや内容的に中途半端に受け取られるかも知れないですが、ギホン役の人気俳優のコン・ユ、そして若手イケメン俳優としてアジア各国でも人気を博すらしい、本作ではクローン人間ソボク役のパク・ボゴムとの共演による素晴らしい化学反応と、そして、このある種哲学的な主題・コンセプトが映画の肝と言っていいかとも思いました。


物語、コンセプト、VFX効果、キャスト、心くすぐる印象的なシーンの数々。これらが高次元に融合した結果、どのシーンを切り出したとしても安っぽさや嘘っぽさが見受けられないところが凄かったですね。

それは潤沢な制作費に、たっぷりと確保された製作期間を背景に、韓国国内の興行収入のみならず、世界を照準にしたハイレベルな、謂わば職人たちが拘りにこだわりを重ね理想の作品を追求した結果、ここまで実現出来たものと思われました。

私的な評価と致しましては、
前述の繰り返しになりますが、邦画を凌ぐほどに、韓国映画はここまで出来るといった感もあるくらいに、物語、哲学的で中身が濃いコンセプト、VFX効果、キャスト、心くすぐる印象的なシーンの数々。これらが高次元に融合した素晴らしい出来映えのSFアクションエンターテインメント巨編でしたので、五つ星評価的には、文句なしの★★★★★(100点)の満点評価も相応しい作品かと思いました次第です。
○7.16 (fri)公開『SEOBOK/ソボク』 予告
○7.16 (fri)公開『SEOBOK/ソボク』|特別映像【キャラクター紹介】
今回も最後までブログ記事をお読み下さり有り難うございました。