『嘘を愛する女』(2018年) #イオンシネマ京都桂川 #嘘愛CP #長澤まさみ #高橋一生 | HALUの映画鑑賞ライフのBlog

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1/16(火)に『劇場版マジンガーZ/INFINITY』を独りで観に行った次の週末の1/21(日)に、生憎と、イオンシネマ系列では『パディントン2』の字幕版の上映については、イオンシネマ京都桂川においてのみにて、午後6時40分以降の2回しか上映がなかったので、それに併せて、今回も、映画の公開2日目に、彼女と一緒に、その日のお昼過ぎから『嘘を愛する女』と『パディントン2』(字幕版)のハシゴ鑑賞に出向きました。

そこで、先ずは1本目の『嘘を愛する女』について紹介させて頂きます。

 

 

「美女とオヤジのまさかの凸凹バディのロードムービー!?(18.1/21)」

ジャンル:ラブ・ストーリー

製作年/国:2018年/日本

配給;東宝

公式サイト:http://usoai.jp/

上映時間:118分

公開日:2018年1月20日(土)

監督:中江和仁

キャスト:

長澤まさみ、高橋一生、DAIGO、川栄李奈、野波麻帆、初音映莉子、嶋田久作、奥貫薫、津嘉山正種、黒木瞳、吉田鋼太郎

 

 

【解説】

長澤まさみと高橋一生が共演し、恋人の大きな嘘に翻弄されるキャリアウーマンの運命を描いたラブサスペンス。

 

オリジナルの優れた映画企画を募集する「TSUTAYA CREATORS' PROGRAM」の第1回でグランプリを受賞した企画を映画化した。

 

食品メーカーに勤める川原由加利は、研究医である優しい恋人・小出桔平と同棲5年目を迎え、公私ともに充実した日々を送っていた。

そんなある日、自宅で桔平の帰りを待つ由加利のもとに、警察が訪ねてくる。桔平がくも膜下出血で意識を失っているところを発見されたのだが、桔平の所持していた運転免許証や医師免許証はすべて偽造されたもので、職業も名前も全てが嘘であると判明したのだ。

ショックを受けた由加利は桔平の正体を突き止めるべく、私立探偵の海原匠と彼の助手キムに調査を依頼。

やがて、桔平が書き溜めていた700ページにも及ぶ未完成の小説が見つかる。その内容をもとに、いまだ病院で眠り続ける桔平の秘密を探るため瀬戸内海へと向かう由加利だったが……。

 

「ゆうちょ銀行」など数々の人気CMを手がけた中江和仁が長編映画初メガホンをとった。

 

(以上、映画.comより、引用抜粋。)

 

 

誰もが、このポスターを見れば、今をときめく高橋一生さん演じる小出桔平と長澤まさみさん演じる川原由加利によるラブ・ストーリーが主軸と思いきや、その実、お話しの大半は、川原由加利(長澤まさみさん)と、私立探偵の海原匠(吉田鋼太郎さん)との美女とオヤジの凸凹バディによるロードムービーだったので、当初の純愛映画的な予想を裏切られた御方々も多かったのではないかと思います。

 

 

ですので、高橋一生さんの出演場面が思っていたほど多くないので、彼のファンの人達にとっては申し訳ないのですが、期待外れもこの上なく、多少欲求不満が募る映画かも知れないですが、デビュー当時からの長澤まさみさんのファンの私からすれば、吉田鋼太郎さん扮する私立探偵の海原匠との凸凹バディによる風光明媚な瀬戸内海の街並みを巡りながらのロードムービーはコメディ風味もトッピングされていて、これはこれで、かなり面白かったでした。

 

 

 

 

▲中江和仁(Kazuhito Nakae ) 1981年4月23日生まれ 滋賀県出身

 

映画のお話し自体は、「TSUTAYA CREATORS' PROGRAM FILM 2015」(以下、TCP2015と表す。)というTSUTAYA主催の第1回グランプリ受賞作品の企画・脚本の映画化と言うことでしたが、CM界の俊英、中江和仁さん(滋賀県出身)が、「夫は誰だった?」というセンセーショナルな見出しの実在の新聞記事に着想を得てオリジナル脚本を執筆した企画らしく、それまで私は、てっきり、このお話しは、あくまでも今の時代にありがちな、表層的な現代社会の在り方を投影したフィクションだと思っていたのですが、鑑賞後に、この作品のパンフレットを読んで、この様な、長年暮らしてきた伴侶が、実は、正体不明の「名無しの権兵衛さん」的な事件が現実にあったという事を知って、更にショックを受けた次第でした。

 

 

また、パンフレットの中江和仁監督のインタビュー記事を拝読しますと、そもそも脚本そして自らメガホンを執った中江和仁さんがこの記事の存在を知ったのは、元は、辻仁成さんのエッセイにこの新聞記事を元ネタにしたエピソードがあったらしく、高校時代に読んで気に留めてられて、武蔵野美術大学造形学部映像学科在学中に、国会図書館で、この新聞記事を見付けて以降、将来、映画化出来ればと、脚本も10年間で、100稿くらいも書き留められ温めておられていたらしいです。

 

 

ただ、この記事の事件に登場する男性の人物像も50歳代であり、また事件があった時代が今から約25年以上も前に遡ると言うことからだった為なのか?

この映画の中でも、自称・小出桔平役の高橋一生さんが蒐集するフィギアが何故だか1970年代のアニメ「マジンガーZ」の超合金という点も、年齢的にちょっと世代が合わない設定だったのが、謎だったのですが、それでその点も合点も行くかと思いました。

 

▲参考までに、『劇場版マジンガーZ/INFINITY』の一場面より引用。

 

また、当初は、40歳代手前のキャリアウーマンを想定されていたらしいのですが、30歳代の長澤まさみさんの起用により、キャリアウーマンという設定は残しつつも、大幅にその性格付けなどを改めて練り直したとのこと。

 

 

吉田鋼太郎さん扮する私立探偵の海原匠については、韓国映画『殺人の追憶』のソン・ガンホをイメージしたい旨を伝え、仕事も真面目にするけれど、ユーモアもあって愛されるキャラクターにしたいと。緊張感が高まるシーンではそれを和らげるような演出を目指していたそうです。

 

 

高橋一生さんが演じる小出桔平役は台詞がなくても表情や雰囲気だけで、何かを背負っている影のある人に見せたかったらしく、そう言う意味合いでは、高橋一生さんの持つ雰囲気は、桔平にハマったと思うとのこと。

 

 

黒木瞳さんの演じる瀬戸内海の小さな飲み屋の女将マサコ役については、中江和仁監督がグランプリを受賞した、TCP2015の審査員として参加して最終選考に残った10本の作品を審査していた経緯もあり、授賞式の際に監督デビュー祝いの意味合いも込めて、黒木瞳さん自ら「マサコ役は私がやるからね!」とお声掛けして下さったらしく、映画の中では短いシーンながら印象的な存在感を示されていました。

 

 

私個人的に印象に残ったキャストは、やはり探偵事務所の海原の助手であり、キムこと木村役のDAIGOさんですね。

珍しいロン毛姿のPCオタクのハッカー役が実に似合っていましたね。

 

 

心葉役の川栄李奈さんは、ゴスロリファッションで身を包み、アルバイト先の常連客の桔平を一途に愛する余りにストーカー紛いの行動を繰り返すという役どころでしたが、なかなか上手い演技でしたね。

 

 

お話し的には、川原由加利(長澤まさみさん)が自分たちの過ごして来た時間が<本物>だったのかを確かめるための模索の旅の物語とも言える作品でしたね。

 

 

あの3.11の東日本大震災の影響で、列車が動かなくなってしまった際に、気分が悪くなったのを親切に介抱してくれた人。

その人・小出桔平(高橋一生さん)との再会を遂げられて一緒に住むようになった、一流企業に勤める完璧なキャリアウーマンの川原由加利(長澤まさみさん)と過ごして来た日々までは、嘘じゃなかったのかどうかを確認するための旅。

 

 

ですから、単に、その男の<過去>を探しに行くだけの旅ではなかったとは思いましたね。

一見すると、単なる凸凹バディによるロードムービーの趣が強い映画ではありましたけれどね。

 

 

 

それと、エンディング曲(主題歌)は、決して悪くはないのですが、この作品で採用している、松たか子さんの歌う主題歌の様な緩やかなメロディラインの曲調の歌よりも、もっと刺激的な、back numberなどに主題歌担当して貰った方が、よりしっとりと感動的なエンディングが迎えられたかとも思われて、少々残念でしたね。

 

 

私的な感想と致しましては、

映画のポスターなどから、当初に予想していたよりも、高橋一生さんのファンの御方々におかれましては、登場場面が予想外に少なくて非常にガッカリされてしまうかも知れないですが、デビュー当時からの長澤まさみさんのファンの私にとりましては、そういった純愛映画も良いのですが、今回の様な、オジサン俳優の吉田鋼太郎さんとのロードムービー的な側面を持つ作品というのも、それなりになかなか面白かったですね。

 

 

小出桔平の過去を調べて行く過程そのものもその展開に翻弄されながらも、意外性に富んでいたりとなかなか面白かったですし、その抱えていた過去も凄く意外で怖くもさえあったりと、色々考えさせられた映画でした。

但しながら、映画を観終えて、パンフレットを読むまでは、今の時代を反映した、表層的な現代社会の在り方を投影した、あくまでもフィクションの上でのお話しと思っていましたので、こんな何年間もの間、恋人の素性を全く知らなかっただなんて、なかなか実際には有り得ないと思っていましたが、実際にあった事件のエピソードをモチーフにしていると知り、二重にショックを受けた次第でした。

 

 

エンディングに流れる松たか子さんの「つなぐもの」という主題歌の調べが、やや優しすぎて、私には琴線に響いて来なかったので、もっと刺激的な、例えばback numberなどの歌う曲の様な曲調の歌を提供してくれたら、私も、涙もホロリと流れたかも知れないと思うと、ちょっと勿体ない気もしましたね。

あくまでも個人的な趣向の問題かも知れないですが(汗)。

 

以上を、勘案致しますと、五つ星評価としましては、好評価の作品ながらも、★★★★(80点)に留まる四つ星評価が相応しい作品かと思いました次第です。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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今回も最後までブログ記事をお読み下さり誠に有り難うございました。