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HALUの映画鑑賞ライフのBlog

~映画鑑賞雑記帳 &京都・滋賀の季節の歳時記 & 読書などのお気儘ライフ~

ここのところツイていない事が重なったりと、半ば落ち込み気味だったのですが、そんな折りに、応募したことも、ほぼ完全に忘れてしまっていた、シネマNAVIの懸賞にて、今回、ドキュメンタリー映画『ウクライナから平和を叫ぶ~Peace to You All~』の劇場鑑賞ペアチケットに当選したようで、当選のご案内などと共にポストに投函されていました。

「こんな私にも少しは幸運が巡り始めて来たのか?」と自惚れて勘違いしてはいけないとは思いつつも、嬉しさでいっぱいでした。

 

シネマNAVIさん。

この度は映画の劇場鑑賞券を私に当選させて下さり本当に有り難うございました。

 

 

 

京都府では、ドキュメンタリー映画『ウクライナから平和を叫ぶ~Peace to You All~』は、幸いなことに、9月2日(金)から、アップリンク京都でのみの公開みたいなので、その頃には、今の新型コロナウイルス感染症の感染爆発が少しは収まってくれていたら良いのにと願うばかりです。

 

 

 

○映画「ウクライナから平和を叫ぶ〜 Peace to You All 〜」予告編(監督・出演:ユライ・ムラヴェツ Jr. )

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

今回も最後までブログ記事をお読み下さり有り難うございました。

先日、7月29日(金)にシリーズ最終章の第6作目として公開された『ジュラシック・ワールド/新たなる支配者』を公開四日目の8月1日(月)に滋賀県草津市のイオンシネマ草津まで鑑賞に出向いて来ました。

 

ただ、ジュラシック・シリーズについては、この前作の『ジュラシック・ワールド/炎の王国』のみ劇場鑑賞の機会を逸して観逃してしまい、その後、動画視聴なども全くしていなかったので、その予習として、最終章の第6作目の公開日の夜に放映された、金曜ロードショーでの地上波本編ノーカット放送を予約録画のうえ、視聴しました。

 

つきましては、地上波放送の自宅鑑賞ではありますが、シリーズ最終章の第6作目の『ジュラシック・ワールド/新たなる支配者』を観るうえで、先ずは前作でのお話しとの繋がりが分からないといけないので、この第5作目の感想についても、取り急ぎ、当該ブログに記録として、備忘録的に残しておきたいと思います。

 

▲シリーズ第4作目の『ジュラシック・ワールド』(2015年)の劇場鑑賞の際に、個別の感想記事をブログに書いて残していないため、このリブログ記事の方に、簡単な感想も少し載せておりますので、もしもご興味が惹かれましたらばお読み下されば幸いです。

 

 

 

「シリーズの中でも新境地を開拓した異色作(地上波放送鑑賞)」

ジャンル:SF/パニック

原題:Jurassic World: Fallen Kingdom

製作年/国:2018年/アメリカ

配給:東宝東和

公式サイト:http://www.jurassicworld.jp/

上映時間:128分

上映区分:一般(G)

公開日:2018年7月13日(金)

原作・キャラクター創造:マイケル・クライトン

製作総指揮:スティーブン・スピルバーグ / コリン・トレボロウ

脚本:デレク・コノリー / コリン・トレボロウ

音楽:マイケル・ジアッキノ

メインテーマ曲:ジョン・ウィリアムズ

監督:J・A・バヨナ

キャスト(配役名):

クリス・プラット(オーウェン・グレイディ) / ブライス・ダラス・ハワード(クレア・ディアリング) / レイフ・スポール(イーライ・ミルズ) / ジャスティス・スミス(フランクリン・ウェブ) / ダニエラ・ピネダ(ジア・ロドリゲス) / ジェームズ・クロムウェル(ベンジャミン・ロックウッド) / トビー・ジョーンズ(エヴァーソル) / テッド・レビン(ケン・ウィートリー) / B・D・ウォン(ヘンリー・ウー) / イザベラ・サーモン(メイジー・ロックウッド) / ジェラルディン・チャップリン(アイリス) / ジェフ・ゴールドブラム(イアン・マルコム博士) 他

 

 

【解説】

シリーズ14年ぶりの新作として2015年に公開され、記録的な大ヒットとなった「ジュラシック・ワールド」の続編。

前作でハイブリッド恐竜のインドミナス・レックスとT-REXが激闘を繰り広げ崩壊したテーマパーク「ジュラシック・ワールド」を有したイスラ・ヌブラル島に、火山の大噴火の兆候が表れ、恐竜たちの生死を自然に委ねるか、あるいは危険を冒してでも救い出すか、人間たちは判断を迫られていた。

そんな中、恐竜行動学のエキスパートのオーウェンはテーマパークの運営責任者だったクレアとともに、恐竜たちを救うべく行動を開始するが、その矢先に島の火山で大噴火が発生する。

 

恐竜と心を通わせるオーウェンを演じるクリス・プラット、クレア役のブラウス・ダラス・ハワードらメインキャストが続投。

 

監督は前作のコリン・トレボロウに代わり、「永遠のこどもたち」「インポッシブル」などで注目されたスペインの出身のJ・A・バヨナが新たに務める。

 

(以上、映画.comより、引用抜粋。)

 

 

  率直な感想としましては、

 

本作の予告編やポスターにもある様に、イスラ・ヌブラル島の火山の大噴火に伴う溶岩や噴石に火砕流が飛び交う中で島内の恐竜たちと共に逃げ惑う一連のシーンが凄い迫力でスリル感溢れる映像体験でした。

 

 

自宅のTVで観ていてもそうなのですから、さぞや3D或いは4DXなどで劇場鑑賞していたら尚のこと迫力満点だった事かと思いました。

 

 

公開当時、3D字幕版の上映館がほぼ皆無だったこともあって、シリーズ作品の中で唯一観逃してしまった作品でしたが、公開当時に劇場で観なかった事を非常に悔やまれました。

 

 

また今作は特に冒頭シーンから、あの第1作目の『ジュラシック・パーク』の暴風雨の中のT-REXとの攻防のシーンを彷彿させるオマージュ的なシーンから始まるあたりも懐かしくもあり良かったです。

 

 

そしてまた、後半部では、特に恐竜の観せ方が『ジュラシック・パーク』時代の演出に原点回帰していたかの様に、恐竜の姿を直接見せずに、恐竜の影や次第に大きくなる足音などで表現して工夫しているあたりも余計にスリル感を増幅させてくれて良かったです。

 

 

  前半部は火山大噴火の中の脱出劇が白眉。

 

お話し的には、

恐竜保護を目的とした団体「Dinosaur Protection Group(DPG)」を設立した「ジュラシック・ワールド」の元運営管理者のクレア・ディアリング(ブライス・ダラス・ハワード)は、イスラ・ヌブラル島に置き去りにしてきた恐竜たちを火山噴火から救出するため、故ジョン・ハモンドの元ビジネスパートナーであったベンジャミン・ロックウッドを訪ね、彼の支援・サポートを取り付けるのでした。

 

 

また、ベンジャミン・ロックウッドに仕えるロックウッド財団の経営者イーライ・ミルズ(レイフ・スポール)の依頼で、極めて知能指数が高い恐竜のヴェロキラプトルの「ブルー」を捜索するため、元恐竜監視員で恐竜と心を通わせる調教技術を持つ、オーウェン・グレイディ(クリス・プラット)を雇って、彼ら探検隊がイスラ・ヌブラル島に向かったのでした。

 

 

到着したイスラ・ヌブラル島は、小規模噴火を繰り返しており、溶岩や噴石の雨が降り注ぐ不安定な島になっていました。

島に到着したオーウェンは傭兵のウィートリー(テッド・レビン)らに出迎えられ、ヴェロキラプトルの「ブルー」を探すように言われ、DPGのジア(ダニエル・ピネダ)と共に島の奥地に向かう。

一方、DPGのクレアとフランクリン(ジャスティス・スミス)は、制御室でシステムの復旧操作を行なうべく向かうのでした。

その頃、別の港跡地には、恐竜たちを島から脱出させるために派遣されたミルズの雇った傭兵部隊が到着するのでした。

 

 

ヴェロキラプトルのブルーは、オーウェンたちによって発見されたのですが、その直後に傭兵のウィートリーが裏切り、異変を察知したブルーは傭兵の一人に飛びかかり、その際に拳銃で撃たれてしまう。

 

 

実は、ウィートリーたちの真の目的は、恐竜たちの救出ではなく、恐竜たちを島から連れ出して究極の兵器として高値で売りさばくことでした。

オーウェンは傭兵たちと戦おうとしますが、麻酔弾で撃たれてしまいその場に昏倒してしまうのでした。

そこにジアが追い付き、銃を拾って抵抗するも拘束されてしまい、麻酔で眠らされたブルーの延命措置を任され、共に移送車で連れ去れてしまうのでした。

それから程なくして火山で爆発的な大噴火が起こり、眼を覚ましたオーウェンは、麻酔の影響で思うように動かない身体を必死で動かして、迫り来る溶岩から全力で逃げるのでした。

 

 

一方その頃、クレアとフランクリンは、制御室のシャッターが突如閉まり閉じ込められてしまっていたところ、ようやく開いたハッチはパーク側に通じていてそこから入って来た恐竜が二人に襲いかかる。

さらには火山の大噴火による溶岩が制御室内にまで流れ込んでくるのでした。クレアたちはハシゴの存在に気付き、間一髪のところで屋上ハッチから外に脱出するのでした。

 

 

 

 

といった具合に火山の大噴火に伴う脱出劇の顛末はもの凄い迫力でした。

 

 

島から連れ出された恐竜たちは船に積まれて次々と運び出されたのでした。

 

 

噴火が勢いを増す中、ギリギリの間一髪で最終の船に乗り込んだオーウェンたちは、ヴェロキラプトルのブルーを助けるべく、獣医でもあるジアの指導の下に、T-REXの血を採取してブルーに輸血し、腹部に受けた銃弾を摘出するのでした。

 

 

やがて船から運び出された恐竜たちは、陸路でアメリカ本土のカリフォルニア州にあるベンジャミン・ロックウッドの大きな屋敷「ロックウッド・エステート」の地下施設に運ばれるのでした。

 

 

ただ、いくら大きな屋敷の中にある地下施設とはいえ、連れ出した恐竜たちの、ほぼ全てをその地下施設の檻の中に格納しておくのは、ちょっと設定的に無理があるかとは思いましたが、そこはご愛敬(汗)

 

 

そして捕らえられ監禁されていたオーウェンとクレアは檻から脱出し、ベンジャミン・ロックウッドの孫娘として育てられていたメイジー・ロックウッド(イザベラ・サーモン)が身を隠しているのを発見し、三人はミルズが恐竜たちを兵器やコレクションとして、オークションで世界中のバイヤーに売りさばこうとしている光景を目の当たりにするのでした。

 

 

また、そのオークションの中には、インドラプトルと呼ばれる新しい遺伝子組み換えをして、より狂暴になったハイブリッド恐竜が作られて売りさばこうとされている事も知り、ミルズやバイヤーたちが恐竜を軍事利用を図ろうとしている悪巧みを阻止しようとするのでしたが・・・。

 

 

 

 

といった、お話しの流れの作品でした。

 

 

  後半部はゴシックホラー調。

 

後半の舞台が「ゴシック様式の古い豪邸の屋内」という展開は、正直予想だにできず驚かされましたが、このシリーズの「恐竜が出てくる」という前提を守って、シリーズの可能性を新境地として大きく開いて見せたと思いました。

そんなゴシックホラーを思わせる後半部を、私的にはとても新鮮で面白く観ました。

 



そして本作で新たな広がりを見せたのはシリーズのテーマそのものでもあるとも言えるでしょう。

原作者であるマイケル・クライトンも提示した「科学の進歩と発展の落とし前を人間は如何につけるのか?」という問いかけは、シリーズの中でも本作で初めて大きく前進した感もあるかと思いました。

 



「どこかの島の中で恐竜たちが暴れる」というお決まりパターンを完全に無効化してしまった点についてはシリーズのファンの中でも賛否もあることでしょうが、まさに「ジュラシック・ワールドにようこそ」という言葉がピタリとハマるラストと最終章で描かれるはずの、今後の展開と「恐竜たちと人間達との共存共栄は図れるのか?」という新たなる最終的な命題を提示した展開には、ワクワクせずにいられなかったですね。

 

 

  私的評価:★★★★(80点)

 

私的な評価としましては、

今となって観れば、最終章の第6作目の『ジュラシック・ワールド 新たなる支配者』よりも、スリル感や興奮度はこの第5作目の『ジュラシック・ワールド 炎の王国』の方が作品的にも優るような気もしますので、駄作と言う意見も散見しているようですが、あくまでも私見ですが、五つ星評価的にも、★★★★(80点)の高評価も相応しい作品かと思いました次第です。

 

○映画『ジュラシックワールド 炎の王国』予告編

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

今回も最後までブログ記事をお読み下さり有り難うございました。

またまた今回も劇場鑑賞してきた順序を飛び越えて、ブログ記事化が前後することになってしまいますが、6月17日(金)の公開直後から、話題となっていました『PLAN 75』について、かなりの人出で賑わう祇園祭の後祭の山鉾巡行も終わった事なので、7月26日(火)に、久し振りに、京都府では唯一の上映館であり、京都市内中心部の新京極にあるMOVIX京都まで鑑賞に出向いて来ました。

 

全国各地の公開館では既に終映を迎えている劇場も多いようですが、これから新たに公開される地方の劇場もあるようですので、公式サイトでもお調べ下さればと思います。

 

つきましては、その際の感想について、先ずは、取り急ぎ、当該ブログに記録として残しておきたいと思います。

 

 

今年度の27本目の劇場鑑賞作品。

(※今年度のMOVIX京都での1本目の劇場鑑賞作品。)

 

 

 

「観客に解釈を委ねる余白が多い作品(22.7/26・2D)」

ジャンル:社会派ドラマ

製作年/国:2022年/日本=フランス=フィリピン=カタール合作

配給:ハピネットファントム・スタジオ

公式サイト:https://happinet-phantom.com/plan75/

上映時間:112分

上映区分:一般(G)

脚本:早川千絵

脚本協力:ジェイソン・グレイ

監督:早川千絵

キャスト(配役名):

倍賞千恵子(角谷ミチ) / 磯村勇斗(岡部ヒロム) / たかお鷹(岡部幸夫) / 河合優実(成宮瑶子) / ステファニー・アリアン(マリア) / 大方斐紗子(牧稲子) / 串田和美(藤原釜足)

 

 

【解説】

これが長編デビュー作となる早川千絵監督が、是枝裕和監督が総合監修を務めたオムニバス映画「十年 Ten Years Japan」の一編として発表した短編「PLAN75」を自ら長編化。

75歳以上が自ら生死を選択できる制度が施行された近未来の日本を舞台に、その制度に翻弄される人々の行く末を描く。

少子高齢化が一層進んだ近い将来の日本。満75歳から生死の選択権を与える制度「プラン75」が国会で可決・施行され、当初は様々な議論を呼んだものの、超高齢化社会の問題解決策として世間に受け入れらた。

夫と死別し、ひとり静かに暮らす78歳の角谷ミチは、ホテルの客室清掃員として働いていたが、ある日突然、高齢を理由に解雇されてしまう。

住む場所も失いそうになった彼女は、「プラン75」の申請を検討し始める。

一方、市役所の「プラン75」申請窓口で働くヒロムや、死を選んだお年寄りにその日が来るまでサポートするコールセンタースタッフの瑶子らは、「プラン75」という制度の在り方に疑問を抱くようになる。

 

年齢による命の線引きというセンセーショナルな題材を細やかな演出とともに描き、初長編監督作にして第75回カンヌ国際映画祭「ある視点」部門に出品。

初長編作品に与えられるカメラドールのスペシャルメンション(次点)に選ばれた。

ミチ役で倍賞千恵子が主演。磯村勇斗、たかお鷹、河合優実らが共演する。

 

(以上、映画.comより、引用抜粋。)

 

 

 

  舞台は近未来の日本。

 

お話の舞台は、満75歳以上の高齢者に生死の選択権を与える架空の制度「PLAN75」が国会で法制化され施行された近未来の日本。

主人公は夫と死別し、一人で暮らす78歳の角谷ミチ(倍賞千恵子さん)。

或る日、ミチは高齢を理由に同僚たちと一緒にホテルの客室清掃の職を追われます。

同僚たちとは立場が違い、頼る先がないミチはハローワーク(職業安定所)を手始めに必死に新しい仕事を探すのですが高齢を理由に見つからず、住む場所をも失いそうになり追い込まれた彼女は、ついには「PLAN75」への申請を決めるのでした。

 

 

おそらく近未来の日本では、公的年金制度の運用も半ば崩壊しているのかと見えて、本来ならば、現状の日本の社会保障制度下であれば、ミチの立場ならば遺族年金も受給出来ているはずなのにと思ってしまいました。

 

 

 

この制度が成立したのは、高齢者が相次いで襲撃される事件が発生し、社会問題化したから。と冒頭に描かれます。

冒頭の高齢者施設を襲った若者の悲惨な一人語りはあまりにも衝撃的で2016年に相模原で起きた障碍者施設大規模殺傷事件など現実に起きた悲惨な事件をも想起させましたし、考えたくもない、でも有り得るかもしれない残酷な日本の未来像として、決して絵空事や他人事ではないと、一気に惹き付けられました。

 

 

  「経済的合理性=命の価値」ではない。

 

現代社会においても、人の命を値踏みする。そんな考えが決してあって良いはずはないのですが、<生産性>の有無のみで<命の価値>を測り、社会に役に立たない人間は生きている価値がないとして、社会的弱者に厳しく当たる風潮が蔓延している。

この架空の制度の根底にはそんな今の社会とも通じる部分がたぶんにある、歪んだ価値観があるのでした。

 

 

「PLAN75」は自分にとっては全くの無縁だと考えていた段階のミチは、身寄りがなくとも、職場の同僚と公民館でカラオケに興じたり、子供と絶縁状態にあり日々弱っていく同僚の稲子(大方斐紗子さん)の生活の手助けも惜しまない。

 

 

そんな倍賞千恵子さん扮する角谷ミチが自然体で演じるその姿が、ただひたすら愛おしく感じますが、その反面、失職を機に孤独を深めていく姿から滲み出てくるつらさ、特に、目ぼしい仕事が見つからず、やっと見つけた仕事も、高齢女性のミチが、深夜帯の交通整理要員のアルバイトをせざるを得ない姿が、実に可哀想で、ついつい自分自身に置き換えて観てしまいました。

 

 

親しい友人や隣人ではなく、この残酷な制度に頼らざるを得ない心情が、痛切に胸に迫ってきます。

 

 

  『PLAN75』の制度の施行側の思い、葛藤も描く。

 

そしてまた、角谷ミチの物語と並走して「PLAN75」の施行側にいる若者達の思いも描かれる。

 

 

市役所の申請窓口で、制度について笑顔で説明応対する岡部ヒロム(磯村勇斗さん)。

 

 

死を選んだ高齢者にその日が来るまでサポートするコールセンター職員で、「PLAN75」のサポート業務を担当する成宮瑶子(河合優実さん)。

 

 

「PLAN75」の関連施設で利用者の遺品処理などに励むマリア(ステファニー・アリアン)。

 

 

 

制度の施行側にいる彼らたちも、三者三様に、次第にこの制度「PLAN75」のずさんさや理不尽さに気づき、各々がその在り方に葛藤していきます。

そんな彼らの目線が、観ている観客側にとっては、あたかもある意味で<救い>にもなるようでした。

 

 

早川千絵監督にとっては、初の長編映画デビューとなる今作で、世界三大映画祭のひとつである本年度の第75回カンヌ国際映画祭で、新人監督賞(カメラドール)の次点に相当するスペシャルメンション(特別表彰)に選ばれる栄誉を授かりました。

 

 

早川千絵監督自身は「観客の感受性を信じている」とのことらしく、説明過多な表現を抑え、なるべく音楽に頼ることもなく、ただ淡々としたトーンを一貫させた演出が際立つ作品に仕上げたそうです。

そうすることで、ともすれば浮世離れして見える可能性もある物語に、緩むことのない張り詰めた緊張感と、ドキュメンタリー作品でもあるかのようなリアリティーをも醸し出していました。

 

 

ただお話に広がりを持たせようという意図からだとは思うのですが、コールセンターのサポート業務を担当する成宮瑶子が、直接に利用者であるミチと接見してボウリング場で遊びに興じるのは未だしも、利用者のミチから提供された金品の授受を行なってしまうシーンは、古くから病院などでの手術の際に、医師や看護師に、所謂、<袖の下>を渡す因習がある日本独特な風潮をシニカルに描いているにせよ、ちょっと遣り過ぎ感も無きにしも非ずでもありました(汗)

 

 

 

 

  「人が生きることを全肯定する」作品。

 

また、早川千絵監督は「経済的合理性ばかりを優先し、人の痛みへの想像力を欠く昨今の社会に対する憤りに突き動かされて生まれた映画です。倍賞千恵子さん演じるミチという女性の姿を通して、人が生きることを全肯定する。そんな映画にしたい」と語っておられるように、一部の国では合法化されている、所謂、社会的弱者の<安楽死>や<尊厳死>の権利の是非について、その在り方を問うといった、ある特定の意見や主義主張を明示しようと意図する映画ではないと思われます。

 

 

或いは、1983年のカンヌ国際映画祭の最高賞パルム・ドール受賞作品の今村昌平監督の『楢山節考』で描かれた、日本古来の姥(うば)捨て山信仰の悲しい風習を想起する観客も居られるかも知れませんが、あえて余白部分を多くすることにより、観客に様々な解釈を委ねた作品だとも言って良いかとも思います。

この国では口にすることさえタブー視されている空気もある安楽死や尊厳死について、本作を切っ掛けに議論するのも良いかとは思います。

但しながら、あくまでも本作品のその核心部分は「生きることの全肯定」にあるようです。

 

 

  私的評価:★★★★(80点)

 

私的な評価と致しましては、

元々の原案になっていたのは、是枝裕和監督が初めて総合監修を務められたオミニバス映画『十年 Ten Years Japan』(2018年)の一篇だった『PLAN 75』を再構築、キャストを一新し、自ら長編映画化した作品らしいのですが、その元々の短編映画の方も観てみたくなりました。

 

 

そして、少子化・超高齢化社会にある中、消費税についての見解も、政府与党は、社会保障費以外には充当させないとしながらも現実には法人税減税の穴埋めに使われているなど、社会保障制度もないがしろにされ、また、公的年金制度も世の中は物価上昇にあるにも拘わらず段階的に減額される現状などからも、絵空事とも思えない日本のあまりにも暗い近未来像を鑑みますと、哀しくもなってきました。

人の命に関わる重大な問題を、町の真ん中の公園の広場や病院の待合所で、あたかもマイナンバーカードの普及PR活動かの如く、「今なら、もれなく支度金10万円が付いてきます」と勧誘している「PLAN 75」が、星新一氏の短編小説のブラックジョークのようでもあり、やや怖くもありました。

 

 

主人公の角谷ミチ(倍賞千恵子さん)たちが最後の決断をするまでの過程は、特に、息づかいや表情が言葉よりも雄弁でしたし、見応えがありました。

そんな中、結末部分の余白には、私は、確かな希望が込められていたようにも思いたかったです。

従いまして、五つ星評価的には、四つ星評価の★★★★(80点)の高評価も相応しい映画だったと思いました。

 

○大ヒット公開中|映画『PLAN 75』予告編

 

 

○十年 Ten Years Japan 【2018】 映画予告編

 

 

 

 

 

 

 

今回も最後までブログ記事をお読み下さり有り難うございました。