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~映画鑑賞雑記帳 &京都・滋賀の季節の歳時記 & 読書などのお気儘ライフ~

公開6日後になりましたが、いつも映画鑑賞に行く、滋賀県草津市のイオンシネマ草津では、あろう事か、2D字幕版の上映回数が1日2回しか上映機会がなかったのですが、この日は、なんとか午前中の上映回にも間に合いそうだったので、今作では、初代サラ・コナー役のリンダ・ハミルトンが参戦しているとの事でしたので、一昨日の11月14日(木)に、劇場鑑賞に出向いて来ました。

 

 

「正統なる続編とは何ぞや?(19.11/14・2D字幕版)」

ジャンル:SF/アクション

原題:TERMINATOR DARK FATE

製作年/国:2019年/アメリカ

配給:ウォルト・ディズニー・ジャパン

公式サイト:http://www.foxmovies-jp.com/terminator/

上映時間:129分

上映区分:PG-12

公開日:2019年11月8日(金)

監督:ティム・ミラー

キャスト:リンダ・ハミルトン、アーノルド・シュワルツェネッガー、マッケンジー・ディヴィス、ナタリア・レイエス、ガブリエル・ルナ、ディエゴ・ボネータ、エドワード・ファーロング ほか

 

 

【解説】

ジェームズ・キャメロンが生み出したSFアクション「ターミネーター」のシリーズ通算6作目で、キャメロンが直接手がけ、名作として人気の高い「ターミネーター2」の正当な続編として描かれる。

キャメロンがプロデューサーとなり、「ターミネーター2」以来にシリーズの製作へ復帰。

「デッドプール」を大ヒットさせたティム・ミラー監督が新たにメガホンをとった。

 

人類滅亡の日である「審判の日」は回避されたが、まだ危機は去っていなかった。

メキシコシティで父と弟とごく普通の生活を送っていた21歳の女性ダニーのもとに、未来から最新型ターミネーター「REV-9」が現れ、彼女の命を狙う。

一方、同じく未来からやってきたという女性戦士グレースが、ダニーを守るためにREV-9と壮絶な戦いを繰り広げる。

何度倒しても立ち上がってくるREV-9にダニーとグレースは追いつめられるが、そこへ、かつて人類を滅亡の未来から救ったサラ・コナーが現れる。

 

リンダ・ハミルトン演じるサラ・コナーも28年ぶりにカムバックし、シリーズの顔であるT-800を演じるアーノルド・シュワルツェネッガーも出演。

グレース役に「ブレードランナー 2049」のマッケンジー・デイビス、ダニー役にコロンビア出身の新鋭女優ナタリア・レイエス。

 

(以上、映画.comより、引用抜粋。)

 

 

 

あの名作『ターミネーター』『ターミネーター2』を手掛けた、ジェームズ・キャメロンによる製作・監修の作品による、今回のシリーズ復活と言うことで大いに期待して観ましたが・・・。

 

 

先ず、『ターミネーター2』(通称:『T2』)の正統なる続編と言うことで、『T3』以降に製作されたシリーズ作品のお話しは全く無かったことになってはいますが、私個人的には『ターミネーター4』に相当するスカイネットと大人になったジョン・コナーが戦う未来のお話しもかなり好きなので、大人になったジョン・コナー役のクリスチャン・ベイル自身が、「あの映画『ターミネーター4』に出たのは黒歴史だ」と述懐しているとは言え、あの未来での戦争を描いた作品の正統なる続編ならば観たかったですね。

 

 

しかし、今回も、T-800型ターミネーター役でアーノルド・シュワルツェネッガーが再び出演するらしいと今作の予告編で知ったのですが、T-800が、溶鉱炉に中に自ら消えて行った『ターミネーター2』の後のお話しと、一体どの様に繋げて行くのだろうかと思いましたが、ひと言で言えば、新旧のサラ・コナー的存在の共闘のお話しと言えば良いのかも知れないですが、今作では、ジョン・コナーの存在意義を、もう一旦、<審判の日>である1997年8月29日に起きるとされた人類の危機は回避されたことを受けて白紙に戻したはずなのですが、結局、人間は機械である人工知能システムに頼る愚かな存在であって、未来の流れを防いでも防いでも、どのみち未来は変わらないとするお話しとも言える。

 

・・・以下、本作のネタバレを含みますので、ご注意願います。

 

それにしても、何故、原題のDarkFate(ダーク・フェイト)をニュー・フェイトと、わざわざ邦題を変更したのかも謎ですね!!!

 

 

 

先ず、冒頭で、サラ・コナー(リンダ・ハミルトン)とT-800型ターミネーター(アーノルド・シュワルツェネッガー)の活躍により、せっかく助けたジョン・コナー(エドワード・ファーロング)が、再び現れたT-800型ターミネーターに襲われ無残にも殺されてしまう。

 

 

任務遂行後、T-800は人間界で人間らしく、夫から激しいDVを受けていた母子を守りながら、人間らしく隠遁生活を送っているのでした。

ジョン・コナーは抹殺されたのでしたが、1997年8月29日に<審判の日>は訪れず、21世紀に突入。

失意のサラ・コナーは全米で指名手配をされてしまい、アルコール依存症となるのでした。

 

 

やがて、メキシコシティの自動車工場で勤務する、うら若き女性ダニー(ナタリア・レイエス)を守るために未来から裸の女性グレース(マッケンジー・ディヴィス)が。

 

 

更に、そのダニーを殺戮するためにREV-9(ガブリエル・ルナ)が未来から送られてくるのでした。

 

 

しかしながら、お話しの軸となる登場する人物は変わっても、「人工知能のAIから進化した高度な機械人間サイドに人類が滅ぼされそうになるが、それに対抗する人類サイドにリーダーが現れる」という大筋の図式は変わらない。

すなわち、タイムトラベルにより「些細な事象の変化は生じても、大きくは歴史は改変されない」といったSFの既存のルールに至極則った流れになっているとも言えるが、厳しい見方をすれば、そもそもの『ターミネーター』の筋書き自体の焼き直し的な展開とも言え、ジョン・コナーの担っていた人類存亡のキーマンたる役割が、メキシコシティの自動車工場に勤務するダニーという若き女性に移っただけとも言えなくはない。

そういう意味合いでは、普通に面白いのには面白いのですが、正統なる続編というよりも、正統なるスピンオフ的映画と言った方が良いかも知れないですね(汗)。

 

 

液体金属のT-1000型ターミネーターが『T2』の時点で存在していたのに、スカイネットなどの人工知能のAIによる機械人間サイドは、何故、その後も、型式が古いT-800を複数体送り込んだのか?

また、それらT-800型ターミネーター達は、一体どのタイムライン上から送られ続けられてきたのか?

 

 

グレースについても、最終的に同じ時間軸上に幼少期時代とソルジャー強化型兵士時代との同時期に、ふたり存在していた事になってしまうがその説明は?

 

 

T-800が人間同様に表面的に外見が老化してしまっている件については、ジェームズ・キャメロンのインタビュー記事にその答えとして、そもそもの『ターミネーター』の当時より、皮膚組織などは老化する設定になっていたと述べていますが、劇中では一切そう言った説明が皆無なのも如何なものかとも思われ、いろいろ「?」な部分や箇所が多くあり、その点でも、やっぱり設定上かなり無理があるのかなと思ったりもさせられましたね。

 

 

とは言え、冒頭のカーチェイスや、サラ・コナーとT-800の共闘、そして何と言っても、マッケンジー・ディヴィス演じるソルジャー強化型兵士のグレースの活躍するアクションが凄かったですね!!!

 

ただ、結局、最新型ターミネーターREV-9を最終的に倒す方法は、『ターミネーター4』の模倣っぽいし、タイムパラドックス、そして複数線上に進む可能性がある時間軸の未来があり、スカイネット計画による2020年代のターミネーターと、人類サイドの2040年代ターミネーターとが、それぞれ違う未来から来るという展開は、『ターミネーター4』『新起動:ジェニシス』などから拝借しているかの様でもあったし、目新しさはあまり感じられなかったですね。

 

 

冒頭のアクション、カーチェイスシーンには「ターミネーター」シリーズに有ったようなスリリングな展開で緊張感ある出だしだったので、かなりの期待感を持ちましたが、やはり『T2』から約28年も経過している為か、お話しの展開上に無理が生じてきているのは確かでしたよね。

 

結局のところ、あの名作『T2』の完成度が高過ぎるが故に、何をやっても前作の焼き直しにしか見えず、見劣りするのもやむなし、という気がしますね。

 

マンネリワンパターンな作風の好きな日本人ならともかく、世界的には「なかなか死なない不気味な戦闘マシンが襲ってくる」という事自体に、もう飽きたと思う人も多いのではないかとも思われます。

 

やはり、あの不朽の名作『T2』の4DX3D字幕版上映を一度でも体感したら、いくらその続編としてアクション面で頑張ったとしても、生半可な取って付けた様な続編としか感じられないですね。

 

ジェームズ・キャメロンが製作・監修を買って出た本作でも、興行収入的にも、本国アメリカでは全く奮っていない事からすれば、今回も、キャメロンによる新三部作の予定だったらしいですが、計画も自ずと頓挫してしまうのも致し方ないのかも知れないですね(汗)。

 

 

私的な評価としましては、

あの不朽の名作『ターミネーター』『T2』の完成度が高過ぎるが故に、何をやっても焼き直しにしか見えず、見劣りするのもやむなし、という気がしますね。

正統なる続編とは何ぞや?って感じでしたし。

あくまでもスピンオフ的作品としてみるならば一級品かもしれないですが、もはや『T2』の続編として観るならば必要性もないかと思い直しましたね。

あえて評価するならば、今作は、2年前に急逝された『スター・ウォーズ』シリーズのレイア姫役だった故キャリー・フィッシャーと同い年のリンダ・ハミルトンが参戦し、未だ未だ現役とばかりに奮闘している貫禄の姿を観られただけで御の字だった作品なのかも知れないですね。

 

従いまして、五つ星評価的にはスピンオフ的映画として観ても、三つ星半評価の★★★☆(70点)の「あともう少しで高評価」とする微妙な採点評価とさせて頂きました次第です。

 

●『ターミネーター:ニュー・フェイト』本予告

 

 

 

※因みに、一昨年に体感した『ターミネーター2・3D』4DX上映は五つ星評価的にも★★★★★(100点)の満点評価が相応しい作品でした。

 

 

 

●『ターミネーター2・3D』予告編 ロングバージョン

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

今回も最後までブログ記事をお読み下さり誠に有り難うございました。

11月8日(金)公開の映画の中から何を観ようかと迷ったのですが、SF映画の『ターミネーター:ニューフェイト』については、公開してからも未だ観客も多くて、直ぐに上映終了になるような事もないだろうと思い、むしろ、映画の作品チラシ自体も置いていなくて、また予告編も劇場でほとんど上映していなかった、フィンセント・ファン・ゴッホの伝記的映画の本作が、もしや早くにも上映回数が極端に減少してしまうのではないかと危惧をして、取り急ぎ、この『永遠の門 ゴッホの見た未来』を、滋賀県草津市のイオンシネマ草津までクルマに乗って、公開初日の11月8日(金)に鑑賞に、美術にも造詣が深い、私の年老いた父親と共に出向いて来ました。

 

私としては、ウィレム・デフォーが本年度・第91回アカデミー賞主演男優賞にノミネートされるほどの熱演ぶりだったという事を、惜しくもオスカーの受賞は逃してしまいましたが、本年度の2月25日に開催されたアカデミー賞で知り、また昨年度(2018年)の第75回ヴェネチア国際映画祭で最優秀男優賞を受賞していた事からも、早く観たかった映画でしたが、今年の首都圏での「ゴッホ展」の開催時期と公開時期を比較的近い時期に併せようとしたためか、ヴェネチア国際映画祭から約1年を要してのようやくの日本公開で、待ち焦がれていた作品でした。

 

 

「ゴッホの半生を通して、画家が何故絵を描くのかという命題に迫った哲学的作品。(19.11/8・2D字幕)」

ジャンル:人間ドラマ

原題:AT ETERNITY'S GATE

製作年/国:2018年/イギリス=フランス=アメリカ合作

配給:ギャガ=松竹

公式サイト:https://gaga.ne.jp/gogh/

上映時間:111分

上映区分:一般(G)

公開日:2019年11月8日(金)

監督:ジュリアン・シュナーベル

キャスト:

ウィレム・デフォー、ルパート・フレンド、オスカー・アイザック、マッツ・ミケルセン、マチュー・アマルリック、エマニュエル・セニエ、アンヌ・コンシニ、ウラジミール・コンシニ、ロリータ・シャマ、ディディエ・ジャール ほか

 

 

【解説】

「潜水服は蝶の夢を見る」「夜になるまえに」のジュリアン・シュナーベル監督が画家フィンセント・ファン・ゴッホを描き、2018年・第75回ベネチア国際映画祭コンペティション部門で、ゴッホ役を演じた主演ウィレム・デフォーが男優賞を受賞した伝記ドラマ。

画家としてパリで全く評価されないゴッホは、出会ったばかりの画家ゴーギャンの助言に従い南仏のアルルにやってくるが、地元の人々との間にはトラブルが生じるなど孤独な日々が続く。

やがて弟テオの手引きもあり、待ち望んでいたゴーギャンがアルルを訪れ、ゴッホはゴーギャンと共同生活をしながら創作活動にのめりこんでいく。

しかし、その日々も長くは続かず……。

 

作品が世に理解されずとも筆を握り続けた不器用な生き方を通して、多くの名画を残した天才画家が人生に何を見つめていたのかを描き出していく。

 

ゴッホ役のデフォーのほか、ゴーギャンをオスカー・アイザック、生涯の理解者でもあった弟テオをルパート・フレンドが演じるほか、マッツ・ミケルセン、マチュー・アマルリックら豪華キャストが共演。

 

(以上、映画.comより、引用抜粋。)

 

 

 

今作を観た感想を端的に申しますと、

ゴッホの半生を追った伝記映画の様な体裁を採ってはいるものの、画家という生業の存在意義、また画家は何故絵を描くのかといった命題に迫った哲学的な作品であって、「潜水服は蝶の夢を見る」でも知られるジュリアン・シュナーベル監督は、自身が現代美術画家でもあることからも、ウィレム・デフォー演じるゴッホにその答えを代弁させている作品とも言えるとも感じました。

 

 

 

ゴッホの晩年、ゴーギャンからの「君は南へ行け!」とのアドバイスに従って、南フランスのアルル地方に移り住み、自然の中で絵を描く喜びに溢れる日々が描かれます。

 

 

その後、仲間のポール・ゴーギャン(オスカー・アイザック)と共同生活を始め、芸術論を闘わせるのですが、やがて決裂し、ゴッホは精神の均衡を崩していくのでした。

 

 

どこまでもライ麦畑が広がり、木々がざわめき、太陽の強い光が世界を輝かせる。この天才画家ゴッホを魅了したアルルの自然がスクリーンに映し出されると、その画面自体がそのまま風景を切り取った絵の様でもあり、ここに画家としてのシュナーベル監督の感性も生かされているとも言える出来映えでした。

 

 

その中で、ひげ面で帽子をかぶり、画材を背負った30代のゴッホに、撮影当時、御年63歳のウィレム・デフォーが、まったく年齢差を感じさせずに、なりきっていました。

 

 

外見のみならず、シュナーベル監督の指導を仰いで、映画の中でも、デフォー自身が絵を描いており、例えば、「1足の靴」の絵を描くシーンでは、キャンバスに絵の具を置くように、色を積み重ねていくといった、ゴッホの独特なタッチを見事に再現。

 

 

また、あくまでもゴッホの主眼で見た主観ショットを、ゴッホの感受性というフィルターを通したものとして見せるべく、遠近両用サングラスに着想を得た、映像の半分がノーマルで、半分が磨りガラスの様な曇った様に映し出されるレンズ(スプリット・ディオプター)といった遠近両用のレンズも使用されるといった工夫も見られました。

 

 

但しながら、この遠近両用のレンズの採用や手持ちカメラによる歩行撮影などの手ブレにより、私は大丈夫でしたが、おそらく三半規管などが弱い人は画面に酔ってしまうかもしれないといった、謂わば、諸刃の剣的な撮影手法でもありました。

 

 

アルルでの下宿先のオーナーのジヌー夫人には「自分を忘れるために外に出て絵を描いている」と語るゴッホ。

風景の中にいる時、彼は幸せであり、絵を描く悦楽にただ身を委ね、その中で自分にしか見えないもの、光を捉え再現する。

空を突き刺す糸杉、黒い雲のうねり、夜空に輝く月や星など、ゴッホが見ていた世界が観客に呈示されていくのでした。

 

 

そうした自然相手やキャンバスに向かう時は穏やかなゴッホの内面が、ときに周囲の人々により掻き乱されてしまう。

デフォーのゴッホは英語を話し、周囲の人々も英語なのですが、たとえば、村の子供たちに描いた絵を批判される時、モデルになって欲しいと頼んだ女性に拒否される際などには、急にフランス語での会話に変わってしまう。

これも気持ちが通じないことを端的に、象徴的に示した演出のひとつでした。

 

 

絵も評価されず、周囲にも受け容れられることも無く、ただ途方に暮れる。

人生に疲れ、瞳の力にも精細を欠いてしまう不遇の天才画家になりきった、ウィレム・デフォーは、昨年度(2018年)の第75回ヴェネチア国際映画祭で最優秀男優賞を受賞。

外見だけでなく、フィンセント・ファン・ゴッホそのものとも思える様な演技にはその受賞も頷けました。

 

▲聖職者(マッツ・ミケルセン)

 

終盤、治療院にて「なぜ絵を描き続けるのか?」と問い詰める聖職者(マッツ・ミケルセン)に対して、当初は無名だったキリストをたとえに挙げて、「未来」への希望を語るのでした。

それは同時にゴッホ自身の現状の絶望の深さであり、ジュリアン・シュナーベル監督の願望でもあるのでしょう。

 

▲フィンセント・ファン・ゴッホ(ウィレム・デフォー)

 

この聖職者役のマッツ・ミケルセンとウィレム・デフォー演じるゴッホとの哲学的、宗教的、心理学的な観点からなされるこの対話こそが、シュナーベル監督の脚本における、最も大切な要素であり、謂わばエッセンスとも言える、「なぜ絵を描くのか?」といった画家の存在意義、命題を表現した演出と言えるかと思いました。

 

 

画商をする弟テオ(ルパート・フレンド)とゴッホとの仲睦まじさや、あくまでも、そのテオからのお金の融通によるものかも知れないですが、ポール・ゴーギャン(オスカー・アイザック)が唯一心を通わせてくれてアルルで共同生活を送ってくれていたまでは理解出来たのですが、ゴーギャンとの絵画に対する考え方の確執などから、あの有名な「耳切り裂き事件」を起こす背景や真相については、シュナーベル監督は、理解不能で分からないことは分からないとして、あえて深く触れない点は、それはそれで良かったと思います。

 

 

ただ、総勢125名の画家によって描かれた6万2450枚に及ぶ動く油絵によって描かれた『ゴッホ~最期の手紙~』(2017年)でもそうでしたが、この映画でもゴッホの自殺説を疑問視するというより、むしろ全く否定し他殺説を採用している点は、ゴッホの最期については、現在はこれが定説になっているのかと再認識しましたし、ゴッホに対し、今作で、キリストの名前を、比喩的に出すのも理解出来ました。

 

 

2016年にジヌー夫人から貰った白紙の帳簿に描いたゴッホのデッサンが多数見付かったりと、再発見も多いゴッホですが、存命中には、批評家からも認められることなく、絵が全く売れなかった「ゴッホの見た未来」とは・・・。という意味合いの副題だったのかも知れないですね(汗)。

 

 

私的な評価としましては、

フィンセント・ファン・ゴッホの後半生を追った伝記的映画の体裁を採ってはいるものの、画家という生業の存在意義、また画家は何故絵を描くのかといった命題に迫った哲学的な作品であって、ジュリアン・シュナーベル監督は、自身が現代美術画家でもあることからも、ウィレム・デフォー演じるゴッホにその答えを代弁させている作品ではありました。

 

しかしながら、フィンセント・ファン・ゴッホへのウィレム・デフォーによるなりきり度合いは、外見に止まらず、デフォー自身がゴッホの様なタッチで絵筆をとる場面からしても、最早その内面もがゴッホと化しているかの様で、彼の言葉が、あたかもゴッホ自身の言葉の様に思えてくるほどの圧巻ぶりでしたので、第75回ヴェネチア国際映画祭での最優秀男優賞を受賞も頷けましたし、数あるゴッホ映画の中でも、デフォーの演じたゴッホは、群を抜いて激似なゴッホ像ではなかったかとも思えたりもしました。

 

▲ポール・ゴーギャン(オスカー・アイザック)

 

あくまでも、ゴッホの純然たる伝記映画とは異なるとは言え、彼の後半生を通して、「画家とは?」「なぜ絵を描くのか?」といった画家という者の存在意義、その命題を呈示させたにせよ、ゴッホの生き様の新解釈としても良く出来た作品ではありました。

 

▲ポール・ガシェ医師(マチュー・アマルリック)

 

ただ、映画全体としては、美しい映像美ではあったのですが、あいにく、エンタメ性もなくドラマチックな展開もほぼ無く進行し、映画を彩る劇伴も、ピアノやヴァイオリンによるソロ演奏のみでしたので、終盤になるまで、鑑賞中には、かなり眠気が襲ってきたのも事実で、あまり面白味もないのが、正直な感想でした。

 

従いまして、映画の芸術性が強調されるあまりに、映画としての娯楽性がなおざりにされていたようにも感じられましたので、それらを勘案し、五つ星評価的には三つ星半の★★★☆(70点)の「あともう少しで高評価」とする採点評価とさせて頂きました次第です。

 

※あくまでも個人的には、娯楽性を加味したミステリー仕立ての、動く油絵のアニメ『ゴッホ~最期の手紙~』(2017年)の方が映画としても面白さはありましたね。

 

▲『永遠の門・ゴッホの見た未来』劇場パンフレット(定価:910円+税)。

1.000円もしますが、内容的には約50ページにも亘る詳細な資料や寄稿文が収録されています。

このパンフレットを読むだけでも、この映画、そして、天才画家フィンセント・ファン・ゴッホ。また、ジュリアン・シュナーベル監督について、更に深く知ることが出来る資料となっているかと思います。

 

 

 

●映画『永遠の門・ゴッホの見た未来』本予告

 

 


 

 

 

 

 

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今回も最後までブログ記事をお読み下さり誠に有り難うございました。

一昨年に、大ヒットした前作の『IT/イット “それ”が見えたら、終わり。』(2017年)は、当時にその評判を聴くと、それほど怖くないホラー映画で、むしろ『スタンド・バイ・ミー』的な少年少女たちの成長譚を描いた青春映画の趣が強い作品というTwitterはじめSNSなどでの多くの人の声を信じて、当時交際していた彼女と一緒に劇場鑑賞に行きましたが、欧米の映画にありがちな、急な大きな効果音や、いきなり飛び出してくるなどお化け屋敷風のホラー映画で、心理的な怖さによる演出が弱かったので、そんなにも怖くなくホラー映画と言うよりも、どちらかといえば、裏スタンドバイミーともいうべき、ジュブナイル的映画として楽しむことが出来たのでした。

 

(※尚、前作の『IT/イット』(2017年)についての当時の私の感想を書いたブログ記事が検索しても見当たらないので、当時はTwitterのみでブログ記事としては、ちゃんと感想を書き残していない模様です。この度も、いい加減で、申し訳ありません。)

 

そして今回の続編であり完結編の公開に際し、流石に、今回の続編は映画では大人になったルーザーズクラブの面々を対象にするのだから、かなり怖いのだろうと思い、本格的なホラー映画は大の苦手なので観に行くのを躊躇っていましたが、ぴあ株式会社×auのuP!!!ライブパスという有料アプリの懸賞に応募していたところ、今作のムビチケのペア2枚分に見事に当選!!!

タダで観られるのであれば、もしも仮に、もの凄く怖ければ途中で退場して鑑賞を切り上げれば良いと思い、私も、公開初日の11月1日(金)に滋賀県草津市のイオンシネマ草津まで、年老いた父親と共にクルマで劇場鑑賞に出向いて来ました。

 

 

 

ぴあ株式会社内・uP!!!ライブパス御中

 

拝啓、貴社ますますご清栄のこととお慶び申し上げます。

この度は『IT/イットTHE END』のムビチケを当選させて下さり誠に有り難うございました。

貴重な懸賞品のムビチケは早速にも有効に遣わせて頂きました。

今後ともどうか宜しくお願い申し上げます。  敬具

                               

 

 

 

「前作より更に怖くないぞ!ホラー映画と言うよりも、むしろSF映画のクリーチャーのオマージュ作品か?(19.11/1・2D字幕)」

ジャンル:ホラー

原題:IT:CHAPTER TWO

製作年/国:2019年/アメリカ

配給:ワーナー・ブラザース映画

公式サイト:http://wwws.warnerbros.co.jp/itthemovie/

上映時間:169分

上映区分:R15+

公開日:2019年11月1日(金)

監督:アンディ・ムスキエティ

キャスト:

ビル・スカルスガルド、ジェームズ・マカヴォイ、ジェシカ・チャスティン、ビル・ヘイダー、イザイア・ムスタファ、ジェイ・ライアン、ジェームズ・ランソン、アンディ・ビーン、ジェイデン・マーテル、ワイアット・オレフ、ジャック・ディラン・グレイザー、フィン・ウォルフハード、ソフィア・リリス、チョーズン・ジェイコブズ、ジェレミー・レイ・テイラー ほか

 

 

 

▲「HELLO KITTY」ヴァージョンのポスター

 

【解説】

スティーブン・キングの小説「IT」を映画化し、世界各国で大ヒットを飛ばしたホラー「IT イット “それ”が見えたら、終わり。」の続編にして完結編。

前作から27年後を舞台に、ビル、ベバリーら大人になった「ルーザーズ・クラブ」の面々が、再び「それ」と対峙するさまを描く。

小さな田舎町で再び連続児童失踪事件が起こり、「COME HOME COME HOME(帰っておいで……)」という、「それ」からの不穏なメッセージが届く。

幼少時代に「それ」の恐怖から生き延びたルーザーズ・クラブの仲間たちは、27年前に誓った約束を果たすため、町に戻ることを決意するが……。

大人になったルーザーズ・クラブの面々を演じるのは、ビル役のジェームズ・マカボイ、ベバリー役のジェシカ・チェステインら。

 

監督は、前作から引き続きアンディ・ムスキエティが務めた。

脚本も、人気ホラー「死霊館」シリーズも手がけるゲイリー・ドーベルマンが続投。

 

(以上、映画.comより、引用抜粋。)

 

 

 

 

舞台は前作の1989年から27年後、2016年のメイン州の片田舎にある小さな街デリー。

 

 

かつての6人の少年と1人の少女は、マイクを除いてデリーの街を去り、IT(それ)との悪夢のような闘いを忘れてそれぞれの生活を送っていました。

 

ところが、デリーでは再び連続殺人事件が起きており、マイクの声がけにより、かつてのルーザーズクラブの面々が27年振りに再会を果たすのでしたが・・・。

 

 

前作の第1章では、未だ少年少女だった彼らもこの第2章ではミドル世代に差し掛かっています。

そしてルーザーズクラブの仲間たちは各地でそれぞれのある程度成功した生活を送っているのでした。

 

 

不思議なことに、ただ独りデリーの街に残ったマイク以外のメンバーは、最恐ピエロ・ペニーワイズとの闘いの記憶がなくなっていて、但し、その恐怖感だけはキッチリと脳裏に刻まれているのでした。

その恐怖心の為にデリーに来られなかったメンバーもいるのでした。

 

 

最恐ピエロ・ペニーワイズからの呪縛を解くための第1段階としてデリーに集められた面々は、第2段階として過去を思い出し、想い出の品を集めることになるのですが、その為、前作の第1章での子供たちが再登場するシーンが多いのですが、これは原作既読者のAmebaブログの映画ブロガーのトシさんのブログ記事によりますと、原作小説では、映画の様に「子供時代」「大人時代」と明確に2つの「章」立ててドラマが進行するのではなく、両時代を行ったり来たりしながらお話しが進んでいくらしく、その点では、今作の第2章では、大人になったルーザーズクラブの一人ひとりのドラマパートの中に、それぞれの配役が子供時代を回想するシーンが挿入されていることから、原作小説の持つ面白さに近いものを感じさせられるらしく、これは前作の第1章で、しっかりと彼らの少年少女時代が描かれていたからこそで、併せて鑑賞するとなかなか良く出来た映画になっているとの事でした。

 

 

即ち、逆説的に言えば、今回の完結編は、前作の第1章の『IT/イット “それ”が見えたら、終わり。』(2017年)を観ている事が大前提となる続編映画とも言え、その為、今作が初見の観客の為のサービス精神なのか、過去を行ったり来たりして個々人のトラウマと向き合っていく過程をイヤと言うほど、やや説明過多気味ともとれるほど回想シーンを挿入しているからか、上映時間が169分と、こんなにも長くなるのも致し方なかったのでしょうね。

 

 

あの「子供時代」に着目して描いた前作を超えるのはやはり難しいですよね。

何と言っても、子供たちが最恐ピエロと闘うのが良かったのでしたが、今回の第2章は、大人対最恐ピエロだから、観客のこちらも違う意味合いで、一体どんな風に怖がらせてくれるのかと期待を膨らませました。

 

 

ですが、蓋を開けてみると、『遊星からの物体X』など、多くのSF映画に登場するクリーチャーのオマージュっぽい化身のよる、全般的に、気味の悪さや突然の効果音で驚かせて見せるホラー映画になってしまっていて、ほぼ全く心理的な怖さで見せる演出が少なく、ホラー映画なのに、前作以上に全く怖くない作風で、ホラー映画にあまり耐性のない私でも全く動じないくらいに大丈夫でした(笑)。

 

 

 

ホラー要素は未だしも、友情、笑い、愛情など色んな要素が詰まっていて、差し詰め、幼馴染みが集まるというくだりは、邦画の『20世紀少年』3部作の様な趣もありましたね。

 

 

 

キャスティングは前作の第1章の世界的な大ヒットを受けて、何気に豪華。

 

 

ジェームズ・マカヴォイもトラウマを抱える吃音気味のビルの役柄をそつなくこなしていましたし、大人になって、少年時代の自転車に乗るシーンが滑稽でいて、それで格好良く面白かったでしたね。

 

 

ジェシカ・チャスティンも少女時代のベバリーから比べると顔付きが細面で全く違うのでミスキャストかなとも思えたのですが、DVの夫から逃げ出すようにデリーに舞い戻ったベバリー役を見事に演じ切っていましたね。思わず、ジェシカ・チャスティンの胸元には熟女萌えでした(笑)。

 

それにしても、子供時代の心の傷やトラウマに向き合う中盤では、熱烈なポエムをくれてキスまでした男の子を間違えて記憶しているなんて!違う意味合いで、怖かったですね(汗)。

 

 

ビル・スカルスガルドが目玉をグルグルしながら楽しそう最恐ピエロのペニーワイズを演じているのは前作同様でしたが、今作でその正体そのものが土着信仰と結びつける説明からは、何故、ピエロと化すのか?何故、27年毎に現れるのか?とかなど、今作で「すべての謎が明らかになる、完結編」と謳いながらも、それら疑問点を全くの説明不問とされて、結局なおざりにされてしまった事柄が多く、釈然としない点も多かったのは確かでした。

 

結局、最恐ピエロのペニーワイズって何者だったのかよく分からないままになってしまったままでした。

 

 

 

 

また、キャスティング面で、誰もが、当初、この人は一体誰の役?と驚かされたのは、あのデブっちょだったベンが成長して、こんなにもイケメンのマッチョで事業でも青年実業家として大成功している役柄っていうのにビックリしたのではないでしょうか?

 

 

但しながらも、私的にも前作の第1章の少年少女時代の吃音のビルとデブっちょのベンと紅一点のベバリーの三角関係が気を揉んでいたのですが、今作では、彼らのその後を見届けられただけでも良かったですね!!!

 

 

終盤は、前作にも増して、遊園地のお化け屋敷の趣。

少年少女たちのひと夏の冒険といった、同じスティーヴン・キング原作の『スタンド・バイ・ミー』を彷彿させた、ノスタルジックな味わいはかなり乏しくなってしまっていました。

 

 

一方で、気持ち悪い生き物や化け物の化身が沢山出てくるので、そういった物で怖く感じる御方々には、お化け屋敷度はかなりアップしたかもしれないですが、見た目の怖さや気味の悪さよりも、心理的に怖い演出を施してくれていれば、怪奇現象などが怖い私もかなり衝撃を受けたかも知れないですが、今作は前作よりも更に怖くなく全く大丈夫でした(笑)。

 

また、今作では、何だか、ドラン監督に似てる俳優さんだなぁと思っていたら、あのカナダを代表する新進気鋭の青年監督グザヴィエ・ドランが、今作の冒頭からいきなり、理不尽に暴力を受けるゲイの2人の青年役のうちの1人でカメオ出演していました。

 

何にせよ、鑑賞される際には、兎に角、2時間49分。おそらく劇場CMや予告編を含めると約3時間も超える長尺なホラー映画ですので、鑑賞前にはきちんとトイレに行っておきましょう。

そして、前作の第1章である、『IT/イット “それ”が見えたら、終わり。』(2017年)を観てから今作の第2章を鑑賞すれば理解度も深まり、より面白く観ることが出来ることかと思われます。

 

ちょうど今週末11月8日(金)の日テレ系列の金曜ロードshowで前作の第1章を地上波放送してくれるらしいのでその機会に観るのも良いでしょうね。

 

私的な評価としましては、

ホラー映画として観れば、私は全く怖くもなかったので、厳しい評価にもなってしまうのですが、青春映画と捉えると、なかなか良く出来た映画にもなっていたと思います。

ただ、前作の第1章に比べて、少年少女たちのひと夏の冒険といった、同じスティーヴン・キング原作の『スタンド・バイ・ミー』を彷彿させた、ノスタルジックな味わいはかなり乏しくなってしまっていたのが残念でしたので、五つ星評価的には三つ星半評価の★★★☆(70点)くらいが相応しい作品かと思いました次第です。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

●映画『IT イットTHE END』本予告

 

 

●1分でわかる!映画『IT/イット THE END』を観る前に 2019年11月1日(金)公開

 

 

 

▲イオンシネマでは、前作のパンフレットも同時販売中でした(^^)v

 

 

 

 

 

 

 

今回も最後までブログ記事をお読み下さり誠に有り難うございました。