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HALUの映画鑑賞ライフのBlog

~映画鑑賞雑記帳 &京都・滋賀の季節の歳時記 & 読書などのお気儘ライフ~

この作品は、2017年の公開当時、字幕版のレイトショーがイオンシネマ系ではイオンシネマ久御山でしか上映がなかったので、私が、初めてイオンシネマ久御山まで赴いて鑑賞をした作品でした。

当時は、チケット売り場には自動券売機もなく、映画の上映時間の案内表示もなくて、すべてスタッフの手作業で行っていましたので、すごく古いシネコンだなぁという感じでしたが、今では、チケットの自動券売機が多数並べられ、映画の上映時間の案内表示の電光記事板も導入されているみたいですが、肝心の映画の音響設備や座席などの鑑賞環境の方は特に以前とも大きく変わっていないみたいですね(汗)。

 

などと、話題が逸れてしまいましたが、

2017年4月20日(木)に字幕版の上映終了の日に、イオンシネマ久御山までクルマで鑑賞に行って来た作品でしたが、その後、早々にも1.000円以下の廉価版DVDが発売されたので、迷わず購入し、何度かDVD鑑賞しました映画です。

 

今回、レジェンダリー製作のモンスターバースシリーズとして、この『キングコング:髑髏島の巨神』の続編として、今年の5/31(金)より、『ゴジラ:キング・オブ・モンスターズ』の公開に伴いまして、まだちゃんとブログ記事化をして感想を残していなかったので、この度、個人的な備忘録的にも記録に留めておこうと思いまして、記事として、まとめさせて頂いている次第です。

 

 

「髑髏島という怪獣島の守り神(2017.4/20・2D字幕版&DVD鑑賞)」

ジャンル:SF/パニック

原題:KONG:SKULL ISLAND

製作年/国:2017年/アメリカ

配給:ワーナー・ブラザース映画

公式サイト:http://wwws.warnerbros.co.jp/kingkong/

上映時間:118分

映倫区分:PG-!2

公開日:2017年3月25日(土)

監督:ジョーダン・ヴォート=ロバーツ

キャスト:

トム・ヒドルストン、サミュエル・L・ジャクソン、ジョン・グッドマン、ブリー・ラーソン、ジン・テイエン、トビー・ケベル、ジョン・オーティス、コーリー・ホーキンズ、ジェイソン・ミッチェル、シェー・ウィガム、トーマス・マン、てりー・ノタリー、MIYAVI、ジョン・C・ライリー ほか

 

 

【解説】

1933年に製作された特撮映画の古典「キング・コング」を筆頭に、これまでにも数々の映画で描かれてきたモンスターの王者キングコングの起源を、コングの故郷である髑髏(どくろ)島を舞台に描いたアドベンチャーアクション大作。

 

神話の中だけの存在とされてきた髑髏島が実在することが判明し、未知の生物の探索を目的とする調査遠征隊が派遣される。

島内に足を踏み入れた隊員たちは、あちこちに散らばる骸骨や、岩壁に残された巨大な手跡を発見する。

やがて彼らの前に、神なる存在である巨大なコングが出現。隊員たちは為す術もなく、凶暴な巨大生物から逃げ惑うが……。

 

「マイティ・ソー」シリーズのトム・ヒドルストンが調査遠征隊の隊長コンラッド役で主演を務め、「ルーム」のブリー・ラーソン、サミュエル・L・ジャクソン、ジョン・C・ライリーらが共演する。

 

(以上、映画.comより、引用抜粋。)

 

 

昔ながらのキングコングが島からタンカー船で都会へ連れて来られて見世物にされる中、美女を片手に高層ビル群に昇って哀れな末路を迎えるといった昔ながらのキングコングの哀しいストーリーをまた見せられるのかと思っていたら、何のことはない、Vs.〇〇〇といった数々の巨大怪獣との戦いを前提とした怪獣バトル映画でした。

 

 

 

1954年(昭和29年)の核実験にも触れられており、日本版の初代『ゴジラ』(1954年)或いは、ハリウッド版『Godzilla(ゴジラ)』(2014年)との設定と同じ世界観を示唆しているかの様でもありました。

 

 

第二次大戦中の日米の2人の兵士の戦いから始まり、その後、ベトナム戦争終結時の時代設定にしているのもあり、フランシス・F・コッポラ監督の『地獄の黙示録』(1979年)を思わせる箇所も目に付きましたし、サミュエル・L・ジャクソンがあたかもマーロン・ブランドが演じたカーツ大佐をどこか思わせるのも意図的としか思えない。

これは、生き残りを懸けた戦争映画であり、警鐘でもあるとも言えるでしょう。

 

 

髑髏島の守護神であるキングコングは、自分が生き残ることで、この島の他の生物たちの種を守る位置付けになっています。

その点は、インファント島の守り神のモスラの様な存在とも言えるかも知れないですね。

 

 

また、キングコングの天敵となるスカル・クローラーは、全てを食い尽くすような存在にも見えて、あたかも肥大した人間の欲望を象徴するかのようでもありました。

(スカル・クローラーの容姿は、あたかも『千と千尋の神隠し』のカオナシや『新世紀エヴァンゲリオン』の使徒サキエルなど日本映画のサブカルチャーの影響も垣間見られました。)

 

 

冒頭から、キングコングが登場するまでの序盤は多少まだるっこしかった部分もありましたが、とは言え、前作『Godzilla(ゴジラ)』(2014年)で肝心のゴジラが登場するまでの所要時間を長さ加減を考えると、今作では、一団が髑髏島に到着するのも早いし、ヘリコプターが襲撃された辺りから、早々にコングとのバトルが開始されますが、お話しの展開も早く、俄然盛り上がって来ます。

 

 

それにしても、この髑髏島に生息する怪獣たちが実に様々でユニークでした。

 

 

スケル・バッファローという巨大な水牛のような、人間を襲わない草食系の巨大生物もいて、この島の生態系の一部を支えてるかの様でした。

 

 

髑髏島には、科学者に戦場カメラマンのメイソン・ウィーバー(ブリー・ラーソン)に元英国軍の傭兵ジェームズ・コンラッド(トム・ヒドルストン)、そして更に護衛として、ベトナム戦争流れの軍人たちが多数上陸するのでした。

 

 

 

だが、コングに撃退されて部下を亡くし、コングに対して執拗な敵意を燃やす指揮官パッカード大佐(サミュエル・L・ジャクソン)の存在が、上陸した人間たちの間に不協和音を生じさせるのでした。

 

 

 

激しい憎しみが、真実を見る目を霞ませてしまうのでした。

 

 

コングにとっては、武器を使って襲ってくる人間こそが、侵略者にほかならない。

 

 

言葉を話さない原住民族は長き年月をコングと共存してきた訳ですし、第二次大戦で戦っていた日米の兵士のその後も、示唆に富んでいて富んでいて考えさせられました。

 

 

驕り高ぶる人間達は、大自然の中では無力に過ぎないのだから。

 

 

また日本版『キングコング対ゴジラ』(1962年/昭和37年)の際のコングが大ダコとの対決シーンのオマージュ的演出なのか、今作でも、リバー・デビルという大ダコの怪獣とのバトルシーンが用意されているのも嬉しい。

 

 

長いエンドクレジットを辛抱すれば、レジェンダリー製作のモンスターバースシリーズに関するオマケ映像が観られるのですが、今作に関しては本編以上に、このオマケ映像に注目が集まったことでも有名となりました。

特に、日本人にはお馴染みのシルエットの障壁画を以て、次回の『ゴジラ:キング・オブ・モンスターズ』に登場する4体の怪獣との連続性を示していました。

 

 

 

 

もう公開当時は、このオマケ映像によってレジェンダリーの潤沢な資金力によって作り上げられる怪獣達の姿を想像して、今後の展開にワクワクさせられた次第でした。

 

 

私的な評価と致しましては、

4DX字幕版があれば是非ともそれで体感したかったほどの髑髏島におけるコングとの怪獣バトル映画でしたが、2D字幕版でも充分楽しめましたし、何よりも夢のあるオマケ映像を見せてくれたのが溜まらなく嬉しかったので、五つ星評価的には、ほぼ満点の★★★★☆(90点)の四つ星半評価とさせて頂きました。

 

※尚、日本語吹き替え版のキャストのトム・ヒドルストン役のGACKTさんは声質が全く合っていないので、吹き替え版でご覧になるのはオススメしかねますので、出来ますれば、字幕スーパー版にてご覧下さいませ。

これは、決して、GACKTさんのせいではなく、トム・ヒドルストンの声の性質を考えずに、吹き替えを担当させてしまった配給会社サイドの責任だと思われますね。

 

 

●映画『キングコング:髑髏島の巨神』予告編

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

今回も最後までブログ記事をお読下さり誠に有り難うございました。

ミニシアターの京都シネマに、公開2日目に観に行こうとしましたが、さすがに地元の嵐電とその沿線を舞台にした映画だけあり、公開初日から満員札止め状態でしたので、この土日は、更に混み合いそうな勢いだったので、翌週初めの5/27(月)に鑑賞するべく、会員向けチケットの先売り購入だけして、この日は帰宅。

そして、鑑賞当日は、連日35℃近い気温が続いていたので、さすがに熱中症になりそうだったので、一緒に鑑賞に行く父親が駐車料金も出すからと言うので、自宅からは、京都市営地下鉄のみでも行けるのですが、敢えて、マイカーにて有料駐車場に止めて、パーク・アンド・ライド方式で、京都シネマまで鑑賞に赴きました。

 

 

「嵐電にまつわる摩訶不思議な物語(19.5/27)」

ジャンル:人間ドラマ/ファンタジー

製作年/国:2019年/日本

配給:ミグランドバーズ=マジックアワー

公式サイト:http://www.randen-movie.com/

上映時間:114分

映倫区分:一般(G)

公開日:2019年5月24日(金)

監督:鈴木卓爾

キャスト:

井浦新、大西礼芳、安部聡子、金井浩人、窪瀬環、石田健太、福本純理、水上竜士 ほか

 

 

【解説】

京都市街を走る路面電車・京福電鉄嵐山線(通称らんでん)を舞台に、交錯する3つの恋を幻想的に描いたラブストーリー。

 

鎌倉からやって来たノンフィクション作家の平岡衛星は、嵐電の線路のそばに部屋を借り、嵐電にまつわる不思議な話の数々を取材しはじめる。

そこには、衛星と彼の妻・斗麻子が、かつてこの地で経験した出来事を呼び覚ます目的があった。

 

修学旅行で青森から来た女子学生・北門南天は、電車をスーパー8で撮影する地元の少年・子午線と出会う。

 

一方、太秦撮影所の近くにあるカフェで働く小倉嘉子は、撮影所にランチを届けた際、東京から来た俳優・吉田譜雨に京都弁の指導をすることになるが……。

 

主演は井浦新。「ゲゲゲの女房」の鈴木卓爾監督がメガホンを取る。

 

(以上、映画.comより、引用抜粋。)

 

 

この映画を観る前に、ちょうど、NHKBSプレミアムの新日本風土記の『京都 洛西、嵐電慕情』というドキュメンタリー番組を観ていたので、その番組と比べると、この映画は、嵐電自体の魅力に触れた映画とは、また少し趣が違うなぁとは思いました。

 


そして観ていくうちに、京都市街を走る電車・京福電鉄嵐山線、通称『嵐電(らんでん)』と共に動いていく3組の男女のラブストーリーを描いた映画という設定自体は理解出来たのですが、沿線の日常風景に中に分け入りつつ、映画の中の時間軸が実に混沌としていて、現実と非現実を往来している点が、あたかも演劇チックでもあり、一般的なストーリーを追う映画とは異なり、摩訶不思議なファンタジックな世界観を作り上げていて、端的に言うならば「訳が分からない映画」といっても過言ではないかも知れないお話でしたね。

 



おそらく鈴木卓爾監督ご自身も観客に受け容れやすい様な演出や表現を想定することなく、自分自身が撮りたいように撮られたと思います。
ですので、さも解った様な映画評を記す人よりも「摩訶不思議な映画」と感想を述べられている人の方が信用も出来る作品かとも思いますね(苦笑)。

 



お話しの流れ的には、
物書きの平岡衛星(井浦新さん)は、鎌倉の家に身体の不自由な妻の斗麻子(安部聡子さん)を残し、「嵐電の不思議な話」を探すために沿線の街にやってきました。本を書くためだと言ってはいますが、実のところ何やら別の理由もあるような雰囲気。

 



一方、太秦の映画撮影所近くで働く小倉嘉子(大西礼芳さん)は、東京から来た、無名ではないが有名でもない俳優の吉田譜雨(金井浩人さん)と知り合うのでした。
ふとした切っ掛けで、譜雨の方言指導とまでは行かないまでも、京都弁の台詞の練習につきあうことになった嘉子は、演技で気持ちをぶつけ合ううちに、譜雨に惹かれていくのでした。

 



また、懐かしい8ミリカメラのスーパー8で嵐電の車両を撮影するのに夢中な地元の少年、有村子午線(石田健太さん)は、青森からの修学旅行生の女子高生、北門南天(窪瀬環さん)たちと出会い、彼女は有村子午線に<運命の人>を感じるのでしたが・・・。
といったイントロダクションの映画でした。

 



ドラマチックな音とともに去来する電車や京都の街並み自体も、そもそも魅力的ではありますが、この映画がすごく特別な趣を醸し出すのは、それが三者三様の恋愛物語と不可分になっており、ふとした情景や物音や台詞を介して繋がっている点にもあるでしょうね。

 



たとえば、帷子ノ辻(かたびらのつじ)駅の地下通路のゲートがたてる音や、その不思議な地名・駅名の由来や伝説。
また、相思相愛の者たちの前に現れるという不思議な車掌たちが乗る電車。

 


嵐電沿線の映画撮影所からは、様々なフィクションたる映画が産み出されてきましたが、そんな街の中で、普段、見慣れていたはずの嵐電が妖怪電車と化して、虚実の境を溶かしつつ、人や場所の記憶をも、のみこみながら、摩訶不思議な物語の世界は広がりを見せ、嵐電と共にこの恋愛物語も動いていくのでした。

 



特に、それらの不思議な世界観の中でも、小倉嘉子役の大西礼芳さんの熱の籠もった圧倒的な演技。

 



或いは、平岡衛星役の井浦新さんのいつもながらの飄々とした佇まいが画面に映えて良かったでした。

 



鉄道オタクの有村子午線役の石田健太さんも好感が持てる演技で良かったです。

 

●映画『嵐電』沿線ロケ地マップ



この作品ですが、そもそもが嵐電の駅名や駅周辺の土地の名前の由来が、歴史情緒にも溢れるばかりか、神秘性にも富んでいる点でも、こういった摩訶不思議な設定の映画をも現実味を帯びるかの様なファンタジックな作品へと仕上げてくれているのかなとも思いました。

 



でも、実際のところ、この映画の解釈は、今作品の主たる製作者の鈴木卓爾監督ではないので私には解りかねますが、私の理解の範疇をも超えた作品でしたが、摩訶不思議な魅力を醸し出す映画であった事はたしかです。
この映画は、観る人の感性を試すようなそんなリトマス試験紙のような作品かも知れないですね。
また、全てを観る人に判断を委ねている映画とも言えるかも知れないです。
ですので、自分の理解の範疇を超えた作品、消化しきれない作品だからと言って一概に否定的な作品の烙印を押すのではなく、何故に鈴木卓爾監督はこの様な演出をしようとしたかと再考することを以て、この作品を通して「芸術とは何ぞや」と考え直す機会になればとも思います。

私も一度観ただけでは理解し難かった作風の映画だったので、もう一度鑑賞したい映画ですね!

※但しながら、地元・京都のミニシアターの京都シネマでは連日超満員で、立ち見券を発行するほどの大盛況ぶりですので、なかなか今の時点では容易く鑑賞し辛い環境にありますが、また時季を移してでも、京都シネマにても、こんなにも鑑賞希望者が多い作品ですので、6/21(金)迄の上映に加えて、新たに追加上映の機会を設定して下さればと願う次第です。

 



私的な評価と致しましては、
正直なところ、よく解らない、私の理解の範疇をも超えた映画でしたが、嵐電そのもの、また嵐電の沿線自体の魅力を再認識したり、そして、平岡衛星役の井浦新さんの飄々とした佇まいの魅力は言わずもがなでしたが、小倉嘉子役の大西礼芳さんの熱量のある演技を目の当たりにして圧倒されたりと、大いに目に見える収穫もあった作品でしたので、五つ星評価的には、高評価に部類する、★★★★(80点)の四つ星評価とさせて頂きました。

 

●映画『嵐電』予告編

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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今回も最後までブログ記事をお読み下さり誠に有り難うございました。

この作品は、本年度の第91回アカデミー賞の作品賞のほか脚本賞、助演男優賞(マハーシャラ・アリ)の3部門でオスカーを獲得した作品としても、日本でも大ヒットを記録し、私も、本作品の日本での公開初日の平成31年3月1日(金)に父親と共に鑑賞に赴きましたが、既に公開終了を迎えた劇場も多いのですが、令和の世になった今更ながらではありますが、先日ブログ記事化した、スパイク・リー監督の『ブラック・クランズマン』(2018年)との作品比較をするというためでもなく、あくまでも、個人的な備忘録的な意味合いとして、ブログ記事として感想を記録としてまとめておきたいと思います。

 

 

「人種を越えた友情の旅路(19.3/1・字幕)」

ジャンル:人間ドラマ

原題:GREEN BOOK

製作年/国:2018年/アメリカ

配給:ギャガ

公式サイト:https://gaga.ne.jp/greenbook/

上映時間:130分

映倫区分:一般(G)

公開日:2019年3月1日(金)

監督:ピーター・ファレリー

キャスト:

ヴィゴ・モーテンセン、マハーシャラ・アリ、リンダ・カーデリーニ ほか

 

 

【解説】

人種差別が色濃く残る1960年代のアメリカ南部を舞台に、黒人ジャズピアニストとイタリア系白人運転手の2人が旅を続けるなかで友情を深めていく姿を、実話をもとに描き、第91回アカデミー作品賞を受賞したドラマ。

 

1962年、ニューヨークの高級クラブで用心棒として働くトニー・リップは、粗野で無教養だが口が達者で、何かと周囲から頼りにされていた。クラブが改装のため閉鎖になり、しばらくの間、無職になってしまったトニーは、南部でコンサートツアーを計画する黒人ジャズピアニストのドクター・シャーリーに運転手として雇われる。

黒人差別が色濃い南部へ、あえてツアーにでかけようとするドクター・シャーリーと、黒人用旅行ガイド「グリーンブック」を頼りに、その旅に同行することになったトニー。

出自も性格も全く異なる2人は、当初は衝突を繰り返すものの、次第に友情を築いていく。

トニー役に「イースタン・プロミス」のヴィゴ・モーテンセン、ドクター・シャーリー役に「ムーンライト」のマハーシャラ・アリ。

トニー・リップ(本名トニー・バレロンガ)の実の息子であるニック・バレロンガが製作・脚本を手がけ、父とドクター・シャーリーの友情の物語を映画化した。

監督は、「メリーに首ったけ」などコメディ映画を得意としてきたファレリー兄弟の兄ピーター・ファレリー。

 

アカデミー賞では全5部門でノミネートされ、作品賞のほか脚本賞、助演男優賞を受賞した。

 

(以上、映画.comより、引用抜粋。)

 

 

 

お話しの流れ的には、

 

これは、実話に基づく物語。

カーネギーホールの上階に住む黒人の天才ピアニスト、ドクター・ドナルド・シャーリー(マハーシャラ・アリ)が、アメリカ南部への演奏旅行に出ようとしていました。

 

 

時は、1962年、今よりも黒人差別が未だ未だ色濃い時代にである。

この時代、ジョン・F・ケネディ大統領の後押しにもよって公民権運動は盛んになりつつありましたが、未だ公民権法が法制化なされる以前の、特に黒人差別が酷いアメリカ南部地方にである。

 

 

他方、高級バーで用心棒をしていたトニー・リップ(ヴィゴ・モーテンセン)。

店の改装工事のために仕事を失ってしまうのでした。

ホットドッグの早食いで50ドルを稼ぐも、そんな事を毎日やって過ごす訳でもなく、腕時計を質屋に入れて、愛する妻ドロレス(リンダ・カーデリーニ)をはじめ家族を養うために、一旦は、断った仕事である「ドクター・ドナルド・シャーリーのアメリカ南部の演奏旅行の運転手兼ボディガード」の話を請け負うこととなるのでしたが・・・。

 

といったイントロダクションの映画でした。

 

 

この『グリーンブック』は、父親と予てから日本での公開を楽しみにしていた作品でしたが、噂に違わぬ、人種を越えた友情をテーマにした感動的なバディムービーであり、笑いあり涙あり、そして理不尽な差別への怒りも詰まった、まさに文句の付けようもないロードムービーでした。

 

生まれも育ちも全く正反対な2人は、最初こそ当然衝突しながらも、次第に互いを認め、友情を深めていくといった定石通りの鉄板モノ映画でした。

 

 

兎に角、アメリカでは『ドライビング Miss デイジー』(1989年)になぞらえて語られがちの作品の様ですが、それよりも作品のテイスト的にはフランスのコメディ映画『最強のふたり』(2011年)の方が、より似ている作風に感じる映画でした。

しかしながら、ただ、それらの作品とは、知的な芸術家で品が良くて繊細な黒人と、無知でマッチョで単純かつガサツなのが白人といった、従来の作品とでは、その設定が真逆であるという辺りが今作のミソ。

 

 

裕福で教養もあるシャーリーは、自分の存在に、ちやほやしている進歩的な白人達の免罪符的な見世物にされていることにも気付いていましたし、またその一方で、大多数の同胞の黒人からは、別世界のエリートだと思われているのでした。

 

 

アメリカ南部地方を移動中、シャーリーが過酷な綿花の農作業に従事している同胞を眺めるシーンが胸にも突き刺さってくる思いでした。

 

 

このタイトルにもなっている「グリーンブック」とは、黒人(アフリカ系アメリカ人)が利用可能な宿泊施設やレストランなどの諸施設などを記した旅行ガイドブックのこと。

 

とは言え、その地その施設に招かれて主賓として演奏するにも拘わらず、トイレもカラード専用(有色人種専用)トイレとして別であったり、控え室についても別の物置部屋の様な理不尽な人種差別の扱いを受けたり偏見の目で見られるシャーリーでした。しかし、彼は手を出したら負けと、怒りをのみ込み我慢するのでした。

 

 

当時は、黒人が有色人種専用トイレしか使用出来ないといった逸話は、映画『ヘルプ~心がつなぐストーリー~』(2011年)をはじめ、映画『42~世界を変えた男~』(2013年)や、映画『ドリーム(原題:Hidden Figures)』(2016年)でもコミカルながらも、黒人の立場に立てば怒りが沸々と湧き出てくる演出のエピソードとして度々登場してきましたよね。

 

 

そういった人種差別に対して怒りに震える演出もありながらも、また、その一方では、黒人のドクター・ドナルド・シャーリーが粗野でガサツな白人のトニー・リップに礼儀作法を指導したり、手紙の書き方をアドバイスしたりと、演奏旅行の道中の逸話がいちいち面白くて仕方がない。

とりわけ、中でも、ケンタッキーフライドチキンを巡る遣り取りは最高でしたね(笑)。

 

 

 

今作の監督は、『メリーに首ったけ』(1998年)、『ムービー43』(2013年)など、かなり毒っ気のあるコメディーが持ち味のファレリー兄弟の兄、ピーター・ファレリー。

人種差別や偏見にもの申す部分と、それらを笑い飛ばす部分のバランス感覚はさすがと言っていいでしょう。

世の中、当時から、悪い白人もいれば、いい白人もいるといった人間像の捉え方、例えば、実話とは言え、ドクター・ドナルド・シャーリーの性的嗜好のあり方を知った時のトニー・リップの反応も実に冷静で素晴らしかったですね。

 

 

そしてまた、自分のテリトリーの範囲内で仕事をしていれば、そもそも厭な思いもしなかったであろうエリートが何故に、あえてアメリカ南部地方に演奏旅行に行くのか。その心意気が明かされるシーンには胸が熱くなりましたね。

 

 

ただ、心が痛くなるような場面もあるにはありますが、全体的にはそもそも監督も白人なのですから致し方ないとは言え、白人寄りの目線による「いい話」過ぎて、そこが物足りないという意見もあるかも知れないですし、たしかに差別や偏見に怒りは感じさせても、人種差別をテーマにした作品にしては口当たりが良すぎる部分がイマイチ現実のアメリカにおける状況を鑑みると「甘過ぎる」という指摘もあるやも知れないですね。

 

 

でも今作は、ヴィゴ・モーテンセン演じる、トニー・リップ・バレロンガの実子である、ニック・バレロンガがプロデュースと共同脚本を手掛け、あくまでも「父から聞かされたいい話」である実話を基に映画化した作品であるのであって、ポリティカル・コレクトネス。所謂、ポリコレと略称される、「差別や偏見を防ぐ目的で、政治的・社会的に公正・中立的な言葉や表現の使用を図る活動」を主眼に置いた作品でもないので、あくまでも実話ベースなので、これを物足りないと申してみても致し方ないのかも知れないですね。

またラストの多幸感は格別であり、最終的なオチも含めてトニー・リップの愛妻ドロレスには完敗状態でしたし、多くの観客にとっては、最高に愛すべき映画のひとつになったことかとも思いました。

 

 

私的な評価と致しましては、

スパイク・リー監督の『ブラック・クランズマン』と比較するというよりも、むしろ共に実話ベースの映画を、片や、アフリカ系アメリカ人(黒人)の監督が黒人たる目線で作った作品と、この『グリーンブック』のように、実話を基にした人種を越えた人間同士の友情の「いい話」をベースに白人寄りの目線で作った作品とがあり、両作品が対をなす関係にあると思って観ればいいのではないかとも思いましたし、何よりも夢の様なお話しかも知れないですが、人間同士がリスペクトし合うといった、本来あるべき姿について、理想論かも知れないですが観させてくれた映画だったような気もします。

つきましては、スパイク・リー監督の『ブラック・クランズマン』と本作についてを、どちらかに優劣を付けることなく、この作品も、五つ星評価的には、★★★★★(100点)の満点評価が相応しい作品と感じた次第です。

 

※尚、この作品におけるブログ記事においては、「アフリカ系アメリカ人」という表現を使用すべきところも、従来からの「黒人」という差別的表現にしている箇所もありますが、ポリティカル・コレクトネス。所謂、ポリコレと略称される、「差別や偏見を防ぐ目的で、政治的・社会的に公正・中立的な言葉や表現の使用を図る活動」を決して軽視している訳ではありませんので悪しからずご了承願います。


 

●【公式】映画『グリーンブック』本予告

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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