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HALUの映画鑑賞ライフのBlog

~映画鑑賞雑記帳 &京都・滋賀の季節の歳時記 & 読書などのお気儘ライフ~

令和の時代の今更ながらではありますが、全国公開してから9日後の平成31年3月31日(日)にMOVIX京都にて鑑賞してきた作品ですが、現在、ちょうど京都市上京区・出町座や滋賀県大津市・大津アレックスシネマにてセカンド上映をなされている事もあり、このタイミングでブログ記事化するのも良いかと思い、この作品もこの機会に、備忘録的にブログ記事としてまとめさせて頂きたいと思います。

 

 

 

「ユーモアとスリルの交錯と、今ここにある危機(19.3/31・字幕)」

ジャンル:社会派ドラマ

原題:BLACK K KLANSMAN

製作年/国:2018年・アメリカ

配給:パルコ

公式サイト:https://bkm-movie.jp/

上映時間:135分

映倫区分:一般(G)

公開日:2019年3月22日(金)

監督:スパイク・リー

キャスト:

ジョン・デヴィッド・ワシントン、アダム・ドライバー、トファー・グレイス、コーリー・ホーキンス、ローラ・ハリアー、ライアン・エッゴールド、ヤスペル・ペーコネン、ポール・ウォルター・ハウザー、アシュリー・アトキンソン、アレック・ボールドウィン、ハリー・ベラフォンテ ほか

 

 

【解説】

黒人刑事が白人至上主義団体「KKK(クー・クラックス・クラン)」へ潜入捜査した実話をつづったノンフィクション小説を、「マルコムX」のスパイク・リー監督が映画化。

1979年、コロラド州コロラドスプリングスの警察署で、初の黒人刑事として採用されたロン・ストールワース。

署内の白人刑事たちから冷遇されながらも捜査に燃えるロンは、新聞広告に掲載されていたKKKのメンバー募集に勢いで電話をかけ、黒人差別発言を繰り返して入団の面接にまで漕ぎ着けてしまう。しかし、黒人であるロンはKKKと対面できないため、同僚の白人刑事フリップに協力してもらうことに。電話はロン、対面はフリップが担当して2人で1人の人物を演じながら、KKKの潜入捜査を進めていくが……。

 

主人公ロンを名優デンゼル・ワシントンの実子ジョン・デビッド・ワシントン、相棒フリップを「スター・ウォーズ」シリーズのアダム・ドライバーが演じる。

 

第71回カンヌ国際映画祭でグランプリを受賞。

第91回アカデミー賞では作品、監督など6部門にノミネートされ、脚色賞を受賞した。

 

(以上、映画.comより、引用抜粋。)

 

 

1970年代のアメリカのコロラド州コロラドスプリングス警察署初のアフリカ系アメリカ人刑事が、ユダヤ系白人刑事と手を組み白人至上主義団体への潜入捜査に挑む。という、事実は小説より奇なりを地でいく実話に基づく、一級のエンタメ映画にして政治思想色豊かな社会派ドラマでした。

 

 

先ず、題名の『ブラック・クランズマン』とは、アフリカ系アメリカ人(黒人)のクー・クラックス・クラン(Ku Klux Klan:KKK)の構成員・団員という意味です。

 

1979年、コロラド州コロラドスプリングス警察署で初めてのアフリカ系アメリカ人警官となったロン・ストールワース(ジョン・デヴィッド・ワシントン)は記録保管室に配属される。

同僚の白人警官からイジメられる毎日でしたが、或る日、アフリカ系アメリカ人という、その特性を活かしてブラックパンサー党の活動を調査する潜入捜査の命を受けるのでした。

そんな中、黒人学生連合の女性活動家のパトリス・デゥマス(ローラ・ハリアー)と出会うのでした。

 

 

そして、その後、彼は、新聞で、白人至上主義を掲げる秘密結社「クー・クラックス・クラン(KKK)」の新しい支部の構成員を募集する求人広告を発見。

直接電話でコンタクトを取り、白人の同志のレイシストのフリをしてしゃべり倒して、接触のチャンスを得るのでした。しかし、どうやって?

そこでロンは引き続き電話で仕掛けて、実際の接触には白人刑事のフィリップ・ジマーマン(アダム・ドライバー)が行うことになるのでしたが・・・。

 

 

かなり情報量が多い作品。

白人至上主義団体を産み出した歴史的背景と現在の動向。

例えば、南北戦争、公民権運動、そして、2017年に発生したシャーロッツビルでのカウンターデモへの突入事件など。

更には、KKKに代表される白人至上主義者たちが、単に白人や黒人(アフリカ系アメリカ人)といった大きなくくりである肌の色による人種差別のみならず、より狭く定義した自分が属する民族集団(WASP=ホワイト・アングロサクソン系プロテスタント信者やフリーメイソンなど)を選民と位置付ける団体の衰退と復活など。

その他にも、デンゼル・ワシントンの息子であるジョン・デヴィッド・ワシントンが潜入捜査官を演じている意味だとか。

また、或いは、白人目線中心で描かれていた差別的な代表的映画として、『風と共に去りぬ』の南北戦争の大人数の南軍負傷者シーンや、D・W・グリフィス監督の『國民の創生』といった映画が作中に引用されている意味や、また、作中で扱われるブラックスプロイテーション映画(『黒いジャガー』など)や現在のポリティカル・コレクトネス、所謂、ポリコレとも略称される「差別や偏見を防ぐ目的で政治的・社会的に公正・中立的な言葉や表現の使用を図る活動」のあり方についても大いに色々と考えさせられる作品でした。

 

 

アダム・ドライバー演じるフィリップ・ジマーマンを原作からユダヤ系白人に設定変更し脚色したのも実に効果的でしたね。

それ故に、白人のふりをして電話でKKKと遣り取りをするアフリカ系アメリカ人のロン以上に、ロンに成り代わって、実際に潜入捜査の対応をするユダヤ系アメリカ人のフィリップが命を懸けた仕事に挑むこととなり、非常にスリリングでした。

 

「白人の発音と黒人(アフリカ系アメリカ人)の発音が違う?」

そんな話は聞いたこともないですし、劇中のロン達もバカ受けしてしまっていましたが、私もこのシーンには爆笑してしまいました。

 

 

このKKKには、気の短い頭がイカレた下っ端の構成員が沢山いますが、彼らは暴力行為に出る実行犯。

一方、最高幹部は政界進出、ホワイトハウスをも狙う人物。

でもロンの声色の違いも分からないというのですから、これもまた間抜けですよね。

 

この一見お人好しそうに映るKKKの最高幹部デビッド・デューク(トファー・グレイス)をさも好人物かの様に演じており怪しからん思われる人もおられるかもしれません。ですが、彼がそのように見えることこそ、彼を一層に厄介な存在たらしめているものなのです。実在の人物を演じているだけにね。

 

 

また、冒頭とラストであまり変わっていないアメリカにおける差別の現実を知らしめ、KKKの入団の儀式の際の『國民の創生』の上映会と、ブラックパンサー党での演説風景を並行して見せることで、互いのその歩み寄りのなさとその活動自体の非生産性を突きつけてもいました。

 

 

また劇中のロンは、ブラックパンサー党の潜入捜査の際に親しくなった、アフリカ系アメリカ人の尊厳のために行動する学生活動家パトリス・デゥマス(ローラ・ハリアー)に差し迫るKKKメンバーの危険な企てからも阻止するべく奔走します。

 

 

その状況を描くスリリングなクロスカットは、冒頭でアレックス・ボールドウィンが触れる映画の1本でもあり、また、KKKの入団の儀式の際に上映される映画であるD・W・グリフィス監督の『國民の創生』の内容をあたかもソックリ真似たかの様なスリル溢れる演出ですが、恨みつらみを込めた単なる意趣返しのみではないでしょう。

皮肉の意味合いは込めても、スパイク・リー監督は、全ての登場人物を血の通った存在として描いています。悪の卑小さ、かなしさ、愛と憎しみをも含めて。

 

 

『風と共に去りぬ』や『國民の創生』という映画が引用されている意味合いについては、私も劇場用パンフレットの解説文を読まなくては、よく理解出来ていなかったのですが、とは言え、それでも人種差別が長い歴史を持ち、映画と言うメディアもその差別や偏見と深く関わってきたことは映画を観ている最中でも伝わって来ました。

 

 

また、第91回アカデミー賞では『グリーンブック』が作品賞を受賞して、スパイク・リー監督が激怒して立ち去ろうとしていたと言われるのも本作品を観ると分かる気もしました。

(そう言えば『グリーンブック』の感想のブログ記事も早く書かねば・・・。トホホ。)

 

確かに、あの『グリーンブック』も人種差別問題を扱ってはいましたが、所謂、ポリコレを意識はしていたとは思いますが、作品から差し迫った狂気は感じ取れなかったですし、あくまでも白人視点で描かれたエンタメ映画であって、同じ実話ベースとは言え、ある種、夢のような映画だったような気もします。

その点では、このスパイク・リー監督が監督・脚本・製作した本作品は、アフリカ系アメリカ人からの視点で描かれているし、1970年代、南部のアメリカで、アフリカ系アメリカ人たちがどんなに酷い目に遭っていたのかがとても分かりやすく描かれています。

 

 

また、人のありよう、<アメリカン・ファースト>と連呼するKKKの構成員や指導者の言動は恐ろしいほどに、今のトランプ政権下のアメリカと重なって映りましたし、何にせよ映画や音楽で社会全体を変えれるとは思わないという意見もありますが、プロパガンダ映画などで国民扇動を図ってきた歴史を鑑みると、過去や現実を知るための指標にはなるかとは思います。

 

 

差別をテーマにしたエンタメ映画に徹して終わるかと思いきや、ダメ押しに終幕に映し出される現代の現実として、2017年のシャーロッツビルでのカウンターデモへの突入事件の実際の映像を入れ込んでくる辺りに、今も続く狂気の連鎖とも言うべき問題の根深さや、スパイク・リー監督の本気の怒りと危機感を感じました。

 

と同時に、カンヌ国際映画祭においては許容されても、エンタメ映画として徹しなかった点で、これではアカデミー賞の作品賞の肝心のオスカーは無理だったのかもね。と非常に残念にも思えました。

 

オスカーよりもこの政治的・社会的な危機にある中、観客を覚醒させる事を重視したのでしょうね。

その想いは充分伝わって来ましたので私的には本望でした。

 

ラストシーンが唐突感もありましたが、二人が銃を向ける相手は観客の私たちへの問いかけなのかも知れないなとも思いました。

 

 

最後に、アメリカの国旗が逆さまに、描かれます。

アメリカの国旗に関する法律には、こう規定されています。

「生命や財産に極度の危険が迫っている際、その危険を伝える目的を除き、下方に傾けて掲揚してはならない。」

逆説的に言えば、つまり、現在、アメリカに生命や財産に極度の危険が迫っていることを表現しているということとなります。

 

※因みに、日本の国旗には上下はありません。

 

 

私的な評価と致しましては、

第91回アカデミー賞では脚色賞を受賞するに止まりましたが、第71回カンヌ国際映画祭では最高賞に次ぐグランプリを受賞するなど、国際的にも評価が高い本作、私個人的には、アフリカ系アメリカ人のロンとユダヤ系アメリカ人のフィリップのコミカルなバディムービーとして、社会派コメディ映画としても、めっぽう楽しめました。

そして更に、スパイク・リー監督が込めた、政治的・社会的な「今ここにある危機」に寄せたメッセージ性も充分理解出来ましたので作品的な質云々たるを越え、文句なしに五つ星評価的にも★★★★★(100点)の満点評価とさせて頂きました次第です。

 

※尚、この映画をより一層理解したいという人にはパンフレットの購入を是非ともお勧めします。

 

 

●映画『ブラック・クランズマン』本予告編

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

今回も最後までブログ記事をお読み下さり誠に有り難うございました。

 

京都市上京区・出町座、滋賀県大津市・大津アレックスシネマなどでも現在、セカンド上映がなされていますので、スパイク・リー監督が贈る社会派コメディの傑作ですので、是非この機会にご覧下さい!

あの伝説のF1レーサーのニキ・ラウダ氏が亡くなった。

 

「スーパーラット」「不死身の男」「不死鳥」とも称され、「コンピュータ」との渾名を持っていた天才的F1レーサーが、一昨日の5月20日(月)に逝去されたとの報が家族から知らされました。享年70歳。

 

ラウダ氏は近年最強を誇るメルセデスF1チームの首脳陣営の1人としてもレース中継映像等でその姿がよく映し出されていましたが、昨年の今から8ヶ月前に肺の移植手術を受けたとされ、最近は療養生活が続いていたという。2019年5月20日、ご家族に見守れながら、天国に旅立っていったという。(直接の死因等は現時点では不明。)

 

▲ニキ・ラウダ(1949年2月22日生~2019年5月20日没)享年70歳。

 

ニキ・ラウダ氏はオーストリア出身のレーサー(1949年2月22日生まれ)。

1971年にF1初出走、1974年からフェラーリに所属した。1975、1977年に王座を獲得し、ブラバム移籍後の1979年シーズンを最後に一旦、F1から引退。しかし1982年にマクラーレンからF1に復帰する。そして1984年には僚友アラン・プロストに0.5点差で自身3度目のタイトルを獲得した。翌1985年限りで2度目のF1引退。

1976年にはニュルブルクリンクでのドイツGPで大きな事故に遭遇、頭部に重度の火傷を負うなどした。しかし数戦休んだだけでレースに復帰。シーズン最終戦、日本でのF1初開催だった富士スピードウェイ戦(正式レース名称は日本GPではなく「F1世界選手権inジャパン」)までジェームス・ハントと激しいタイトル争いを展開し、豪雨のなかで早期に自主リタイアした件などでも有名だ。

1976年のハントvsラウダの戦いは、映画『RUSH』としてロン・ハワード監督により2013年に映画化し、再現されてもいる。

 

 

 

(左)ニキ・ラウダ役ダニエル・ブリュール、(右)ジェームス・ハント役クリム・ヘムズワース

▲当時の実際のニキ・ラウダ(左)とジェームス・ハント(右)本人

 

 

また、ラウダ氏には実業家としての一面もあり、航空会社の経営等でも活躍してきた。

 



F1通算成績は優勝25回、ポールポジション獲得24回。日本では1976年の事故からの復帰以降、不死鳥(フェニックス)との異名でも知られた。また、闘争心をもって速く走るだけでなく、高い知性をもってレースに取り組む近代F1レーサーの始祖とする見方もあり、その功績と存在感は後年にも大きな影響を及ぼしている。

 

※今週末(26日決勝)に開催されるモナコGPでは、なんらかのかたちでラウダ氏への弔意がF1界全体から示されるものと見られる。

 

●映画『ラッシュ/プライドと友情』予告編

 

 

故人のご冥福を心からお祈り申し上げます。

 

 

 

 

 

 

 

 

今回も最後までブログ記事をお読み下さり誠に有り難うございました。

未だ未だブログ記事化出来ていない作品が今年だけでも13本も残って溜まったままではありますが、先ずは、2019年になって2本目に観た邦画であり、また令和の新しい時代に入って2本目に観た映画でもある、正統派時代劇の『居眠り磐音(いねむりいわね)』を公開2日目の5月19日(土)に鑑賞に行って来ましたので、ご紹介したいと思います。

 

私の傘寿過ぎの父親は、NHKBSプレミアムで放送していた、山本耕史さんの主演のドラマ版『陽炎の辻・居眠り磐音江戸双紙』シリーズをTV鑑賞していたのもあり、今回の映画化をすごく心待ちにしていた模様で、早速にも一緒に鑑賞に行って来ました。

 

 

 

 

「平成で最も売れた時代劇小説を令和で映画化(19.5/18)」

ジャンル:時代劇

製作年/国:2019年/日本

配給:松竹

公式サイト:http://iwane-movie.jp/

上映時間:120分

映倫区分:一般(G)

公開日:2019年5月17日(金)

監督:本木克英

キャスト:

松坂桃李、木村文乃、芳根京子、柄本佑、杉野遥亮、佐々木蔵之介、奥田瑛二、陣内孝則、石丸謙二郎、財前直見、西村まさ彦、谷原章介、中村梅雀、柄本明 ほか

 

 

【解説】

佐伯泰英の人気時代劇小説「居眠り磐音 決定版」シリーズを松坂桃李の時代劇初主演で映画化。

 

3年間の江戸勤番を終えた坂崎磐音は幼なじみの小林琴平、河井慎之輔とともに九州・豊後関前藩に戻った。

琴平の妹・舞は慎之輔に嫁ぎ、磐音もまた、琴平と舞の妹である奈緒との祝言を控えていた。

しかし、妻の舞が不貞を犯したという噂を耳にした慎之輔が舞を斬ってしまい、それに激高した琴平が慎之輔に噂を吹き込んだ人物と慎之助本人をも斬るという事態に発展。

磐音は罰せられた琴平を討ち取るよう命じられてしまう。

2人の友を1日にして失う悲劇に見舞われた磐音は、許婚の小林奈緒を残したまま関前を後にし、たどり着いた江戸の長屋で浪人に身をやつすこととなる。

昼は鰻割きとして働き、夜は両替商・今津屋で用心棒稼業を始めた磐音だったが……。

 

監督は「超高速!参勤交代」シリーズの本木克英。

 

NHK木曜時代劇「ちかえもん」を手がけた藤本有紀が脚本を担当。

 

(以上、映画.comより、引用抜粋。)

 

 

 

意外な作風でしたね。

従来の時代劇に比べて、過酷な状況下にあっても、直ぐに自死などの安易な道を選ばず、生き抜くことの辛さ、大切さを説いた良作でした。

不可解な事件、端麗なる殺陣、すれ違う男と女、勧善懲悪の構図に、下町の飄々とした素浪人が実は凄腕の剣客である設定など、従来の、ひと昔前に見慣れた時代劇の定番の要素は満載でしたが、陰惨な筋書きもドロドロとした描き方をせずに、暗さは少なく、案外にも現代風味にスマートに仕上がっていたと実感しました。

 

 

本作品の主人公は、豊後関前藩・藩士の坂崎磐音(松坂桃李さん)。

江戸勤番として3年間を過ごし、帰郷した彼に過酷な運命が待っていました。

 

 

磐音は、翌日に祝言を控えていたにも関わらず、帰郷したその日のうちに、二人の幼馴染みを失い、許嫁の奈緒(芳根京子さん)とも夫婦になれず、故郷を捨てて、江戸で浪人暮らしを始めるのでした。

 

 

昼は鰻屋で働き、夜は両替商の今津屋で用心棒として雇われ、居眠り剣法とも呼ばれる変わった太刀さばきの剣の達人として頭角を現していくのでしたが、故郷での忌まわしい出来事は彼の脳裏から消えることはなかったのでした。

といった筋書きのお話しでした。

 

 

 

私は特段、父親とは違って、NHKBSプレミアムで放送していた山本耕史さんの主演ドラマ版『陽炎の辻・居眠り磐音江戸双紙』シリーズは、それこそ、ながら観程度でしか観ていないので、ドラマ版との比較は為し難いのですが、私は未見の作品ながらも、現代劇の映画『娼年』などでも妖艶な演技を魅せてくれていたらしい松坂桃李さん主演作品だけあって、主人公の坂崎磐音役に、TVドラマ版にはない色香がありましたね。

 

 

特に、今作では、現代劇でも活躍している、松坂桃李さん、芳根京子さん、木村文乃さんの若手俳優さんが作品を上手く牽引していました。

主演の松坂桃李さんは、普段は心優しいのですが、実は過酷な運命を背負って懸命に生きようとする剣豪・坂崎磐音という難役を、悲壮感を抑えた淡々とした演技で好演していました。

居眠り剣法の構えとも呼べる独特な構えからの殺陣も迫力充分でした。

 

 

実戦に即した殺陣という点では、映画『散り椿』(2018年)などでのV6の岡田准一さんの殺陣には到底敵わないですが、端麗なる演舞の様な太刀さばきという点では、今作の劇場版『居眠り磐音』の殺陣の方が見栄えは良かったかも知れないですね。

 

 

芳根京子さんは、演者を越えて、主人公・磐音への一途なる想いを貫いて生きる奈緒役と、あたかも一体化しているかのようで、表情、佇まい、台詞など全てにおいて磐音への想いが溢れ出ていて、ついつい胸を熱くしてしまいますね。

 

 

木村文乃さんは、主人公の住む長屋の大家・金兵衛(中村梅雀さん)の娘おこん役であり、印象そのままの勝ち気で献身的な叶わぬ恋の切なさ具合を滲ませている演技はさすがでしたね。

 

 

とは言え、この主たる三名は、配役的に、時代劇そのままの様なキャラクターである木村文乃さん演じるおこんは別にしても、磐音や奈緒も実に淡々とした印象が現代風味を醸し出していて、せつなさは深く伝わっては来ますが、どこか湿っぽさは低いような味わいに感じて、その点は良かったですね。

 

また江戸時代の当時の金融事情も分かって面白い作風に仕上がっていたと思いました。

 

 

また、柄本ファミリーの長男・柄本佑さんは磐音の幼馴染みであり、奈緒の実兄・小林琴平役という良い役柄を与えられた中、凄く頑張ってられました。

 

 

そして、大麻取締法違反容疑で逮捕をされたピエール瀧さんの代役として、急遽、登板された、柄本ファミリーでは長男・佑さんの奥様・安藤サクラさんの父親であり、佑さんからしたら義理の父親の奥田瑛二さんが豊後関前藩・国家老・宍戸文六役といった役柄を、実にスケベったらしく演じてられておられたので、この役柄のシーンは全部撮り直しでしたが、結局、適任で結果オーライでしたね!

当初の不可解な事件の黒幕的な感もしないでもなかったですが、わずか2シーンのみの登場だったのが、あまりにも意外でしたが、ピエール瀧さんの逮捕のせいで、国家老・宍戸文六の出演シーンを急遽削ったのでしょうか。

 

 

柄本ファミリーでは家長でもある柄本明さんですが、奥様の故・角替和枝さんとのTwitterといったネットを通じての個人的なご縁ではありますが、私は、予てから、柄本ファミリーは、安藤サクラさんも含め大好きで応援しているのですが、今回の柄本明さんの演じた両替商阿波屋の主人・有楽斎役は、派手な老けメイクは良いとしても、往生際の悪い死に口上を長々と可笑しな関西弁で話し続けるのはちょと遣り過ぎ感もあり、オーバーアクトな演技で、映画を安っぽくしてしまっている様にも感じてしまい、その点が、ちょっと残念でした。

 

 

本作品は、一応の完結はしてはおりますが、やはり豊後関前藩での不可解な事件に寄せる陰謀が解決を図るところまで見届けないと、どこか不完全燃焼ですし、二人の切ない恋の行方も気になりますので、強く生きる二人のその後も、是非シリーズ化して続編を観たいと願うばかりです。

 

尚、参考までに、私の父親の感想と致しましては、

「自分の愛する妻の不貞を飲み屋の噂話を鵜呑みにして斬り殺すなど後味が悪いし、言語道断。」として、この時代劇とはいえ不条理な設定が気にくわなかったみたいのであまり好評価の作品ではなかったみたいですが、女性が物の様に扱われていたといった時が世が世なので致し方なかったのではないかと、多少の原作の改変があったみたいですが、この点は私は別に気にはならなかったですね。

 

▲江戸勤番時代に磐音たちが通っていた佐々木道場の佐々木玲圓(佐々木蔵之介さん)といったチョイ役まで贅沢な配役の映画でした。

 

 

私的な評価と致しましては、

なかなか端麗な太刀さばきの殺陣もサマになっていて、松坂桃李さんの容姿も相俟って、磐音役自体にも妖艶な色香もありましたし、劇伴も高見優さんのオリジナルスコアで盛り上げてくれるなど、現代風味のスマートな仕上がりになっていて私は面白かったです。

やはり、あの名作のNHK朝の連続テレビ小説『ちりとてちん』(2007年)やNHK木曜時代劇『ちかえもん』(2016年)の脚本を手掛けられた藤本有紀さんの手腕が輝る作品でもあったからでしょうね。

但しながら、前述した通り、残念ながらも、柄本明さん扮する両替商阿波屋の主人・有楽斎の演技がオーバーアクト過ぎて、少々シラけてしまった部分もありましたので、その点を若干減点を致しまして、五つ星評価的には、高評価ながらも、★★★★(80点)の四つ星評価とさせて頂きました次第です。

 

昨今では、時代劇映画も、コメディ時代劇3本に対し、本格派時代劇1本の割合で製作されている感もあり、本格派時代劇に飢えている映画ファンにはシリーズ化を切望したいですね!

 

 

※尚、鑑賞したのは公開2日目でしたが、先着入場者特典として、原作者・佐伯泰英さんの書き下ろしの『居眠り磐音・劇場版00巻』として、小説『闘牛士トオリ』、映画版小説『居眠り磐音』、脚本、対談集が盛り込まれた特別仕様の文庫本をプレゼントして貰えて、非常にLUCKYでした!!!

 

●映画『居眠り磐音』予告編(主題歌入り予告)

 

 

 

 

 

 

 

 

今回も最後までブログ記事をお読み下さり誠に有り難うございました。