『女神の見えざる手』(2016年) #出町座 #ジェシカ・チャスティン #ジョン・マッデン | HALUの映画鑑賞ライフのBlog

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~映画鑑賞雑記帳 &京都・滋賀の季節の歳時記 & 読書などのお気儘ライフ~

 

この作品を観られて本当に良かった!出町座さん。今回セカンド上映して下さって有り難うございました。

 

『劇場版マジンガーZ/INFINITY』を独りで観た日の週末の1/21(日)には、彼女と一緒に、イオンシネマ京都桂川まで『嘘を愛する女』と『パディントン2』をハシゴ鑑賞し、その後、1/23(火)の夜の最後の上映回に、彼女の仕事終わりに車で迎えに行く様に待ち合わせをして、出町座まで、この『女神の見えざる手』の鑑賞に出向いたので、鑑賞した作品をご紹介する順序としては前後しますが、是非とも出町座にて、セカンド上映中の期間内にブログ記事化させて、多くの皆さんにも、ご紹介したかったので、その点はご容赦願います。

 

 

●出町座(@demachiza):https://demachiza.com/

 

〒602-0823 

京都府京都市上京区今出川通西入上ル三芳町133

(出町枡形商店街内)

 

☎:075-203-9862 FAX:075-320-2526

 

 

出町座への2回目の訪問の際の鑑賞作品は、

事前の予備知識などは一切なかったのですが、親しくして頂いている同世代の女性の映画ブロガーのジョジーさんが、2017年映画ベスト10にこの『女神の見えざる手』を挙げてられました事や、出町座が1日2回上映されるほどに推してられる作品みたいだったのも決め手となり、今作品を鑑賞することにした次第です。

 

 

 

今週は、最強寒波の到来のため、月曜日から首都圏では積雪や40年振りに、最低気温を観測史上更新をするなど、そして更に、24日以降には、関西を含む西日本各地の平野部にも大雪が降るとの天気予報でしたので、急遽、大雪が到来する前にと、彼女と、前日に出町座に鑑賞に行く約束を取り付けました。

そして当日の夜は、急いで車で駆け付け、市営出町駐車場には19:44に到着。

どうにかcafé「出町座のソコ」の20時のラストオーダーには間に合うことが出来たのですが、人気メニューで美味しいと評判のキュウリ3種サンドイッチは材料切れみたいで、今回はピンクポテトサラダサンドイッチを作って貰い、珈琲とともに食させて頂きました。

 

café「出町座のソコ」の築地静香店長。今回のピンクポテサラサンドも美味しかったです。有り難うございました。

 

 

 

映画の上映時間が20:25~22:45でしたので、今回は、ちょうど程良い時間帯に間に合うように到着出来て良かったでした!

 

 

1/20(土)に、出町座オープン記念として来館されていた『この世界の片隅に』の片渕須直監督のサイン入りの「出町座のソコ」のお皿も飾ってあったので、記念にパシャ!!!

 

 

今回の鑑賞も、出町座さんのクラウドファンディングのリターン品である招待券を、私と彼女の分の2枚分使用させて貰って鑑賞。

 

 

今回も、前振りが随分と長くなりまして、申し訳ありません。

 

今回の『女神の見えざる手』の率直な感想ですが、

映画ブロガーのジョジーさんも2017年映画ベスト10に挙げてられたり、出町座さん自体が1日2回上映として推してられている作品だけあって、終盤には逆転の上に更なる逆転劇が用意されていて、非常に面白かったですね。

 

「信念を貫き、政治を影で動かす満身創痍の女神(18.1/23・字幕)」

ジャンル:人間ドラマ

原題:MISS SLOANE

製作年/国:2016年/フランス=アメリカ

配給:キノフィルムズ

公式サイト:http://miss-sloane.jp/

上映時間:132分

公開日:2017年10月20日(金)

監督:ジョン・マッデン

キャスト:

ジェシカ・チャスティン、マーク・ストロング、サム・ウォーターストン、アリソン・ピル、ググ・バサ=ロー、ジョン・リスゴー、マイケル・スタールバーグ 

 

 

【解説】

「恋におちたシェイクスピア」「マリーゴールド・ホテルで会いましょう」のジョン・マッデン監督が「ゼロ・ダーク・サーティ」のジェシカ・チャスティンを主演に迎え、天才的な戦略を駆使して政治を影で動かすロビイストの知られざる実態に迫った社会派サスペンス。

大手ロビー会社の花形ロビイストとして活躍してきたエリザベス・スローンは、銃の所持を支持する仕事を断り、銃規制派の小さな会社に移籍する。

卓越したアイデアと大胆な決断力で難局を乗り越え、勝利を目前にした矢先、彼女の赤裸々なプライベートが露呈してしまう。

さらに、予想外の事件によって事態はますます悪化していく。

共演に「キングスマン」のマーク・ストロング、「インターステラー」のジョン・リスゴー。

 

 

(以上、映画.comより、引用抜粋。)

 

 

 

先ず、今作の原題のMISS SLOANE(ミス・スローン)では、よく解らないところを、「女神」は「勝利の女神」。「見えざる手」は「最後の切り札」的に題した邦題みたいですが、観終えてみるとなかなか良い邦題だと思いました。

 

 

ロビー活動を行う人を<ロビイスト>と呼びますが、大統領選挙。或いは、W杯招致やオリンピック招致などでロビイストの活動自体も、日本のマスコミでも報じられる事も多くなってきましたが、その昔の学生時代に大学で大統領選挙で暗躍するロビイストの存在自体は聴いてはいましたが、その職業たる肝心の仕事ぶりなどは、お恥ずかしながら全く知らなかったのですが、今回の映画で描かれるのは、敵の一歩先を読み、ごく単純な構図を描いて行動してるかの様な素振りを見せながらも、実は相手の裏をかいて誘い込んだりするなど、実に巧妙に戦略を練り、相手を混乱させてしまう。

そうして与えられた任務を達成するといった、政治家の心や世論を動かし、マスコミを操作し、世界を変える決断に深く関与するプロフェッショナル集団がロビイストとして描写されていました。

 

 

で、今回の映画では、そのロビイストの<女神>に君臨するのが、エリザベス・スローン(ジェシカ・チャスティン)。真っ赤なルージュを引き、一流ブランドとハイヒールで武装した彼女が天才的な閃きと無敵の決断力で巨大な勢力を敵に回す。

大手ロビー会社で辣腕をふるい、一切の妥協を許さず、敵はもちろん、味方をも畏れさせるエリザベス。睡眠障害で薬物依存症になるほど1日16時間以上も寸暇も惜しんで策略を巡らせ、プライベートの時間をもたず、恋愛はエスコートサービス(男娼)で代用。あたかも全てをロビー活動に捧げた様な役どころ。

 

そんな彼女に舞い込んだのは、議会で新たな銃規制法案に対して銃擁護派団体から、その法案を廃案に持ち込んで欲しいというもの。

しかし、信念に反する仕事は出来ないため、部下を引き連れて、銃規制派のシュミット(マーク・ストロング)の小さなロビー会社へ移籍。

そこで、議会で銃規制法案を通すべく賛成票をかき集めるというのが今回のミッション。

 

 

この映画では、その前段部分に、インドネシア政府からのパーム油のヌテラ税とか云々という付加価値税に関する案件があるのですが、この内容が曲者で何を言いたいのかサッパリよく解らない。ましては早口の台詞と来る。

ですので、字幕を一所懸命に追っていると、どうやら付加価値税の抜け穴についての説明をしているようでした。

しかしながら、それ自体の把握そのものが問題ではなくて、製作者サイドの意図としては、ロビイストの仕事の組み立て方を簡単に見せているといった具合でしたね。

 

この前段部分の息つく間のない台詞や激しい場面転換の応酬。

私達、母国語が英語ではない日本人からすれば、字幕を追うのが精一杯なのですが、ここで睡魔が襲ってくる観客も居るのか、途中脱落して、実際、大きなイビキをかいている観客もいました。

こんなにも巡るましい台詞や場面転換の連続には、ひとつにはエリザベス・スローン自体の多忙さや慌ただしさを表現していると言うのもあるのでしょうが、こういった筋書きを追うのがやっとと言う様な脚本仕立てが近年流行ってるからかも知れないですね。

 

 

とは言え、本題である案件の新たな銃規制法案の賛成票をかき集めるといった中盤以降は、ハラハラドキドキする展開が待っており、実に面白かったです。

 

ネタバレになるといけないので、あまり詳しい内容は書けませんが、まさに<毒をもって毒を制す>って感もある独自の諜報活動をも駆使した秘策にも驚かされました。

ちょっと有り得ない様な展開ではありましたが、社会派サスペンスであり人間ドラマというジャンルに属する映画ながらも、見事にエンタメさせてくれていました。

 

また、この映画の字幕翻訳者の松浦美奈さんは、あの会話劇の応酬の映画『ソーシャル・ネットワーク』なども字幕翻訳されただけあって、今回の作品でも上手い字幕翻訳でしたね。

 

 

007のジェームズ・ボンドも顔負けの諜報活動は「ホンマかいな?」と、やや眉唾ものでしたし、ハリウッド映画の宿命というか、エンタメ要素の縛りがあるからなのか驚きの展開でしたが、緊張感あふれる公聴会の様子などの描写はお見事でした。

ロビイストという存在。またその駆け引きの面白さ自体をエンタメに昇華させているし、銃規制をめぐる頭脳戦には脚本の巧みさ。そしてジェシカ・チャスティンの演技力の凄さに舌を巻きました。

 

辣腕ロビイストの「ミス・スローン」シリーズとして、是非とも続編を希望したいですね。

 

 

ただ、ここで米国の法制度がイマイチ分かっていないとお話しが理解出来ない部分もあるかと思いますので以下に5点について説明させて頂きます。

 

●公聴会とは、議会で特定の問題について、意見を聞く場です。

裁判所ではないので、陪審員もなく、有罪か無罪かを争う場ではありません。

●公聴会は、宣誓して、証言をし、嘘を言えば、偽証罪で懲役5年となります。

※この点は日本における証人喚問制度と似ていますね。

 

●米国合衆国憲法修正第5条は、

何人も自己に不利益な証人となることを強制されることはなく、何人も同一のことについて重ねて処分されることはないと定めています。

 

・・・即ち、証人は自己に不利になることを言わなくても良いし、最後に勝利すれば覆ることはないということです。

 

●米国合衆国憲法修正第2条は、

国民が自己の武器を保有し携帯する権利は侵害されてはならないと定めています。

 

・・・即ち、国民は、過去の犯罪歴や精神病歴などを調査されずに、自由に銃を購入することが出来るということです。

 

●米国合衆国憲法修正第4条は、

不合理な捜索および押収に対し、身体、家屋、書類および所有物の安全を保障されると定めています。

 

・・・即ち、捜査令状のない証拠は認められないということです。

 

この5点を分かっていれば、更にこの映画に対する理解が深まるかと思います。

 

 

私的な評価と致しましては、

前段部分が字幕を追うのがやっとといった小難しい専門用語の台詞の応酬に、激しい場面転換のために、正直、意味合いが分からず面白味も感じなかったのですが、中盤以降の銃規制法案についての賛成票獲得に奔走するくだりからは、まさに手に汗握る攻防で、すごく面白くなり、ロビイストという存在。またその駆け引きの面白さ自体をエンタメに見事に昇華させているし、銃規制をめぐる頭脳戦には脚本の巧みさ。そしてジェシカ・チャスティンの演技力の凄さに舌を巻きました。

 

私事ですが、ジェシカ・チャスティンという女優さんは、黒人差別問題についての映画『ヘルプ』の際に初めて意識し始めて以降、気になっている存在ですが、今回の作品では、一見すると、イヤな女性の役どころながら難役を上手く演じていました。

 

以上を勘案しましても、五つ星評価としましては★★★★☆(90点)の、ほぼ満点に近いくらいの四つ星半の評価が相応しい作品と思った次第です。

 

※昨年の2017年のうちに劇場鑑賞していたら間違いなく、私の場合にも、私的なランキングのベスト20の中には入っていたくらいの出来栄えでしたので、私からもオススメ作品です!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

▲出町座さん。今回は2階のシアターでした。最後尾E列は、事前にご指摘があった通り、両足が宙ぶらりんになってしまっていたので、安全上から、木箱で足場を作って対応しました。

 

※それと、<出町座>さんの公式サイトへの記載とは別に、映画上映開始前のオープニングロールに、クラウドファンディングで立ち上げに際して支援した人達の名前が列挙されている中に、今度はちゃんと自分の名前を見付けることが出来て、思わず感動!

今後は、<出町座>さんで、映画の予告編がある際には、常に自分の名前も観ることが出来るとなると、かなり嬉しいですね(^^)v

 

 

 

 

今回も最後までブログ記事をお読み下さり誠に有り難うございました。