『世界から猫が消えたなら』(2016年)#せか猫 | HALUの映画鑑賞ライフのBlog

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「猫好き以上に映画オタクの胸にグッとくる作品(16.5/14・劇場)」

ジャンル:人間ドラマ

製作年/国:2016年/日本

配給:東宝

公式サイト:http://www.sekaneko.com/index.html

上映時間:103分

監督:永井聡

出演:佐藤健、宮崎あおい、濱田岳、奥野瑛太、石井杏奈、奥田瑛二、原田美枝子ほか

 

 

 

 

 

 

5/14(土)は、アメブロやTwitterの映画仲間のあいだでは、コーエン兄弟の監督作『ヘイル、シーザー!』をご覧になられた人が多い中、私の場合には、朝イチから、この日ちょうど公開初日の邦画『せか猫』を観賞に行きました。

 

 

公開前から「今年度最も泣ける映画」だったと絶賛するレビューが多い中、「一見綺麗に収まってみえそうで、ストーリーがズタズタ」などという酷評するレビューも散見し、賛否が大きく分かれている作品の様でしたが、映画を観ての率直な感想と致しましては、私もかなりストーリー的な流れとしてはズタズタ感があると申しますか、ある種、夢オチ的なお話しには感じましたが、それをも凌駕して、あまりあるほどのメッセージ性・訴求力の強さが不思議なほど感じられる作品でしたね。

 

 

具体的には、私も実際に「猫」のくだりには、それほど泣くまでは至りませんでしたが、「映画」のくだりでは、主人公の僕(佐藤健さん)のたった1人の親友で映画オタクであだ名をツタヤというタツヤ(濱田岳さん)との最期の遣り取りでは、かなり胸にグッと来てしまいましたので、私にとっても感動作であったことは確かではありましたね。

 

 

ただ、多少なりとも酷評レビューが散見される理由には、お話しの訴求力を高めようとするあまりなのか、映画の規模を大きく魅せようとするあまりなのか、アルゼンチンの旅のエピソードの盛り込み方が余りにも強引と申しますか、かなり唐突に過ぎて、お話しの中で浮いた感じにもなってしまっていたのが、「ストーリーがズタズタに過ぎる」という意見になっているのかなとは思いましたね。

 

▲川村元気さん(29歳)東宝を代表するヒット作量産の敏腕プロデューサー

 

私の場合には、お恥ずかしいながらも、不勉強なことに、東宝の大阪の劇場のチケットのもぎり担当から社内公募でプロデューサーとなり、その後、『電車男』を手始めに、チャンスを活かし、『告白』『悪人』や『モテキ』と、次々とプロデュースした作品をヒットさせて量産し続けて来られている、異色の経歴の若手の名プロデューサー・川村元気さんの存在や経歴。またその足跡も知らずに、今回、川村元気さんの処女小説にして、本屋大賞のノミネート作でもある巷では大評判の小説だったらしい原作小説も未読ながら、今回の作品の観賞に臨みましたが、さずがに若手の敏腕ヒットメーカーのプロデューサーが描く世界観だけあって、訴求力がすごいお話しではありましたね。

 

 

 

それを、あのNHK朝の連ドラ小説『おひさま』や映画『阪急電車』の脚本でも有名な、岡田惠和さんが脚本家担当として参加されているみたいですが、あのアルゼンチンの旅のイグアスの滝のくだりなどは、脚本上から、あの様なお話しの繋ぎ方だったのでしょうか?

映画監督さんや編集担当の御方々の裁量なのか、あのエピソードの盛り込み方をもっとごく自然にお話しを繋ぐようにして下さればとは思われて、その点がやや残念ではありましたね。

 

 

そういった意味合いでは、原作小説では、いったい全編を通して一体どの様な描き方や繋ぎ方をしているのかがすごく気になりましたので、この『せか猫』の原作小説も購入するなどして読みたくなりましたね。

 

 

 

 

 

お話し的には、

「主人公は30歳の郵便配達員。愛猫キャベツと2人暮らし。最愛の母(原田美枝子さん)を病気で亡くしてから、実家の父(奥田瑛二さん)とは疎遠のまま。恋人もなく、別れてしまった彼女(宮崎あおいさん)のことを、未だに想い続けています。趣味は映画鑑賞。友だちは映画オタクの親友がたった1人だけ。」という、この主人公の人物描写だけでも、もう孤独な映画好きならば、かなり感情移入してしまう内容の映画でしたね。

 

そんな彼でしたが、或る日突然、脳に悪性の腫瘍が出来ているらしく、余命わずかの医師宣告を受けてしまいます。

 

 

ショックで呆然とする彼の前に、突然、自分とソックリな姿をした悪魔が取り引きを持ちかけて来るのでした。

「世界から何かひとつ、ものを消すことで、1日分生き延びさせてあげよう。」と・・・。

悪魔の囁きにのせられた主人公の僕は、次々と、悪魔の言いなりになって、この世から「もの」を消していくのでした。

といったお話しでした。

 

 

<30歳の孤独な映画オタク>という主人公の設定にしては、佐藤健さんは美青年過ぎる気もしないではないですが、冷徹な悪魔役と、気弱で優しい主人公の僕役の一人二役を上手く演じ分けれる器用な演技力からのあえての主人公役の起用だったのでしょうね。

 

 

私はどちらかというとイヌ好きの愛犬派ですので、猫好き(=^..^=)ミャー?あるいはわんこ好き▽・w・▽?とのその違いで、「猫」のくだりで泣けなかった訳ではないでしょうが、一緒に観賞に行った愛猫と暮らすお友達は、シクシクと鼻をすすり泣きながら観賞されていましたので、猫好きならば、更に感情移入して泣ける映画なのかも知れないですね。

 

 

 

佐藤健さん、宮崎あおいさん、濱田岳さん、原田美枝子さん、奥田瑛二さんなどメインの出演者は非常に少ないにも拘わらず、皆さん、印象的に心に残る演技をされていて素晴らしかったですね。

 

私的な評価と致しましては、

孤独な自分の置かれている立場とついつい観比べてしまったからなのか、主人公の僕(佐藤健さん)と映画オタクのツタヤことタツヤ(濱田岳さん)との最期の遣り取りには、胸にかなりグッと迫って来るものがあったのは事実でしたので、私にとっても感動作ではありましたね。

また、決してお涙頂戴的に作っていないところにも好感が持てましたね。

枝葉を見ると、ストーリーの流れを疎外するような、アルゼンチンの旅のエピソードがやや唐突に過ぎる様にも受け取れなくはないですが、このお話しの根幹をなすメッセージは、たしかに充分過ぎるほどに受け取れる、かなり訴求力の強い映画でしたので、枝葉末節に囚われることなく大局的に観れば、かなりの映画好きならば、私同様に感動なされるのではないかと思いますので、★★★★(80点)の高評価を付けさせて頂きました。

 

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※尚、犬猫の殺処分などのシステムの根本的な改善の取り組みや、先日の熊本地震の義援金の一部として役立たせる目的で、TOHOシネマズ系列ならびに三越伊勢丹グループで、この映画に登場する猫の「キャベツ」と「レタス」を模したストラップのグッズを販売する、チャリティキャンペーンを展開中です。

 

 

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今回も最後までブログ記事をお読み下さり有り難うございました。

 

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