『ゴッホ~最期の手紙~』(2017年) #イオンシネマ京都桂川 #フィンセント・ファン・ゴッホ | HALUの映画鑑賞ライフのBlog

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~映画鑑賞雑記帳 &京都・滋賀の季節の歳時記 & 読書などのお気儘ライフ~

当初は、先ずは、『嘘を愛する女』とハシゴ鑑賞してきた『パディントン2』の字幕版のブログ記事をまとめようかと思って予定していました。

 

また、先日の週末の1/28(日)には、3度目の出町座への来館として、ジェシカ・チャスティン主演の『ユダヤ人を救った動物園』を鑑賞。その後、滋賀県草津市まで移動して、新参者シリーズ・最終章の映画『祈りの幕が下りる時』をイオンシネマ草津まで鑑賞にも赴いているのですが、今回は、1月に劇場鑑賞済みのこれらの3作品を差し置いての紹介記事にはなりますが、どうかご容赦願います。

 

ただ、この度は、本年度の第90回アカデミー賞の長編アニメーション部門にもノミネートされ、イオンシネマ京都桂川では昨年の11月の上映を一旦終えた後、この1月から再上映されている『ゴッホ~最期の手紙~』(吹替版)が、上映期間延長の末、2/2(金)に上映終了を迎えるのに際して、出来ますれば、映画ファン・絵画ファンの御方々で、未見の方々が、もしもこのブログ記事を目にされた事を通して、劇場鑑賞にと足を運んで下さればと、少しでもお役に立てればと思い立ち、ちょうど未だ、昨年の11/14(火)の1回目鑑賞の際の感想も私はブログ記事化していなかったので、今回は、この機会に、この作品をブログ記事として採り上げることにしました。

 

※この『ゴッホ~最期の手紙~』は、イオンシネマ京都桂川においては、今週末の明日の2/2(金)で再上映も終了を迎えますので、ご興味が惹かれた御方々は、是非とも劇場まで足をお運び下さいませ。

 

 

 

「動く油絵による体感型アート(17.11/14&18.1/31・共に吹替版)」

ジャンル:アニメ/サスペンス

原題:LOVING VINCENT

製作年/国:2017年/イギリス=ポーランド

配給:パルコ

公式サイト:http://www.gogh-movie.jp/

上映時間:96分

公開日:2017年11月3日(金)

監督:ドロタ・コビエラ、ヒュー・ウェルチマン

キャスト:

ダグラス・ブース、ジェローム・フリン、ロベルト・グラチーク、ヘレン・マックロリー、クリス・オダウド、シアーシャ・ローナン、ジョン・セッションズ、エレノア・トムリンソン、エイダン・ターナー

 

 

【解説】

「ひまわり」「夜のカフェテラス」などで知られる印象派の巨匠フィンセント・ファン・ゴッホの死の謎を、全編油絵風のアニメーションで描き、解き明かしていく異色のサスペンスドラマ。

郵便配達人ジョゼフ・ルーランの息子アルマンは、父の友人で自殺した画家のゴッホが弟テオに宛てた手紙を託される。

テオに手紙を渡すためパリへと向かったアルマンは、その過程でなぜゴッホは自殺したのか、その疑問が募っていくが……。

俳優が演じた実写映像をもとに約6万5000枚におよぶ油絵が描かれ、アニメーション化するという手法で作られた。

出演した俳優はダグラス・ブース、ヘレン・マックロリー、シアーシャ・ローナン、エイダン・ターナーら。

 

(以上、映画.comより、引用抜粋。)

 

 

率直な感想と致しましては、

賛否両論に様々な意見が散見しているようですが、私は、今回のゴッホタッチのペインティングアニメといった<動く油絵>については、正直なところ、1回目の鑑賞時には、映画のお話しに集中し辛い印象は受けていたものの、専ら、肯定派で、好意的に鑑賞していました。

(でないと2回に亘っても鑑賞していないです・苦笑)。

 

ですので、2回目の鑑賞時には、映画に集中し辛いといった印象も、かなり浅くなっていましたね。

 

▲話題作にも拘わらず、昨年11月のイオンシネマ京都桂川のみでの京都市内単館上映での1回目の鑑賞時には、小さなスクリーンで、父親と一緒に、満席状態で鑑賞したのを想い出します。

 

 

▲昨日の2回目の鑑賞時には、ちょっとひとまわり大きめのスクリーンで収容人数も多めでしたね。

 

 

アニメの内容的には、

多少マニアックというか、少なからずゴッホの描いた肖像画などの人物などについて見たことがあったり、知っていたりするなどの基礎知識があると面白いのですが、全く知らないと、物語り的には、前半はやや退屈するかも知れないですね。

 

 

お話しの流れ的には、

郵便配達人ジョセフ・ルーランの息子アルマン・ルーランは、パリへ届ける一通の手紙を託される。

それは父の友人で自殺したとされる画家フィンセント・ファン・ゴッホが、彼の弟テオに宛てたものだった。

テオの消息を追う内に既に死んでいる事を知るが、それと同時にゴッホの死の真相は何だったのかという疑問が募る中、この手紙を本当に受け取るべき人物は何処にいるのだろうか?と奔走するアルマン・ルーランの姿を通して、その死の真相を探るというもの。

 

 

ですので、自殺とされるゴッホの謎の死の真相にまつわるキーパーソンが重点となって以降は、尻上がりにサスペンスフルな展開を見せて、なかなか面白かったですね。

 

 

ただ、この作品はVFX技法のひとつである、実写映像を元にアニメーション化させる技法。所謂、<ロトスコープ>でありながらも、総勢125名の画家により、6万2450枚もの油絵が使用されているとのことです。

一概に、セル画アニメとは比較出来ないものの、これは初期の宮崎駿監督作品を例に挙げれば、セル画アニメの作画枚数よりも多い。

CGアニメ全盛のこの時代に、なんと、あまりにも大胆不敵な作風ではないかと思わず唸ってしまうほどでしたね。

 

 

ただ、ゴッホタッチの<動く油絵>に対して、絵に目が慣れていなかったせいか、脚本やカット割りなどは、一般の実写サスペンスと同じ手法で作られているみたいでしたので、どうも独特なゴッホのタッチのアニメである<動く油絵>の映像にばかり見入ってしまって、1回目の鑑賞の際には、どうも肝心のストーリーや台詞がなかなか頭に入ってこなかった印象がありました。

 

 

ですので、「いっそこの脚本や演出でやるのだったらば、事前に撮影した実写映像をそのまま上映した方が良かったのかも?」或いは、「<動く油絵>といったアニメの良さを活かしたいのだったらば、あえて<ロトスコープ>といった手法は採らずに、もっとシンプルな脚本にして欲しかったかも?」といった風に、今作が、先述した通り、かなりの労作であるのは重々承知していながらも、あまりにも欲張り過ぎて、結果、虻蜂取らずになっていないかといった疑問が沸いてきたのも事実。

 

 

そんな中、映画の表現手法的には、色鮮やかなゴッホの死後の現在とは対照的に、過去の回想シーンではあえてモノクロで描く事により、過去の出来事なのか現在なのかを分かり易く観易いように一応の工夫はされていますので、おそらく全くお話しの意味が分からないという事がないだろう点は良かったかとは思いました。

 

 

また、私が観たのは、字幕版ではなく、日本語吹替版であった事も起因するのか、2回目鑑賞時には、映画の全体像を当初から分かって観ているので、映画の画面に集中し辛い印象もなく鑑賞することが出来ました。

 

 

ゴッホは生前たった1枚しか売り物にならなかったにも拘わらず、800枚以上もの絵を精力的に描いていた。

その事実を改めてこの映画で知るにつれ、結果が得られていないにも拘わらず好きなことを続けて行くということは、「下手の横好き」とは言うものの、並大抵のことではないはずなのに、そこまでして絵を描き続けたゴッホの絵に対する想いは本当に素晴らしいと感銘を受けました。

 

今では、ゴッホのことを知らない人が世の中にはいないほどの有名な画家ですが、当然ながら死後に有名になったゴッホはその事実を知らない。

 

そんな彼が、亡くなってから努力が実ったことを可哀想とも思っていましたが、ゴッホの生き方をみるとそんな事もないとも思われてきました。

 

私もゴッホの様に努力をし続けることにより、何かしらの夢を叶えてみたいと思えて来ました。

 

 

映画本編の冒頭が「星月夜」をモチーフにした景色で始まり、ローヌ川の星月夜(星降る夜)の景色で、終わるところも、実に、心憎い演出でしたね。

 

 

エンディングロールも凝っていて、<ロトスコープ>の際の実写映像で演じたキャストと肖像画モデルの容姿の対比や、ゴッホの死後における彼ら彼女らの登場人物達の動向について、図録風に説明してくれていて面白かったです。

 

 

私的な評価と致しましては、

1回目鑑賞時には、たしかにこの作品を製作するに要した労力は凄いとは思いましたが、ゴッホタッチのペインティングアニメにするべく、<ロトスコープ>で製作したことによる、ゴッホタッチの弱みと強みがお互いに干渉しあって、静止画であると観ていられるのが、あの絵のタッチが<動く油絵>になると逆に映画に集中し辛いといった、欲張り過ぎによる虻蜂取らずの弊害も持ち合わせている作品だとも感じました。

 

しかしながら、2回目鑑賞の際には、お話しの全体像を事前に把握してあるせいか、サスペンスフルなゴッホの謎の死の真相を追う脚本に素直に見入って行く事が出来ましたので、その点がやや当初よりも加点すべき点かもと思いました。

従いまして、以上を勘案しまして、当初は五つ星評価的には四つ星評価くらいの評価でしたが、2回目鑑賞に際して、やや加点しまして、満点には及ばないものの、★★★★☆(90点)の四つ星半くらいの評価が相応しい作品かと思いました。

 

 

あと、1回目の鑑賞時には、公開直後に完売状態だった本作品のパンフレットですが、これも予想通りでしたが、やや小さめの図録風の体裁のパンフレットで、これが実に面白いので、是非お買い求めされる事をオススメ致します。

 

映画の場面を絵画のように掲示しており、この表現手法の方がやはり惹かれますね。

登場人物の相関図も、ゴッホが描いた各肖像画の人々との繋がりを示しており興味深かったですね。

 

そもそも絵画や芸術を見る行為は、作品を見ていながら、実はそれを媒介として、何故に作者はこの様に製作したのかと、自分の想像力と向き合うことであるとも換言出来ますが、むしろ映画本編よりもパンフレットの方が、よほど自分自身の想像力を喚起させてくれるかとも思われます。

 

 

●映画『ゴッホ~最期の手紙~』予告編

 

 

 

●「ゴッホ展~巡りゆく日本の夢~」京都国立近代美術館

 

 

そして、また、この映画を観終えた後、1/20(土)~3/4(日)までの期間、京都国立近代美術館で開催中の「ゴッホ展~巡りゆく日本の夢~」を観覧すれば、更にゴッホについて探究出来て、楽しめる事かと思いました。

私も、早く「ゴッホ展」の観覧に行きたいと思っている次第です。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

今回も最後までブログ記事をお読み下さり誠に有り難うございました。