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HALUの映画鑑賞ライフのBlog

~映画鑑賞雑記帳 &京都・滋賀の季節の歳時記 & 読書などのお気儘ライフ~

まだ劇場鑑賞済みでブログ記事化出来ていない映画が5作品ほど残ってはいますが、またまた今回も観てきた順序を飛び越えて、前後することになってしまいますが、先日、7月15日(金)に『キングダム2 遙かなる大地へ』が公開後、念のため、その日に放送の前作『キングダム』(2019年)の金曜ロードSHOW!での地上波ノーカット放送を復習&予習をした上で、連休明け、翌週の7月20(水)に滋賀県草津市のイオンシネマ草津まで鑑賞に出向いて来ました。

つきましては、その際の感想について、先ずは、取り急ぎ、当該ブログに記録として残しておきたいと思います。

 

 

今年度の26本目の劇場鑑賞作品。

(※今年度のイオンシネマ草津での13本目の劇場鑑賞作品。)

 

 

 

「命をたぎらせ、生きろ!(22.7/20・2D)」

ジャンル:時代劇

製作年/国:2022年/日本

配給:東宝=ソニー・ピクチャーズエンタテインメント

公式サイト:https://kingdom-the-movie.jp/

上映時間:134分

上映区分:一般(G)

原作:原泰久『キングダム』(集英社『週刊ヤングジャンプ』連載)

脚本:黒岩勉、原泰久

音楽:やまだ豊

監督:佐藤信介

キャスト(配役名):

山﨑賢人(信) / 吉沢亮(嬴政:秦国の王) / 橋本環奈(河了貂) / 清野菜名(羌瘣) / 満島真之介(壁:秦国軍の千人将) / 岡山天音(尾平) / 三浦貴大(尾到) / 濱津隆之(澤圭) / 真壁刀義(沛浪) / 山本千尋(羌象) / 豊川悦司(麃公:秦国の総大将) / 高嶋政宏(昌文君) / 要潤(騰) / 加藤雅也(肆氏) / 高橋努(宮元:呉慶軍の副将) / 渋川清彦(縛虎申:秦国軍の千人将) / 平山祐介(蒙武) / 玉木宏(昌平君) / 小澤征悦(呉慶:魏国軍の総大将) / 佐藤浩市(呂不韋) / 大沢たかお(王騎) 

 

 

【解説】

原泰久の人気漫画を実写化した2019年公開の大ヒット映画「キングダム」の続編。

紀元前、春秋戦国時代の秦。天下の大将軍を志す戦災孤児の少年・信(しん)は、弟のクーデターにより玉座を追われた若き王・えい政(えいせい)と運命的な出会いを果たし、河了貂(かりょうてん)や山の王・楊端和(ようたんわ)と協力しながら、えい政の玉座奪還に成功する。

 

半年後、隣国・魏が秦への侵攻を開始。秦は国王えい政の号令の下、蛇甘(だかん)平原に軍を起こす。歩兵として戦場へ赴いた信は、同郷の尾兄弟や頼りない伍長・澤圭(たくけい)、子どものような風貌に哀しい目をたたえた謎の人物・羌かい(きょうかい)と共に、最弱の伍(五人組)を組むことに。

戦略上有利とされる丘を魏軍に占拠され劣勢を強いられる中、信が配属された隊を指揮する縛虎申(ばくこしん)は、無謀とも思える突撃命令を下す。

 

キャストには信役の山崎賢人、えい政役の吉沢亮、河了貂役の橋本環奈ら前作のメンバーに加え、原作でも人気のキャラクター・羌かい役で清野菜名が新たに参加。

 

前作に続き佐藤信介監督がメガホンをとる。

 

(以上、映画.comより、引用抜粋。)

 

 

▲前作『キングダム』(2019年)の感想のリブログ記事です。

ご興味が惹かれましたらば参考までにお読み下されば幸いです。

 

<『キングダム2』における登場人物の相関図>

 

 

 

 

TwitterなどのSNS上で「前作超えは出来なかった」だとか、「イマイチだった」といった感想を沢山目にしていたので心配しながら期待値のハードルを下げて劇場鑑賞に臨みましたが、その心配も杞憂でした。





今回の続編では、紀元前3世紀、春秋戦国時代。王宮奪還から半年後、秦国を治める嬴政(吉沢亮さん)に王宮内に刺客が放たれるが、それを返り討ちにする。

そんな折りに、隣国・魏国が国境を越えて侵攻してきたとの知らせが入る。

 

 

信(山﨑賢人さん)も、縛虎申(渋川清彦さん)率いる千人将の中の歩兵の一人として大軍が激突する合戦の場に身を置くこととなるのですが、ワイヤーアクションによる演出とは言え、前作同様に、信の極端な超人並みの跳躍力など「それはちょっと有り得ないんと違う?」というシーンが多かったのは相変わらずでした(汗)

 

 

 



信が組むこととなった、歩兵の中でも弱小の伍(五人組)の伍長・澤圭(濱津隆之さん)があまりにも説明口調過ぎるのは致し方ないとはいえ、ただ今回での主要人物でもある、哀しい目をした暗殺一族・蚩尤(しゆう)の羌瘣(清野菜名さん)との合流の仕方には、やや不自然さが残りました(汗)

 





何よりも、今作では、そのアクションの演技にも定評がある、羌瘣(きょうかい)役の清野菜名さんの無敵なアクションが格好良かったです。

 





主人公の信役の山﨑賢人さんや千人将の縛虎申(ばくこしん)役の渋川清彦さんもアクションシーン以外でも馬を操るのもなかなか上手くて驚かされました。

 



広大な平原で砂煙を巻き上げながら突進する魏国の騎馬軍団などとの戦い方があたかも「マッドマックス」や「インディ・ジョーンズ」を彷彿させる部分もあり面白く観ることが出来ました。

 



また今回の続編は、前作に比べて、人間ドラマのパートの描写がかなり薄かったのですが、アクションを目当てで観に行っていたので、その点は私的にはあまり気にせず面白く観ることが出来ました。

 

 

邦画にしては、エキストラも馬の数もスケールが桁外れの超大作なので、新型コロナ禍のために中国でのロケがあまり多く出来なかった面はあったようですが、それにしては見応えもありました。

 





あと、少々残念だったところは、信役演じる山﨑賢人さんが、今作でも、いまだにオラオラ系の戦国ヤンキーっぽい口調や態度が抜けきれないところに全く成長が感じられず、王騎将軍(大沢たかおさん)に「少年」だの「童(わらべ)・信」などと呼ばれ、その生意気な態度をたしなめられるところなど、前作の王宮奪還から僅か半年後の設定だからか未だ仕方ないとしても、今後の信の人間的な成長を期待したいと思われました。



前作で名前だけの登場だった呂不韋(佐藤浩市さん)に、昌平君(玉木宏さん)、蒙武(平山祐介さん)が最後にチョイ役で登場し、昌文君(高嶋政宏さん)などとの王宮内の権力闘争についても、次回作『キングダム3』への布石として、期待を持たされました。

 

 

 


また、あくまで私的に非常に残念に感じたのは、今回のエンディング曲のMr.Childrenが歌う主題歌『生きろ』が全く作品の雰囲気にマッチしておらず胸に刺さってこなかったのが残念でした。

 

ミスチル自体は私も好きなのですが、ただミスチルの今回の曲調とは、この映画の世界観とは違う気がしました。


前作のONE OK ROCKの歌う主題歌『Wasted Nights』が、凄くこの『キングダム』の作風にマッチングしていたので、あくまでもオトナの事情とはいえ、今作での主題歌担当の交代は本当に残念でした。

 



それに対して、BGM音楽担当のやまだ豊さん作曲の音楽の数々は前作同様に素晴らしかったです。

 

 

早速にも、iTunes Storeで『キングダム2 遙かなる大地へ』のオリジナル・サウンドトラックー完全版ーの全26曲をPCやiPhoneにダウンロードして聴いている次第です。

 



※尚、エンディングロール最後の最後に、『キングダム3』の予告編のような特報が付いていましたので、劇場内が明るくなる最後まで席を立たれない様にしましょう。


その2023年公開予定の『キングダム3』の特報には、楊端和(長澤まさみさん)がチラッと映っていましたので次回作にも期待大ですね。

 

SNS上に流れていた噂によりますと、キングダムの3と4とは、ほぼ撮り終えているらしいのですが、新型コロナ禍の中で続編を製作するのも、さぞや大変かとは思いますが、あの「ハリー・ポッター」シリーズ並みの大長編映画にもなりそうですので、主要キャストの皆さんが若いうちに早く撮り終えられることを願うばかりです。

 

 

私的な評価と致しましては、

新型コロナ禍の中で、CGや日本各地や中国のロケ地とのリモート撮影も駆使しての撮影はさぞや大変だったかと思います。

背景映像のスケール感が中国でのロケが少なくなってしまったせいで、多少スケールダウンしてしまった部分もあったかも知れないですが、そんな中でもよく撮られた映画だったかと思いました。

私個人的には、大軍同士の大合戦シーンがメインの映画だけに、秦国の王・嬴政や河了貂の活躍があまり描かれなかったのが残念ではありましたが、次回作以降での活躍に期待したいですね。

従いまして、五つ星評価的には、高評価ではありますが、★★★★(80点)の四つ星評価くらいの評価が相応しいかと思いました。

 

 

 

 

○【夢の軌跡】映画『キングダム2 遥かなる大地へ』公開直前記念!前作ダイジェスト映像を公開!

 

 

○【最新予告】映画『キングダム2 遥かなる大地へ』予告②90秒【2022年7月15日(金)公開】

 

 

 

○Kyou Kai -Theme-

 

 

○KINGDOM -2022 ver.-

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

今回も最後までブログ記事をお読み下さり有り難うございました。

いつもブログ記事を楽しみに拝読させて頂いている、映画ブロガーの、ちかぴーさんのブログ記事からの情報で、京都国立近代美術館にて、現在、映画ポスター展が開催中で、ちかぴーさんからの情報では展示している全作品写真撮影OKだったとのことで、「これは是非とも観に行きたい」との気持ちもはやりつつ、いろいろと所用でバタバタしていましたので、なかなか観に行く機会を作れなかったのですが、先日の7月6日(水)に、私自身の通院日に、病院からの帰りすがら、来館しようと訪問。

しかしながら、その際には同時開催中の『没後50年 鏑木清方展』が凄い人気振りでチケット窓口が行列をなしていましたので、その日は、この映画ポスター展の鑑賞を諦めて、とりあえず売店に行って、公式図録を購入しようと思ったのですが、「今回の展覧会用には公式図録は制作されていない」とのことで、関連書籍として、『MONDOアート・オブ・サウンドトラック』(税込5.940円)を購入し、その日は結局それだけで帰宅。

 

 

後日、『没後50年 鏑木清方展』が終了した時期を見計らって、7月14日(木)に、再度、今度は鑑賞に出向いて来ました。

 

 

私個人的には、映画ポスター展は、2017年5月のゴールデンウィーク期間中に観に行った『戦後ドイツの映画ポスター展』以来の約5年振りとなりますが、この今回の『MONDO映画ポスターアートの最前線』展は、これまでの海外の独特な宣伝用映画ポスター展とは異なり、宣伝という商業主義の枠にとらわれない、アートフォームとしての映画ポスター復権の動きについて、その最先端にいる、アメリカはテキサス州オースティンを本拠地に、鋭い感性を持つデザイナーやイラストレーターに委嘱し、旧作・新作映画の垣根を越えたオリジナルポスターを生み出しているMONDO(モンド)という会社が制作している映画ポスターを採り上げていました。

 

 

 

スクリーンプリント技法で印刷される限定版のMONDOの映画ポスターはオンラインショップを通じて各国に熱狂的なファンを獲得。

その中から宣伝とは一線を画した、芸術性に富んだ、無声映画から最新作品までのポスター71点を展示。

 

 

今回は全作品撮影OKだったので、一応、ほぼ全作品近くiPhoneで撮影してきたのですが、ガラス面の表面に反射して上手く写せていないポスター画も多いため、その中で上手く撮れた中でも気に入ったデザインのポスター画など一部をご紹介させて頂きます。

 

 

ちかぴーさんのブログ記事にて、全作品撮影OKなことは伺っていたのですが、一応マナーとして係の人に「写真は撮っても良いんですよね。」と確認の上、私が写真撮影をし始めますと、それまで静かだった館内で一斉にカシャッ!カシャッ!と他の人たちのシャッター音も鳴り響いて館内に木霊(こだま)して面白かったです(笑)

 

 

 

 

 

▲『ショーン・オブ・ザ・デッド』や『ロボコップ』のポスター画。

描く人によってこんなにも雰囲気が違うデザインになるのも面白かったです。

 

 

▲今回鑑賞した映画ポスターアートの中では、タイラー・スタウト氏が描いた『スター・ウォーズ/帝国の逆襲』と『キル・ビル』のポスター画がとにかく格好良かったです。

 

もしもこの複製版ポスターや複製版の絵葉書などでもあれば絶対欲しかったですね!

 

▲『ホーム・アローン』も面白いデザインでした。

 

▲『メトロポリス』。これはTシャツなどのデザインにしたら格好良さそう。

 

▲『ブリット』。

 

▲浮世絵調のデザインの『グーニーズ』。

 

▲『GHOST IN THE SHELL 攻殻機動隊』。

 

▲水墨画調の『ランボー』。

 

▲ヒッチコック監督の『鳥』。女性の影が鳥になっている点がミソ。

 

 

 

▲『ゴジラ』シリーズの映画ポスターアートでもこんなにもデザインに違いがありました。

 

 

 

▲『タクシー・ドライバー』に『パルプ・フィクション』。

 

さり気ないワンシーンを切り取ってデザインが施してあり、ここが商業主義的な宣伝ポスターとの大きな違いなんでしょうね。

 

 

※尚、その他の映画ポスターアートの作品などについては、ちかぴーさんの以下のブログ記事に3回に亘って詳しくまとめておられますので、是非お目をお通し下さればと思います。

 

 

 

 

 

 

 

 

また、今回の映画ポスター展の『MONDO映画ポスターアートの最前線』展には、あいにくと公式図録の販売はなかったのですが、館内で、以下の様なB4判の大きなリーフレットを無料配布中でしたので、解説文も添えた、なかなか充実した内容のリーフレットですので、公式図録の代わりにもなるかと思いました次第です。

 

 

 

 

 

京都国立近代美術館・公式サイト

 

 

 

MONDO 映画ポスターアートの最前線|京都国立近代美術館 | The National Museum of Modern Art, Kyoto (momak.go.jp)

 

 

 

注)但しながら、この展示会の開催期間は明日の7月18日(月・祝)までとなっておりますので、ご興味が惹かれた方々は、是非とも京都国立近代美術館まで急行されたし!

全作品写真撮影OK&SNSに採り上げるのもOKなので、午前中が空いているので狙い目かも。

 

 

○MONDO展オリジナルの怪獣活版カード集を限定販売!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

▲三連休初日。3年振りの令和四年・祇園祭前祭の宵山の歩行者天国の人出、昨晩の午後9時半時点で約30万人だったとのこと(京都新聞ニュースより引用)。

 

こんな凄い人出の多さで、果たして、新型コロナウイルス感染症の変異種BA・5による第7波の感染拡大を招かないか大丈夫なのかと非常に不安(汗)

 

▲三連休中日。今朝。3年振りの令和四年・祇園祭前祭の山鉾巡行の長刀鉾の辻廻しの模様(日本経済新聞ニュースより引用)。

 

○【2022祇園祭】京都・祇園祭 前祭「山鉾巡行」(2022年7月17日 京都市内)

 

 

 

今回も最後までブログ記事をお読み下さり有り難うございました。

未だ鑑賞済みの作品でブログ記事化出来ていない作品が、洋画1本に邦画4本も残していますが、観てきた順序をかなり飛び越えて、前後を致しますが、取り急ぎ、6月24日(金)に公開後、7月4日(月)に、イオンシネマのワタシアター会員の6ミタ無料鑑賞クーポンを利用して、話題の是枝裕和監督による韓国映画の本作『ベイビー・ブローカー』を滋賀県草津市のイオンシネマ草津まで観に行って来た際の、その感想について、先ずは、当該ブログに記録として残しておきたいと思います。

 

今年度の25本目の劇場鑑賞作品。

(※今年度のイオンシネマ草津での12本目の劇場鑑賞作品。)

 

 

 

「赤ん坊を巡り疑似家族の如く変化する一団(22.7/4・2D字幕)」

ジャンル:社会派ドラマ/人間ドラマ

原題:ハングル/ 브로커 、英語/Broker

製作年/国:2022年/韓国

配給:ギャガ

公式サイト:https://gaga.ne.jp/babybroker/

上映時間:130分

上映区分:一般(G)

公開日:2022年6月24日(金)

製作総指揮:イ・ユジン

製作:ソン・デチャン / 福間美由紀

撮影:ホン・ギョンピョ

脚本・編集・監督:是枝裕和

キャスト(配役名):

ソン・ガンホ(ハ・サンヒョン) / カン・ドンウォン(ユン・ドンス) / イ・ジウン(ムン・ソヨン) / ペ・ドゥナ(アン・スジン刑事) / イ・ジュヨン(イ刑事) / イム・スンス(ヘジン) 他

 

 

【解説】

「万引き家族」の是枝裕和監督が、「パラサイト 半地下の家族」の名優ソン・ガンホを主演に初めて手がけた韓国映画。

 

子どもを育てられない人が匿名で赤ちゃんを置いていく「赤ちゃんポスト(ベイビー・ボックス)」を介して出会った人々が織り成す物語を、オリジナル脚本で描く。

古びたクリーニング店を営みながらも借金に追われるサンヒョンと、赤ちゃんポストのある施設で働く児童養護施設出身のドンスには、「ベイビー・ブローカー」という裏稼業があった。

 

ある土砂降りの雨の晩、2人は若い女ソヨンが赤ちゃんポストに預けた赤ん坊をこっそりと連れ去る。

しかし、翌日思い直して戻ってきたソヨンが、赤ん坊が居ないことに気づいて警察に通報しようとしたため、2人は仕方なく赤ちゃんを連れ出したことを白状する。

「赤ちゃんを育ててくれる家族を見つけようとしていた」という言い訳にあきれるソヨンだが、成り行きから彼らと共に養父母探しの旅に出ることに。

一方、サンヒョンとドンスを検挙するため尾行を続けていた刑事のスジンとイは、決定的な証拠をつかもうと彼らの後を追うが……。

 

ソン・ガンホのほか、「義兄弟 SECRET REUNION」でもソンと共演したカン・ドンウォン、2009年に是枝監督の「空気人形」に主演したペ・ドゥナら韓国の実力派キャストが集結。

 

2022年・第75回カンヌ国際映画祭コンペティション部門に出品され、主演のソン・ガンホが韓国人俳優初の男優賞を受賞。また、人間の内面を豊かに描いた作品に贈られるエキュメニカル審査員賞も受賞した。

 

(以上、映画.comより、引用抜粋。)

 

 

 

  韓国での製作でも是枝節は健在!

 

フランスを舞台にフランス人有名女優たちなどを配して国際共同製作を行なった前作の『真実』に続いて、今作も、60代に入ってからの武者修行と称しながら、是枝裕和監督自らが率先して、今度は、海外・韓国での撮影に挑んだ作品。

<赤ちゃんポスト(ベイビー・ボックス)>の前に捨てられた赤ん坊ウソンを中心にしながら、疑似家族のように変貌していくブローカー達などの一団の道行きを描いた社会派作品。

 

 

『パラサイト 半地下の家族』など世界的なヒット作にかかわった韓国を代表するスタッフが大半を占め、また韓国の人気俳優陣が参加し、ロケは全編、韓国で行なわれたそうです。

しかし、映る風景はかなり変わっても、家族の有りようを見つめる是枝節は相変わらず健在でした。

 

 

  赤ん坊を巡り疑似家族の如く変化する一団。

 

お話しの流れ的には、

サンヒョン(ソン・ガンホ)は、古びた小さなクリーニング店を営みながら借金に追われている。

 

 

その一方で、<赤ちゃんポスト(ベイビー・ボックス)>が設置されている施設で働く、児童養護施設出身のドンス(カン・ドンウォン)を相棒に、彼の協力を得て、養育が困難な親が匿名で<赤ちゃんポスト>に預けていった赤ん坊を連れ去って、子供を欲しがる新しい両親を探して、特別な取引をする自称善意のブローカーでもありました。

 

 

そんな中、ふとした成り行きから、若い母親ソヨン(イ・ジウン)も一緒に、ブローカーとして、彼女の自分の生んだ赤ん坊ウソンの新しい両親を探す旅に出ることになるのでした。

 

 

そんな彼らを現行犯逮捕するべく尾行し続ける、刑事のスジン(ペ・ドゥナ)と後輩のイ刑事(イ・ジュヨン)のコンビが追うのでした。

 

 

といったイントロダクションの映画でした。

 

  過去の是枝監督の作品を思い起こす作風。

 

過去の是枝裕和監督の作品と照らし合わせますと、

ある意味で、本作は、第71回カンヌ国際映画祭の最高賞パルム・ドール受賞作品『万引き家族』(2018年)と、一対をなす作品とも思えました。

 

また、「親になる」とはどういうことかを問う物語という点では、『そして父になる』(2013年)を思い起こさせたり。

 

そしてまた、母に置き去りにされた子たちの悲しみは、『誰も知らない』(2004年)にも通じる部分がありました。

 

更には、劇中に発せられる「生まれてくれてありがとう」の台詞。

この台詞には『海街diary』(2015年)で、広瀬すずさん扮する浅野すずが繰り返し自問自答をする「自分は生まれてきて良かったのか?」といった根源的な問いとも重なり合う部分もあったりと、監督自身はそれをも意図した台詞ではなかったらしいのですが、是枝裕和監督のこれまでの作風を踏襲するかのような描写が沢山ありました。

 

それに加えて、ロマンスあり、サスペンスありといったロードムービーでもあり、やや詰め込み過ぎな感じがしないでもなかったですね。

 

 

同時に、私も赤ん坊を商品のように扱う設定には抵抗感がありました。とは言え、是枝裕和監督の眼差しは変わらずに温かいものでした。

あくまでも描くのは、ウソンという赤ん坊を触媒にして彼ら一団に起こる化学反応。

是枝裕和監督自身は、「疑似家族を描いた作品ではないと思います。」と発言されていますが、ソン・ガンホ曰く「命をテーマに描いた映画」とのことらしいです。

私個人的には、「生きるに値しない命などあるのか?」という主旨にも解釈しました。

 

 

韓国を代表する実力派人気俳優たちの共演で、序盤は少し重厚な印象がありますが、そんな中、相変わらず、赤ん坊のウソンの顔に、眉毛を書き足して施したりと、流石に、笑いを誘うような是枝節は健在でした。

 

 

そして更に、中盤からは、養護施設で出会った少年ヘジン(イム・スンス)が道中に加わりますと、一気にリズムとユーモアが生じてきて、更に面白くなってきました。

 

 

特に、皆でクルマに乗り、洗車機をくぐる時のドタバタ劇っぽい描写には心が軽やかになりました。

本当に是枝裕和監督は子供を描く、と言うよりも自然な演技を作るのが上手いと改めて実感しました。

 

  ソン・ガンホも良いが母親役イ・ジウンの演技も素晴らしかった。

 

 

ソン・ガンホは、今作において、第75回カンヌ国際映画祭にて韓国人俳優としては初の最優秀男優賞を受賞。

市井の人物を飾りっ気なく、特にお茶目で優しい面ばかりを強調しながら見事に演じきっていました。

最終盤でも、ソン・ガンホ演じるサンヒョンと、彼の知り合いの若い暴力団組員との絡みも、暴力描写は極力排して、競艇場でのテレビからのニュース報道の中のナレーションで事件があった旨を匂わせるなど、韓国映画にしては、是枝裕和監督らしく、珍しく激しい暴力描写も一切ない優しい面ばかりを強調した演技に徹した作品でした。

 

 

ただ、ここで特筆したいのは、子供を手放そうとする側である若い母親のソヨン役のイ・ジウン。

彼女は「IU」のアーティスト名で活動する歌手で、韓国を代表する歌姫でもあります。

 

 

最初は子供を拒否し、視野に入れないようにする。

それだけで、是枝裕和監督は彼女と赤ん坊の間に距離を置くことで、心の距離をも視覚化したのでした。

その距離が次第に徐々に縮まっていく。

親としての覚悟が生まれ、それが徐々にあふれていく様子を丁寧に伝えて、厚みのある新境地を開いた演技を見せてくれていました。

 

 

終盤、ホテルの部屋で我が子ウソンと、初めてちゃんと向き合う。

ここで先述した「生まれてくれてありがとう。」という台詞が活きてくる。

あまりにも直接的な表現ではありましたが、心に残ったシーンでした。

 

 

結末は『万引き家族』の時の様ではなく、大きく異なり、あらゆる可能性を秘めた希望を残したような終わり方を迎えます。

 

 

そこで提示される家族の形は、ある種一般的な枠からは外れるのかも知れないですが、ただ、とても自然体な結末にも思えました。

 

 

 

  私的評価:★★★★(80点)

 

私的な評価としましては、

レイティング規制にかからぬように、極力より多くの観客に観て欲しいという意識が働いたのか、暴力描写はほぼ一切排した作品作りに徹しておられた点や、第71回カンヌ国際映画祭のパルム・ドール受賞作品『万引き家族』のような結末とは大きく異なり、今作の結末の場合にはあらゆる可能性を秘めた希望を残したような終わり方だった点にも好印象を受けました。

つきましては、五つ星評価的には、是枝裕和監督が撮ったフランス映画『真実』と同じく、★★★★(80点)の高評価も相応しい映画かと思いました。

 

 

○是枝裕和監督最新作『ベイビー・ブローカー』本予告 6月24日(金)日本公開【公式】

 

 

 

 

 

 

 

 

 

  今作の製作の際しての裏話(引用元:クローズアップ現代ほか)。

 

国際共同製作作品ではありますが、韓国映画の名立たるスタッフと実力派人気俳優を集めて撮っただけに、さぞや言語による障壁もあっただろうかとも思っていましたが、NHKの「クローズアップ現代」の是枝裕和監督の特集番組の中のコメントによりますと、今作では是枝裕和監督としては初めて非常に綿密な絵コンテを描いて、撮影担当のホン・ギョンピョに事前に手渡しておくほどだったらしく、「日本で撮影をする環境に比べて、それほど不都合は感じなかった」らしいですね。

 

 

また、ソン・ガンホとカン・ドンウォンとペ・ドゥナの三名に関しては完全なるアテ書きらしく、特に、ソン・ガンホとは脚本の初期の段階から決定稿に至るまで脚本のキャッチボールを重ねた上で、更に、決定稿を出すタイミングでメインのキャストに対してはそれぞれのキャラクターの綿密なプロフィールのような結構長い物を書いて渡したらしく、特に、赤ん坊を売りに行く側の三人には、彼らが仮に逮捕されたとして警察で取り調べを受けた際の供述調書を用意したそうです。

 

 

刑事役のペ・ドゥナに関しては始末書という形で、自分がこの事件にどう関与し、いかに考えたのかみたいなことを夫と結婚する前まで遡ったそれらの設定を、これも結構長いものを書いて手渡されていたらしく、演技を見ていたら、演技にも良い影響を与えているなと感じることが出来た、とのことでした。

 

 

  海外での映画製作を経て(引用元:映画.comほか)。

 

▲是枝裕和監督がフランスでの映画製作を行なった『真実』の感想の記事のリブログです。

 

フランス、韓国での海外での映画製作を経て、「感じる事は、言葉が分からない役者を演出するときに、言葉の意味以外のものをキャッチするアンテナをどう張り巡らせるかというのがいかに大事かと言うことが分かった。」そうで、「言葉の持つ意味以外のものを見る習慣が海外で2本撮ってだいぶ身に付いた事も収穫のひとつ。」だそうです。

「役者はどうしたって台詞に集中しちゃうから。そこで監督まで台詞に集中しちゃうとそれ以外のものの表現がどんどんと痩せ細る。そうじゃないものをどう活かすかという嗅覚みたいなものは、自分なりに成長したかなと思えて。良い経験だった。60歳で成長するって嬉しいことだね。」

とコメントされていました。

 

  日本の映画業界をどう良くして、次の世代にバトンを渡せるか。

 

「フランスや韓国で映画産業や映画文化の在り方にも触れてくる機会があり、そこで感じたことは、日本の映画業界について。

映画産業、映画文化の後進性みたいなものをどう良くして、次の世代にバトンを渡せるかがが今後の課題であり、きっとこの先最も大事になってくんじゃないでしょうか。」

と、これまでの日本の映画業界の置かれてきた状況を鑑み、業界自体の後進性を大変憂んでおられるご様子でした。

 

  日本版CNC(セーエヌセー)設立を求める会」の立ち上げ。(映画監督有志の会)

 

6月8日(水)韓国での本作の公開後、

日本の映画界で、労働環境の改善やハラスメントの防止などが課題となっていることから、是枝裕和、諏訪敦彦、岨手由貴子、西川美和、深田晃司、舩橋淳(五十音順)らが名を連ねる「映画監督有志の会」が、6月14日、東京・日本外国特派員協会で記者会見を開き、6月1日に立ち上げた権利能力なき社団「日本版CNC(セーエヌセー)設立を求める会」(通称:action4cinema)についての説明を行われました。

 

 

是枝裕和監督たち7人の映画監督が会見し、この新たな団体を立ち上げて映画業界を支援する専門の組織の設置を求めていくと発表しました。

 

7人の監督が立ち上げたのは「日本版CNC設立を求める会」で、6月14日、東京都内で共同代表を務める是枝監督らが会見を開かれました。

※「CNC(セーエヌセー)」はフランスで映画産業の適正化や振興を所管する「国立映画映像センター」のことで、会によりますと同様の組織は欧米や韓国などにも設置されているということです。

 

 

尚、会見では、是枝監督が「日本では趣味の延長やボランティアで作られる映画も多い。そのおもしろさに甘えてきたが、それでは成り立たなくなっている」と指摘し、映画界が一体となった取り組みが必要だと訴えました。

そして、会では、日本の映画製作の現場では低賃金や長時間労働が常態化したり、フリーランスのスタッフが契約書もないまま働いたりするなど厳しい現状があるとし、映画業界全体を統括して支援する組織が必要だとしました。

今後、新たな組織の設置を目指し、業界団体や国などに働きかけていくということです。

このほか、会では最近、映画界の性暴力が問題になっていることから、映画製作の際の具体的なルールを盛り込んだハラスメント防止のためのガイドラインの草案を作成し、合わせて公表されました。

 

○日本版CNC設立へ 是枝監督らが映画業界の改革求める(2022年6月14日)

 

 

○役所広司が熱い思い「日本版CNC設立を求める会」に賛同のビデオメッセージ

 

 

 

 

 

 

 

 
 

 

 

 

 
 

 

 

【NHK総合・クローズアップ現代の是枝裕和監督の密着取材番組】

 

 

 

今回も最後までブログ記事をお読み下さり有り難うございました。