『いぬやしき』(2018年) #イオンシネマ草津 #木梨憲武 #佐藤健 #佐藤信介監督 | HALUの映画鑑賞ライフのBlog

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~映画鑑賞雑記帳 &京都・滋賀の季節の歳時記 & 読書などのお気儘ライフ~

先週5/16(水)は、通院の日でしたので、朝イチから診察の順番を取りに行きましたが、思いの外、早く診察が終わったので、そのままクルマに乗ってその足で、滋賀県草津市のイオンシネマ草津まで直行し、いま話題の邦画『いぬやしき』の鑑賞に赴きました。

 

今回も、おひとり様鑑賞にて劇場鑑賞しましたが、この日もお昼前からの上映といった開映時間がかなり中途半端だったためか観客は疎ら。でも、そんな中途半端な時間帯の上映回であるにも拘わらず、話題作だからなのか、そこそこ観客も入場しておられました。

 

 

 

「バンッ!バンッ!バンッ!(18.5/16・2D)」

ジャンル:SFアクション

製作年/国:2018年/日本

配給:東宝

公式サイト:http://inuyashiki-movie.com/

上映時間:127分

監督:佐藤信介

キャスト:

木梨憲武、佐藤健、本郷奏多、二階堂ふみ、三吉彩花、生瀬勝久、濱田マリ、斉藤由貴、伊勢谷友介 ほか

 

 

【解説】

「GANTZ」の奥浩哉による人気コミックで、テレビアニメ化もされた「いぬやしき」を、木梨憲武&佐藤健主演、「GANTZ」につづき奥作品の実写化を手がける佐藤信介のメガホンで映画化。

会社や家族から疎外されている、定年を目前に控えた初老のサラリーマン・犬屋敷壱郎。医者から末期がんによる余命宣告を受け、虚無感に襲われた犬屋敷は謎の事故に巻き込まれ、機械の体に生まれ変わる。

犬屋敷と同じ事故に遭った高校生の獅子神皓も犬屋敷と同様に人間を超越した力を手に入れていた。

自分に背く人々を傷つけるためにその力を行使する獅子神。

獅子神によって傷つけられた人たちを救うためにその力を使う犬屋敷。強大な力を手に入れた2人の男たちのそれぞれの思いが激しく交錯していく。

犬屋敷役を木梨、獅子神役を佐藤が演じるほか、伊勢谷友介、斉藤由貴、本郷奏多、二階堂ふみらが出演。

 

(以上、映画.comより、引用抜粋。)

 

 

奥浩哉さんの原作コミックは未読、TVアニメ版も未見ながら、あの『GANTZ』『アイアムアヒーロー』を撮られた佐藤信介が監督を務められたSFアクションの実写化作品と言うことで、この『いぬやしき』のVFX技術の凄さは、予告編で再三見せつけられていましたので、それ以上に今回の劇場鑑賞で、注目したのは、お話しの筋立てが実に簡素化させており、特にコレと言った説明臭い描写も極力省けるところは省き、全10巻に亘る原作コミックのお話しをすごく上手く端折る事により、僅か127分間の中に、シンプルに仕上げて収め上げた脚本が素晴らしかったでしたね。

 

今作と同じく以前の奥浩哉さん原作のSFアクション映画『GANTZ』の実写化の場合には、前編・後編との二部構成でしたので、それに比べると、今回の作品とは脚本の練り具合や削ぎ落とし方が雲泥の差でしたね。

 

 

人は並外れた凄い能力を手に入れてしまったら、一体何の為にその能力を使うのか。といった命題を突きつけているかの様な作品でした。

 

 

謎の事故により、初老のオジサン・犬屋敷壱郎(木梨憲武さん)と、高校生・獅子神皓(佐藤健さん)は、同時期に同じ様な力を手にするのでしたが、その使い途は両極端。心優しい犬屋敷は人の命を救うことに意義を見出すのですが、獅子神は、自らを<神>と呼び、無差別に人の命を奪う行為に走るのでした。

 

 

同じ様なパワーを得たはずなのに、その人の思考の方向性が、即ち、その能力の方向性も変えてしまうのが興味深かったですね。慈愛の心を抱けば救済者となり<奇跡のヒーロー>と呼ばれ、片や、憎悪を抱けば無差別殺人鬼となり<悪者>扱いされる。

そもそも相手を傷付ける気のない犬屋敷の場合には、攻撃するのが苦手という設定も面白かったです。

 

▲イジメで不登校中の<チョッコー>こと安堂直行(本郷奏多さん)

 

▲獅子神皓の事を愛する同級生・渡辺しおん(二階堂ふみさん)

 

ただ、説明描写を極力排するなど脚本がシンプルで良かった反面、各キャラクターの掘り下げが不十分になってしまい、例えば、獅子神皓は、自分の実母(斉藤由貴さん)や、今はイジメで不登校に陥っている幼馴染みの<チョッコー>こと安堂直行(本郷奏多さん)などの近親者だけは極力守ろうとするのですが、自分との繋がりが全く希薄な人間達には容赦なく牙を向けるといった無差別殺人鬼として殺人を繰り返すといった、後になって、渡辺しおん(二階堂ふみさん)が語るような、亡くなっていった人達にも、大切に思う人々がいるはずという視点が、獅子神には欠落している点など、特に、何故にアソコまで人の生き死に無頓着になれるのかが、その性格の二面性にはちょっと違和感を憶えましたね。

 

 

自分にしか関心のない人間による想像力の欠如、無頓着ほど恐ろしいものはないのですが、獅子神自身も、SNS上に集った匿名性をいいことにして身勝手な正義を振りかざしたネットリンチに遭い、失いたくないかけがえのないものを奪われる結果にも繋がるのでした。

 

獅子神の無頓着さと同じくらいにネットリンチを繰り返すなど劇中ムカつく輩達も相当な割合で次々と殺戮されていくのですが、それが爽快に感じてしまう自分も、また彼らと同類ではないかと思うと考えさせられる点も良く出来たお話しでした。

 

相手を批判するには、匿名性で守られたネットリンチではなく、先ずは、自らの素性を晒す覚悟が必要なのかも知れないですね。

 

▲犬屋敷壱郎(木梨憲武さん)とその娘・麻理(三吉彩花さん)

 

犬屋敷壱郎は、娘の麻理(三吉彩花さん)から、「今まで助けてもらったことなど一度もない」と言われて、ショックを受ける。

 

本作品は、そんな自分にとって大切な人を守る物語であるのですが、犬屋敷の場合には、それは自分の家族に限らない点で、獅子神は自らの近親者のみを守る。というその相違点が、両者の対立を生んでいるのでしょう。

 

 

この実写化映画では、その差を丁寧に描こうとしている点が好ましい。

会社員としても、父親としても失格の烙印を押されて苦悩する犬屋敷壱郎を、ノリさんこと木梨憲武さんは、相当時間を掛けたであろう老けメイクと気負いのない芝居で魅せてくれていました。

 

ノリさんこと木梨憲武さんに対して、折角の主演の初老のオジサンというか空飛ぶジジイ役の起用にも拘わらず、笑いのパートが少ないなどとの不満を漏らす意見も中にはあるようですが、この作品ではあくまでも役者としての木梨憲武さんを見て欲しいですね。

 

 

他方、獅子神皓として、若く肉体的にも見映えの良い佐藤健さんも、映画『亜人』の際に鍛え上げ、肉体改造を維持し、追い詰められながらも更なる狂気に走る若者の怖さを表現した、抑えた芝居が輝る。

 

 

同じ孤独感を抱きながらも、守るべきものの存在や、考え方ひとつで、こんなにも両極端になってしまう二人の境遇をシンプルに描いていて好感が持てました。

 

 

VFX技術の点についても、終盤のスピーディーな東京の新宿上空の空中戦は見応えがありましたし、東京大パニックの様相が本当の東京の高層ビル群を忠実に再現しているので、ハリウッド映画『パシフィック・リム:アップライジング』の描く東京の街の様な、<なんちゃって東京>ではない点も凄くリアルで臨場感が溢れており、流石に日本が誇る<白組>のVFX技術の凄さには目を瞠るものがありました。

 

 

原作コミックやTVアニメ版の愛好者などからのクチコミレビュー投稿では、手厳しい意見・評価が散見しているみたいですが、原作未読者の私からすると、よくぞ全10巻に亘る原作コミックを上手く端折ってシンプルな脚本に仕上げてくれたと、私見ですが、高く評価したいですね。

 

 

私的な評価と致しましては、

本作のヴイラン(悪役)でもある無差別殺人鬼として、その性格の二面性を持つ獅子神皓の人命に対する無頓着さが、やや理解し辛かったのですが、獅子神も大切なものを失った後の狂気の沙汰は半端なく、それ以降の獅子神の怒りや憎悪の念は私にも理解出来ました。

ただ、慈愛の念を抱いて人命の救済に奔走しようと図る犬屋敷壱郎の様に、この人命救助などによって、もしや父親の尊厳もささやかながらも復権したかなと自己満足しているのかも知れないですが、それであっても尚、やはり初老のオジサン・犬屋敷壱郎の方が共感し易かったですね。

 

 

奥浩哉さんの原作コミックやTVアニメ版の方は、この実写化作品と比べると、もっと高尚な理念を内包したお話しなのかも知れないですが、私は、単純に勧善懲悪的な構図がハッキリした、この映画も面白く観ることが出来ました。

また、日本が誇るVFX技術を有する<白組>による高度な可能性を秘めたVFX映像を目の当たりにして、邦画も捨てた物じゃないなぁと感心しきりでしたね!

 

この作品こそ映画館の大きなスクリーンで観るべき作品でしたね!

 

出来ますれば、叶うことならば4DXで観たかったと思う映画でした。

 

従いまして、五つ星評価的には、ほぼ満点の★★★★☆(90点)の四つ星半の高評価も相応しいかと思いました次第です。

 

 

【劇場パンフレット】(定価667円+税)

 

 

 

●映画『いぬやしき』【予告】

 

 

 

 

●Take Me Under/MAN WITH A MISSION 2018.04.21

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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今回も最後までブログ記事をお読み下さり誠に有り難うございました。