『Vision』(2018年) #河瀨直美監督 #ジュリエット・ビノシュ #永瀬正敏 #岩田剛典 | HALUの映画鑑賞ライフのBlog

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今更ながらですが、母親を病院までガン治療の送迎にクルマで連れて行く合間に、今作『Vision』の6月8日(金)の公開初日には、あのフランスの大女優ジュリエット・ビノシュも登壇予定の舞台挨拶付き上映会の方は、奈良県との県境にほど近いイオンシネマ高の原での実施でしたので、折角の機会でしたが行くのが無理なので諦めていましたが、京都市内の中でも、河瀨直美監督&永瀬正敏さん両名のみの舞台挨拶付き上映会が、丁度、京都駅南口のイオンモールKYOTOのTジョイ京都でも急遽企画されているらしいとの情報を得ましたので、この河瀨直美監督&永瀬正敏さん主演のこのコンビの映画は『あん』(2015年)、『光』(2017年)共に感動を呼ぶ作品でしたので、今回もそういった映画と思ってこの舞台挨拶付き上映会での鑑賞に臨みました。

 

 

「悪い方の河瀨直美節が炸裂した観念的な作品(18.6/8・河瀨直美監督&永瀬正敏さん舞台挨拶付き上映会)」

ジャンル:人間ドラマ

製作年/国:2018年/日本=フランス

配給:LDH PICTURES

公式サイト:http://vision-movie.jp/

上映時間:110分

公開日:2018年6月8日(金)

監督:河瀨直美

キャスト:

ジュリエット・ビノシュ、永瀬正敏、岩田剛典、美波、森山未來、白川和子、ジジ・ぶぅ、田中珉、夏木マリ

 

PG12

 

 

 

【解説】

河瀬直美監督が永瀬正敏とフランスの名女優ジュリエット・ビノシュを主演に迎え、生まれ故郷である奈良県でオールロケを敢行したヒューマンドラマ。

フランスの女性エッセイストで、世界中をめぐり紀行文を執筆しているジャンヌは、あるリサーチのために奈良の吉野を訪れ、山間に暮らす山守の男・智と出会う。

智は、山で自然とともに暮らす老女アキからジャンヌとの出会いを予言されていたが、その言葉通りに出会った2人は、文化や言葉の壁を超えて次第に心を通わせ、さらに山に生きる者たちとの運命が予期せぬ形で交錯していく。

ジャンヌ役をビノシュ、山守の男・智役を永瀬が演じるほか、岩田剛典、美波、森山未來、田中泯、夏木マリらが出演。

 

(以上、映画.comより、引用抜粋。)

 

 

観終わっての、率直な感想を述べますと、私的には「ダメだこりゃ(苦笑)」。

従来の映画作りに原点回帰されたのか、悪い方の河瀨直美節炸裂の独特な世界観の、ある種のファンタジー映画の様でしたが、正直、この映画を心底理解出来た様な素振りは出来ないので、観念的なお話し過ぎて私の頭ではかなり難解過ぎて意味不明でしたし、好き嫌いなど好みがすごく分かれる作品ではないかと思われました。

 

 

ストーリーがあまり説明的ではないというか雑すぎるくらいでしたし、おそらく河瀨直美監督が意図する演出とは異なっていたり、或いは、中途半端で断片的な説明がキーワード的に語られるのみなので、この河瀨直美監督の独特な世界観に入っていけるかどうかで評価が大きく変わってしまう作品かも知れないですね。

 

 

 

河瀨直美監督の意図する演出と異なっているかと感じたのは、例えば、原生林を意識してあえて吉野の自然を映していたという意図だったと思われますが、監督は勘違いしていたのかも知れないですが、現実的には奈良の吉野の山林は人の手の掛かった植栽林なので原生林とは異なります。なので、その地にわざわざ伝説の薬草を探しに訪れるというのはファンタジーにしても、そもそも違和感があるだろうし、決して吉野の山々でないとダメな理由がないなど。

 

 

お話しの流れ的には、

フランス人の女性エッセイストのジャンヌ(ジュリエット・ビノシュ)は、世界中を旅しながら紀行文を書いていました。

 

 

彼女は、<Vision>と呼ばれる傷付いた心を癒やしてくれる効果のあるという伝説の薬草を探して、花(美波さん)を案内役に、吉野の山を訪れる。

 

 

そこで、山守をしているという智<トモ>(永瀬正敏さん)に出会い、しばらくの間、彼の家に泊めてもらうことになります。

智はコウという白い犬を飼っていて、山に分け入る時はいつも一緒。

 

 

近所には、アキ(夏木マリさん)という盲目の老女が住んでいて、薬草にも詳しく、智とは懇意にしていました。

アキは、<Vision>という伝説の薬草が約1.000年毎に胞子を放出することも知っている様子で、どうやらジャンヌとアキが出会うシーン自体も、いわくありげ。

 

 

アキという、あたかもシャーマンの様な不思議な存在。

彼女のその存在自体がある種大自然の象徴かのようでもありましたね。

 

 

また、よく解らないのですが、数学でいうところの<素数>が断片的なキーワードとして語られていました。

素数ゼミ(素数である13年間土の中に居る13年ゼミや17年ゼミなど)の話をジャンヌが語る中で、<Vision>も、997年毎(これも素数)に胞子を放出して再生するという。

もしや河瀨直美監督は、真剣に<素数>をあたかも生物や生態系にとって重要な意味ある数字として本当に捉えておられているのだろうか?といった疑問も湧きましたね。

 

 

 

ジャンヌが<Vision>という伝説の薬草を探して吉野を訪れた理由、またアキの行動とジャンヌとの関係、鈴<リン>(岩田剛典さん)の登場以降後半になるにつれ次々と断片的な説明がキーワード的に加えられて行くのですが、それでも尚、ストーリー的には、かなり消化不良的な印象は拭えなかったですね。

 

 

 

肝心の河瀨直美監督のこの作品に込めたメッセージはと言えば、

奈良の奥深い吉野の森林を舞台にしたお話しと自然を捉えた神秘的な素晴らしい映像と共に、生物の進化、破壊と再生の<Vision>というよりも、むしろ<Image>といった感のものとに重ね合わせていた様ですが、私個人的には、難解な観念的な映画よりも解り易い作品が好みなので、吉野の四季折々の自然を捉えた映像美には圧倒され心癒やされる部分はあったものの、例えば、アキ(夏木マリさん)や岳(森山未來さん)が、森の中で、突然、恍惚の表情を浮かべて踊り狂い出す場面など、あまりにも独り善がりな観念的な演出には「?」マークの連続でしかなかったですね。

 

 

 

 

 

私的な評価と致しましては、

この作品の前の永瀬正敏さん主演の河瀨直美監督の2作品の『あん』(2015年)、『光』(2017年)が2作品続けて、非常に解り易い作風で感動的な作品だっただけに、今回、またもや原点回帰なされたのか観念的で非常に解り辛い、ある意味悪い方の河瀨直美ワールドが炸裂した本作品は、役者さん達の演技と世界観や吉野の山々の映像美や、また女性監督らしいと思えるほどに、セックスシーンをはじめ、ジュリエット・ビノシュを美しく撮った画にはなかなか惹き付けられたものの、鑑賞後もモヤモヤと様々な疑問が残ってしまったので、点数はかなり低めとなりました。

映画配給元のLDHピクチャーズのEXILEや三代目JSBなどから代表する形で、岩田剛典さんが出演していましたが、岩ちゃんのファンの御方々には申し訳ありませんが、五つ星評価的には★★★☆(70点)の三つ星半の評価くらいとさせて頂きました。

 

観る人を選ぶ映画の様でもあり、決して万人受けする作品ではないので、オススメはし難い面もある観念的な作風の映画でした。

 

●映画『Vision』特報

 

 

●映画『Vision』予告②【ユナイテッド・シネマ限定】

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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今回も最後までブログ記事をお読み下さり誠に有り難うございました。