『新感染 ファイナル・エクスプレス』(2016年) #出町座 #新感染 #パニック #ゾンビ映画 | HALUの映画鑑賞ライフのBlog

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旧・立誠小学校の跡地の教室を再利用した立誠シネマ・プロジェクトから、クラウドファンディングによる資金募集も活用し、京都・出町枡形商店街内に場所を移し、地下1階と2階部分に劇場を備えた、映画館×カフェ×本屋という複合文化施設の<出町座>として、昨年末の12/28(木)よりオープンされ、無事に再出発を果たされ、新たな文化拠点として誕生。

 

 

●出町座(@demachiza)::https://demachiza.com/

〒602-0823 京都府京都市上京区今出川通西入上ル三芳町133

(出町枡形商店街内)

☎:075-203-9862 FAX:075-320-2526

 

この文化拠点の中のミニシアターに、この程、私も微力ながらも、立上賛助会員として支援金を僅かながら提供させて頂いていた事もありますが、会員期間2年間に対して、10枚分もの招待券をリターン品として大盤振る舞いにご用意して下さっていたので、少々、来訪するのが遅くなってしまいましたが、年始が明けた1/13(土)に機会を作って、私的には、アニメ映画『夜明けを告げるルーのうた』を観たかったのですが、彼女と相談の上、韓国産のパニック映画『新感染 ファイナル・エクスプレス』を鑑賞するべく、初の出町座への来館を果たしました。

 

 

映画の招待券は、同伴者も利用可能でしたので、早速、私と彼女の分とで2枚分使用。

 

 

映画もさることながら、この新たな文化拠点のカフェなどの雰囲気も味わいたいと思い、午後7時30分からの上映開始の映画でしたが、早々にも、午後4時30分前後に到着し、café「出町座のソコ」にて、メンチカツのサンドウィッチと珈琲を頼んで食しながら時間を潰そうにも、あいにくとcaféのカウンター席に、いつまでも長居するわけにも行かず、映画が始まる午後7時30分までは時間が有り余るほど余裕があったので、出町枡形商店街の中をウィンドウショッピングしたりしても、未だ未だ時間の余裕があり困惑していたのでした。

 

 

そんな時に、caféの混雑も解消してきたこともあり、caféの店長さんから私達に、直々に気さくにお声掛けをして下さり、出町座のオシャレな空間に圧倒されて、面喰らって田舎者の私には少々居心地が悪くて、正直困っていたのが、一気に親近感も増して、どうにか映画上映開始までの間の時間を費やすことも出来て、café「出町座のソコ」の女性店長の築地静香さんの人間味溢れる温かさに触れて、ホッコリ出来て良いひとときを過ごせ、有り難かったでした。

 

 

そして、肝心の、出町座での初作品として『新感染 ファイナル・エクスプレス』を鑑賞してきたのですが、

率直な感想と致しましては、前評判通り。いやそれ以上に、かなり面白いパニック映画であり、ゾンビ映画でした。

 

▲出町座の地下1階のシアター(許可を貰って撮影させて頂きました。)

 

「極限状態での人間の本性を描いたパニック映画(18.1/13・字幕)」

ジャンル:パニック映画

原題:TRAIN TO BUSAN

製作年/国:2016年/韓国

配給:ツイン

公式サイト:http://shin-kansen.com/

上映時間:118分

公開日:2017年9月1日(金)

監督:ヨン・サンホ

キャスト:

コン・ユ、キム・スアン、チョン・ユミ、マ・ドンソク、チェ・ウシク、アン・ソヒ、キム・ウィソン、チェ・グィファ ほか

 

 

【解説】

ソウルとプサンを結ぶ高速鉄道の中で突如として発生した、謎のウィルスの感染拡大によって引き起こされる恐怖と混沌を描いた韓国製サバイバルパニックアクション。

ソウルでファンドマネージャーとして働くソグは妻と別居中で、まだ幼いひとり娘のスアンと暮らしている。スアンは誕生日にプサンにいる母親にひとりで会いにいくと言い出し、ソグは仕方なく娘をプサンまで送り届けることに。

ソウルを出発してプサンに向かう高速鉄道KTXに乗車したソグとスアンだったが、直前にソウル駅周辺で不審な騒ぎが起こっていた。そして2人の乗ったKTX101号にも、謎のウィルスに感染したひとりの女が転がり込んでいた。

主人公のソグ親子のほか、妊婦と夫、野球部の高校生たち、身勝手な中年サラリーマンなど、さまざまな乗客たちが、感染者に捕らわれれば死が待ち受けるという極限状態の中で、生き残りをかけて決死の戦いに挑み、それぞれの人間ドラマが描かれる。

韓国のアニメーション界で注目を集めてきた新鋭ヨン・サンホ監督が初めて手がけた実写長編映画で、今作の前日譚となる物語が長編アニメ「ソウル・ステーション パンデミック」で明らかにされている。

(以上、映画.comより、引用抜粋。)

 

 

 

 

 

私は、ゾンビ映画といえば面白い系の品川祐監督による『Zアイランド』か若しくは、佐藤信介監督の『アイアムアヒーロー』などの日本製のゾンビ映画くらいしか観た事がなかったのもあり、そもそもゾンビ映画系のパニック映画は得意な方じゃなかったのですが、今回の映画は、感染爆発という極限状態に直面した際の人間の本性を赤裸々に暴き出すことを主たるテーマにした、新感覚的なゾンビによる感染爆発映画でしたので、最後の最後まで面白く観ることが出来ました。

 

 

 

パニック映画として観れば、仕事優先で家庭を顧みなかった、主人公の投資ファンドマネージャーのソグ(コン・ユ)が、彼の一人娘スアン(キム・スアン)を連れて、別居中の妻の元へ、ソウル発プサン行きの高速列車で娘を送り届けるというだけのシンプルな設定でありながら、感染爆発という極限状態の中で人間性を取り戻していく主人公が特に良かったでしたね。

 

 

発車寸前に人間を凶暴化させる謎の病原菌に感染された女性が列車に乗り込み、次々に乗客を襲い、あっという間に列車内に感染が拡がり、感染者はゾンビ化していき、未感染者達は、動く高速列車という逃げ場が限定された中で、次第に追い詰められていき、感染の恐怖から軋轢が生じ、次第に各々の本性がむき出しになっていくのでした。

そんな中、自分本位で他人の事は考えない主人公たる父親とその反対の行動をとる娘とが、この感染爆発にある列車内という極限状態の中で、次第に、家族を、そして仲間の事を尊重し想うようになり、彼の人間性が蘇ってくる過程が感動的でした。

 

 

 

 

また、本作では、主人公親子の他、妊婦のソンギョン(マ・ドクソン)を気遣い、その旦那さんであり、主人公の相棒的な役割のサンファ(マ・ドクソン)が、辛口で粗暴なところはあるものの、気が優しくて力持ち、腕っ節だけで感染者をなぎ倒していくといった、主人公とは一見すると真逆の人間性豊かな配役で大活躍してくれていました。

 

 

また高校の野球部員と女性マネージャーのカップルに、年老いた姉妹、更には、ホームレス。

 

 

 

 

そして、憎々しい、中年の、バス会社の取締役の役員。

最後まで自分本位で、生き延びるためならば手段を選ばない。

人間のエゴを丸出しにした存在ではありましたが、この映画では、彼に同調する未感染者をより多く描くことにより、彼の醜悪さは特別なものではなく、普通の人間が持ち合わせている姿の投影なのかも知れないですね。

 

 

また、高速鉄道の運転手は最後の最期まで仕事に忠実に人命を尊重しようと図る姿も尊かったですね。

それにしても、これだけ色んな登場人物によるストーリーが混在しているにも拘わらず、色々と、ごちゃついていないところも脚本が上手いのでしょうね。

ほとんど感染者から逃げ回るだけにも拘わらず、根底には韓国の格差社会や上下の軋轢なども韓国社会の抱えている問題点をも感じさせる点もお見事でした。

 

 

また単なる偶然かも知れないですが、北(ソウル)から南(プサン)へ避難するという視点にも何か意味深めいた意味合いを持たせているのではと考えさせるところもありました。

 

また何よりも国のトップや軍関係の司令部などが一切登場しないのも潔いと言おうか、ひたすら修羅場の現場を描ききるといった現場主義的な演出も良かったです。

 

 

日本では新幹線でゾンビによる感染爆発映画は作れないだろうなぁ。

三池崇史監督の『藁の楯』(2013年)で殺人犯の護送の描写に新幹線を使用するに至っても、日本では撮影許可が下りなかったのか、台湾の新幹線の中で撮影させてもらったくらいですからね。

 

 

邦題の「新感染 ファイナル・エクスプレス」には賛否あるようですが、原題の「釜山行き列車」という地味なタイトルで、これで韓国の人達は高速鉄道って理解出来るのかと不思議に思いましたが、日本で言うところの「博多行き・のぞみ」とかいうニュアンスなのかも知れないですね。

邦題は、ダジャレだけど案外ウマくキマッているかとは思いますよね。

 

私的な評価と致しましては、

単なるゾンビによるパニック映画という訳ではなく、極限状態における人間の本性をあぶり出した点で、新感覚的なゾンビによる感染爆発映画でしたので、最後の最後まで面白く観ることが出来ました。

そういう意味合いでは、ゾンビ映画が苦手な人でも感動出来る脚本仕立てになっているかとも思いましたし、現にゾンビ映画を得意としない私でもかなり感動してしまったパニック映画でした。

伏線の回収も上手くて、本当に良く出来た映画だったと思いましたね。

まさかゾンビが出て来るパニック映画でホロリと泣かされるとは思いもしなかったのもあり、五つ星評価では、ほぼ満点の★★★★☆(90点)の四つ星半の評価も相応しい出来栄えの作品だったと思いました次第です。

 

●『新感染 ファイナル・エクスプレス』予告編

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

※それと、<出町座>さんの公式サイトへの記載とは別に、映画上映開始前のオープニングロールに、クラウドファンディングで立ち上げに際して支援した人達の名前が列挙されているはずでしたが、公式サイトの物とは少し仕様が違うのか、私も、彼女と一緒に、私の名前を探しましたが、五十音順とかとは、また違うみたいでしたし、何故だか名前が見当たりませんでした(汗)。

次回の愉しみとして、名前が無事に見付かる事を期待したいと思っている次第です。

 

 

 

 

 

 

 

 

今回も最後までブログ記事をお読み下さり誠に有り難うございました。