『レッド・スパロー』(2018年) #イオンシネマ草津 #ジェニファー・ローレンス #高畑勲監督 | HALUの映画鑑賞ライフのBlog

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先月の公開2日目の3/31(土)に、年老いた父親と一緒に、滋賀県草津市のイオンシネマ草津まで鑑賞に行った作品ですが、まだ他にも、今年に劇場鑑賞済みで未だにブログ記事化していない作品が4~5作品ありますが、この女性スパイ映画が、予想外にかなり面白かったので、取り急ぎ、先ずは、今回は、この作品を紹介させて頂きます。

 

 

 

「18禁に近いR15+のハードコアな女スパイ映画(18.3/31・字幕)」

ジャンル:サスペンス

原題:RED SPARROW

製作年/国:2018年/アメリカ

配給:20世紀フォックス映画

公式サイト:http://www.foxmovies-jp.com/redsparrow/

上映時間:140分

監督:フランシス・ローレンス

 

ジェニファー・ローレンス、ジョエル・エドガートン、マティアス・スーナールツ、シャーロット・ランプリング、メアリー=ルイーズ・パーカー、ジェレミー・アイアンズ

 

R15+

 

 

 

【解説】

アカデミー賞女優のジェニファー・ローレンスが、「ハンガー・ゲーム」シリーズのフランシス・ローレンス監督と再タッグを組んだスパイサスペンス。

元CIA局員という経歴を持つジェイソン・マシューズによる同名小説が原作で、捜査対象を美貌で誘惑する「スパロー」と呼ばれる女スパイの活躍を描く。

事故でバレリーナになる道を絶たれたドミニカは、ロシア政府が極秘裏に組織した諜報機関の一員となり、自らの肉体を使った誘惑や心理操作などを駆使して情報を盗み出す女スパイ「スパロー」になるための訓練を受ける。

やがて組織の中で頭角を現したドミニカは、ロシアの機密情報を探っていたCIA捜査官ナッシュに近づくというミッションを与えられる。

接近したドミニカとナッシュは互いに惹かれあいながらも、それぞれのキャリアや忠誠心、国家の安全をかけてだまし合いを繰り広げていく。

 

(以上、映画.comより、引用抜粋。)

 

 

先ず、率直な感想としましては、

本作品の140分という長尺な上映時間を認識して鑑賞に臨みましたが、それにしても上映時間以上に体力を消耗した気分になりました。

内容的には、キャスティングも凄く良くて、魅力的なお話しで直ぐに作品の世界観に入り込めました。

 

 

何が凄いって、主演のジェニファー・ローレンスの渾身の演技による存在感が圧倒的で、画面に引き込まれましたね。

 

 

しかし、兎に角、エロティックな面においても、グロい描写に関しても、目を覆いたくなる様なシーンや演出上において不快になるシーンも案外多くて、全て観終えた感想としては、セックス描写と痛々しい拷問・尋問ばっかりの印象が強く残る位でしたので、かなり堪えましたね。

 

ですから、カップルで鑑賞に行くと、かなり微妙な雰囲気になる作品かも知れないので、要注意(汗)。

 

 

ボリショイバレエ団のプリマという設定ながら、いくら何でも、あんな下半身が逞しいムチムチのバレリーナがいるだろうか(?)という野暮なツッコミはさておき。

 

また、英米人が演じるロシア人達の演技も、英語の台詞をロシア訛りっぽく話したりと、限りなくそれっぽく演じているのはご愛敬。

 

 

お話しの流れ的には、

ボリショイ・バレエ団のプリマのドミニカ(ジェニファー・ローレンス)は足を故障し、バレリーナの将来を断たれてしまうのでしたが、つい発作的に感情的になり、その原因を作った同僚を殴り倒したのは良いものの、窮地に陥ってしまったドミニカはロシア情報庁幹部の叔父(マティアス・スーナールツ)から一夜限りの約束で仕事を引き受けるのでした。

 

 

しかし、見てはいけないものを見てしまった彼女は、病気の母にも治療を受けさせる為にも、叔父の半ば脅しの様な執拗な勧めから、ロシアの諜報機関の工作員の訓練施設に送られるのでした。

 

 

そこは、性欲を満たさせる肉欲的な誘惑=<ハニートラップ>、そして心理操作を武器としてミッションを遂行するスパイ=<レッド・スパロー(赤い雀)>の養成機関でした。

 

 

冷酷な女性監督官(シャーロット・ランプリング)の指導の下、持ち前の美貌と、天性の頭脳と感性で、ドミニカは望まないながらも、一流の<スパロー(雀)>へと仕立て上げられるのでした。

 

 

気乗りしないまま、スパイのくすんだ危険な世界に巻き込まれた彼女に与えられたミッションは、アメリカのCIA局員ネイト・ナッシュ(ジョエル・エドガートン)に接近し、ロシア政府内に潜む内通者=モグラの名前を聞き出すこと。

 

 

しかしながら、その任務は、ドミニカの想像も遥かに超える運命に導き、彼女は敵国アメリカのみならず、祖国ロシアからも狙われることに。

大国間の表舞台での陰謀と欲望が渦巻くストーリーは、信じがたい結末へと展開していくのでした・・・。

 

 

つい先頃、実際に、英国在住の元ロシアの諜報部員だった男性が女性スパイらしき者に毒殺未遂をなされたという事件のニュース報道があった事を鑑みますと、冷戦が終わったと言われて随分久しいにも拘わらず、未だにキナ臭い<噂>が絶えない辺りからも本作品の信憑性も高いとも感じますし、原作者のジェイソン・マシューズ自身が元CIA局員だった点からも、ハニートラップによる誘惑の手口や舞台設定自体には、やや古くささは感じはしましたが、かなり真実味を帯びたお話しとして、最後までハラハラドキドキの連続で飽きることなく鑑賞し終えました。

 

 

当初は、本作品も、シャーリーズ・セロン主演の『アトミック・ブロンド』(2017年)の様なアクション中心のスパイ映画かと思っていましたが、ストーリー展開的に、内容的にも二転三転のドンデン返しがあると言った、謂わば、アクションなどの肉弾戦よりも心理戦により<騙し合い><駆け引き>をするといった本格的なスパイサスペンス物作品であり、アクションよりもむしろサスペンスっぽさが色濃い映画で非常に面白かったです!

 

 

オスカー女優でもあるジェニファー・ローレンスが、まさかアソコまで大胆な本格的なオールヌードのシーンにも挑戦しているとは予想していなかったので、本当に驚かされましたが、まさに身体を張った艶っぽい演技で、バレリーナからスパイに転身していく様子をつぶさに描き出していました。

 

 

<スパロー(雀)>の養成機関では、いわゆる性欲に訴える誘惑術である<ハニートラップ>を仕掛ける女スパイとしての訓練を受けるのですが、活躍の派手さよりも、むしろ地道でヘビーな特訓の方が、より鮮明に脳裏に焼き付いて、娼婦の如く、半ばマシーンに徹するべく人間性を排除させようと働きかけてていく過程の描写には唖然とし、辟易とさせられました。

 

 

そのハニートラップ術を教える鬼監督管役に、あの往年の『愛の嵐』(1974年)のシャーロット・ランプリングが演じているのもハマリ役でした。

 

その他、脇を固める俳優陣も素晴らしかったですね。

敵国の美女スパイの<スパロー>に惚れ込んでしまう、CIA局員ネイト・ナッシュ役に、ジョエル・エドガートン。

 

 

ロシアの情報庁副長官であり、ドミニカの叔父役には、マティアス・スーナールツ。

『君と歩く世界』(2012年)の主演の当時にはそれほど感じた事もなかったのですが、今回の作品では、顔付きがどことなくプーチン大統領にソックリなのを再認識してしまうほど、ソックリに見えてしまうので、物語の設定上、欧米と対立を深めつつあるロシアへの皮肉を込めたキャスティングなのかと勘繰りたくなるほどでした(苦笑)。

 

 

 

そして更には、最近では、『ジャスティス・リーグ』シリーズでのバットマンの老執事アルフレッド役での出演などが記憶に新しい、ジェレミー・アイアンズ。

ロシア情報庁の有力幹部役の老獪な演技も見どころでした。

 

 

スリル感溢れるスパイ同士の騙し合いは、この手のスパイ映画にはお約束ですが、今回の作品には、脚本にかなりひねりがあるのが中々巧妙で面白かったですね。

 

 

二転三転のドンデン返しの後、意外な展開へと、上手く騙されてしまうので、逆にそれが気持ち良かったです!

 

 

私的な評価と致しましては、

さすがに元CIA局員だったジェイソン・マシューズによる原作小説の映画化作品というだけあって、スパイサスペンス物映画としては、かなり練られた内容で面白かったです。

 

当初は、そもそも、ハニートラップ術と心理操作を駆使した女スパイとは言え、そう易々とハニートラップに引っ掛かるようでは、相手側の欧米のCIAはじめ各国の諜報部員の資質が問われるのではないかとも思ったりもしましたが、観続けて行くうちに、それをも凌ぐほどに人の弱みにつけ込む心理操作に長けたスパイなのだろうと思わされるように、<スパロー>の養成機関での地道でヘビーな特訓シーンが如何にも脳裏に焼き付いて、特に、無表情でのヌードシーンなどジェニファー・ローレンスの身体を張った演技が、有無を言わさぬ説得力を持たせていました。

 

新人スパイのヒロインが、いきなり大仕事に駆り出され、疑心暗鬼の中、文字通り「命懸け」で任務を果たそうとするという筋書きだけでも、ジェニファー・ローレンス演じる薄幸のヒロインのドミニカをついつい応援したくなる気持ちも手伝い、最後までハラハラドキドキの連続で、140分という長尺な上映時間でありながらも中弛みすることなく面白く鑑賞出来ました。

 

従いまして、脚本が練られて筋書きが中々良く出来ていたことや、オスカー女優でありながらも、今作では、あえて全裸のヌードシーンにも大胆に挑戦するなどジェニファー・ローレンスの渾身の演技を評価しまして、五つ星評価的には高評価の四つ星評価の★★★★(80点)の評価も相応しい作品かと思いました次第です。

 

 

※尚、★★★★(80点)は、あくまでも、拷問・尋問シーンのグロい描写など不快な演出が案外多かった点から、☆半分(10点)の評価をあえて減点しての評価点です。

 

 

●映画『レッド・スパロー』日本版予告(2018年)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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4月5日。

スタジオジブリの共同設立者にしてアニメ監督の高畑勲さんが肺ガンの為、逝去。享年82歳。

 

 

ここに哀悼の意を表します。

ご冥福を心からお祈り申し上げます。

高畑勲監督。今まで、どうも有り難うございました。

安らかにお眠り下さい。

 

※急遽に放映が決定された、金曜ロードショーの追悼作品に『火垂るの墓』を放送するのも、右傾化が進むこのご時世だからこそ、亡くなった高畑勲監督の平和を祈る意志を尊重し引き継いで行くためにも、良い選択なのかも知れないですが、個人的には、平成の時代が終わろうとしているので『平成狸合戦ぽんぽこ』の様な明るい映画で見送ってあげても良かった様な気もしますね。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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今回も最後までブログ記事をお読み下さり誠に有り難うございました。