年金についてこんなニュースが出ていました。

年金支給額0.4%引き下げ 6月分から(2011年1月28日 読売新聞)
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厚生労働省は28日、2011年度の公的年金支給額を0・4%引き下げると発表した。
 国民年金で満額(2010年度で月6万6008円)を受給している人は266円減の月6万5742円、夫が厚生年金に加入した標準的な夫婦2人の世帯では942円減の月23万1650円となる。
 国民年金の月額保険料は80円引き下げ、1万5020円とする。引き下げは1961年度に国民年金制度が創設されて以来初めて。
 公的年金は、年間の消費者物価の変化を給付額に反映させる「物価スライド」の仕組みを採用しており、10年の全国消費者物価指数(生鮮食料品を含む)が基準となる05年を0・4%下回った。11年4、5月分の年金を受給する6月支給分から適用となる。引き下げは小泉政権の06年度以来、5年ぶりだ。
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国民年金の基礎年金は「物価スライド制」が採用されています。
「物価スライド制」はもともとはインフレにあわせて年金額を上昇させることで、
年金生活者の生活を守るために採用されているものです。
インフレにしたがって年金額を上げるのならば、
デフレが起こったら年金額を下げると考えるのが普通ですが、
近年のデフレ環境においては「物価が下がっているのに年金額はそのまま」という
状態が続いていました。

今回の引き下げは、インフレになれば年金額が上がるけど、デフレになれば年金額は下がる
という物価スライドの基本に沿ったものだと考えられます。

年金というと、「年金を納めても将来もらえるかどうかわからないからその額を貯金する」
と言っている人が結構多く見られますが、
貯金だけでは将来にインフレが起こったときには実質的な金額が目減りすることは
知っておいたほうが良いと思います。
国民年金は老後にもらえる老齢年金ばかりに目が行きがちですが、
老齢年金の物価スライドの他にも、障害を負ったときの「障害年金」、
自分が亡くなってしまったときに、子どもに残す「遺族年金」などもセットになっているので
年金の保険料を納めるメリットは結構あると思います。


2011年度末における国債の残高(見込み)が発表されました。
国の借金、最大の997兆円=国民1人783万円―11年度末見込み時事通信 1月26日

 国債や借入金などを合計した「国の借金」が2011年度末見込みで、過去最大の997兆7098億円に膨らむことが26日、政府が国会に提出した予算関連資料で明らかになった。今年1月1日時点の推計人口(1億2737万人)で割ると、国民1人当たり約783万円の借金を背負う計算となる。
 11年度予算案での新規国債発行額が44兆2980億円と、当初ベースとして2年連続で税収を上回る事態が続くのが主因だ。借金が雪だるま式に増え続ける財政の危機的状況が改めて浮き彫りになった。10年度末見込みは943兆1062億円で、国民1人当たり約740万円の借金となる。

997兆円…。
国民1人あたり約783万円の借金ですか…。
そりゃ大変だ…
ところで、「国債=国の借金」であるならば
誰かが国に対してお金を貸しているはずです。

調べてみたところ、だれが国債を所有しているのかのでーたがありました。

財務省 国債所有者別内訳
http://www.mof.go.jp/jouhou/kokusai/saimukanri/2009/saimu01-6.pdf

これを見ると、日本銀行などの政府系機関が9.7%銀行41.2%保険会社で19.1%年金で15.5%
海外が6.8%家計が5.2%となっているようです。


…。


家計が国債を持っているということは上記に計算されていた国民1人当たり約740万の借金のうち
5.2%は国民自身が貸しているということになりますね…。
普通に考えてこの部分は借金から差し引けると思います。
なので、740万円から5.2%を差し引くと
740×(1-0.052)=701.52≒702万円
う~んまだまだ多いですね…。


…。


政府系の機関は税金で運営されているはずです。
税金は元をたどれば国民のお金なので、政府系の金融機関の持っている9.7%も
国民が貸していることになります。
また、年金も国民が払った保険料で成り立っているので、これも元をたどれば国民のお金です。
なので、さらに政府系所有の9.7%と年金が所有している15.5%を差し引くと、
702-740×(0.097+0.155)=515.52≒516万円


…。


銀行や保険会社も自己資本の部分以外は国民が預けたお金で運営されています。
三菱UFJ銀行の自己資本比率は約12%、第一生命の自己資本比率は約5%なので、それ以外の部分が国民が預けたお金だと考えると、銀行保有の国債のうち88%、保険会社保有の国債のうち95%は元をだどると国民のお金なので、
516-740×(0.412×0.88+0.191×0.95)=113.43≒113万円
国民1人あたりの借金は実質的には113万円となります。

さらに言うなら、政府が国債として集めて使ったお金は消えてなくなったわけではなく、
道路や建物などの資産となって残っているものが大半です。
政府の資産
http://www.mof.go.jp/jouhou/syukei/fs/2010_02.pdf

これを見ると平成20年度末で政府の資産は664兆円あります。
政府の借金が国民の借金になるのであれば、
政府の持ち物は国民の持ち物になるはずなので、
これを国民1人あたりに換算すると
664兆÷1.27億=522.8万円≒523万円

これを国民1人あたりの借金にから差し引くと
113-523=-410万円

借金がマイナスということはお金を貸していることを意味します。

政府の巨額債務が問題無いとは言いませんが、
少なくとも国債残高を人口で割って
「国民1人あたりの借金」として表示するのは
間違いだと思います。
NTTドコモが接続料を下げるというニュースが出ていました。

ドコモ、接続料を最大35%下げ=昨年4月にさかのぼり適用
時事通信 1月24日(月)
-----------------------(記事引用・一部省略)-------------------
NTTドコモは24日、他社の携帯電話からドコモの携帯電話へかけた場合に徴収する回線使用料(接続料)を引き下げると発表した。同じ区域内同士の通話の場合、2009年度には1分当たり8.1円だったのを、10年4月にさかのぼって35.6%値下げし5.2円に、区域をまたぐ場合は9.4円を32.7%下げ、6.3円にする。値下げ幅は過去最大。
 10年3月に総務省が公表したガイドラインに従い、接続料の算定から営業費を除外したことが要因。回線網の設置・維持費用の減少や、利用者の増加も寄与した。ドコモの古川浩司企画調整室長は「接続料引き下げが利用者向け料金の値下げと連動するわけではないが、今後も利用料金の低廉化に努力したい」としている。 
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記事の見出しを見たときには、ドコモの通話料が安くなるのか~
と思ったのですが、よくよく見ると安くなるのは接続料でした。

記事にもありますが、接続料とは
他社の携帯からドコモの携帯にかけた時に徴収する回線使用料
のことなので、消費者側で安くなるとすれば、
auやソフトバンクからドコモの携帯にかけた時の通話料になります。
ちなみに接続料(区域内・3分あたり・2009年度改定)を比較すると
ドコモ:28.8円
au:31.5円
ソフトバンク:36.72円
なのでソフトバンクが一番高いです。

auやソフトバンクもドコモに続いて接続料を引き下げる予定だとしているので
他社間の通話料は近いうちに値下げされるのではないでしょうか?

ちなみに、「ドコモの通話料高い」とか「ドコモは他社が料金を下げないと値下げしない」
といった声がよく聞かれますが、
ドコモは独占禁止法の関係で率先して値下げをすることができないという事情は
頭に置いておいた方が良いと思います。
ドコモなんだかんだで50%近いシェアを占めていますので、
本気で値下げを行うと他の会社は営業できなくなってしまうので
健全な競争を維持するために先手を打っての値下げはできないらしいです。
中国のGDPが日本のGDPを上回り
日本は1964年以来守り続けてきたGDP世界第2位の座を
明け渡すことになりそうだというニュースが出ました。

中国経済、日本抜き世界2位確実に=10年のGDP、10.3%増
時事通信 1月20日(木)
---------------------記事引用(一部省略)------------------------
中国国家統計局が20日発表した2010年の国内総生産(GDP)は物価変動の影響を除いた実質で前年比10.3%増加し、政府目標の8%を大幅に上回った。2桁成長は07年以来3年ぶり。10年のGDPは国際比較に用いられる名目で39兆7983億元(約5兆8812億ドル)。日本の内閣府によると、1~9月のドル建てGDPは日本が中国をわずかに上回ったが、10~12月は中国がかなりの差で日本を上回ったとみられ、中国が世界第2の経済大国に浮上したことが確実視されている。日本のGDP統計は2月半ばに発表の予定。
 10年第4四半期(10~12月)の中国GDPは前年同期比9.8%増。輸出回復などを背景に高い伸びを保った。日米欧など主要国の景気回復がもたつく中、中国の好調さは際立っている。
 10年全体の消費者物価指数(CPI)上昇率は前年比3.3%と、政府目標の3%を上回った。一方、食品価格の上昇一服などを背景に、12月は前年同月比4.6%と、前月の5.1%から鈍化した。ただ、最近は各地で天候不順が続き、農業生産への影響が懸念されている。国際穀物価格も高騰。今後、食品価格を押し上げる公算が大きい。12月の卸売物価指数(PPI)は前年同月比5.9%上昇。原材料の上昇圧力は根強く、賃上げの動きも広がっており、今後もインフレ圧力が高まるとの見方は多い。
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ここ15年くらいの中国はものすごい勢いで発展し、
日本が抜かれるのは時間の問題だと言われていましたが
ついにそのときが来たかという感じです。
GDPは国内で生産された付加価値額の合計を表します。
この付加価値額が会社が従業員に払う給料の元になっていると言えます。
なので、国全体のGDPで見た場合は中国に抜かれてしまいますが、
中国は13億人の人口(日本の10倍)をかかえていますので、
1人あたりが稼ぎ出す給料の元は日本の10分の1程度になります。
とはいえ、1人あたりのGDPで比較すると日本はここ数年は世界20位前後
なってしまうわけですが…。
また、国内の産業も安い給料の労働力を使って海外の製造業を誘致している割合が高いので
GDPが増え給料の負担が増え始めると、ベトナムやバングラディシュなどに
逃げる企業も出てくるのではないでしょうか?

中国の勢いがどこまで続くのかはわかりませんが、
ここまで経済の規模が大きくなってしまうと
成長が鈍化したときに与える世界へ与える影響が心配にもなってきます。
2011年3月に大学を卒業する学生で就職を希望する学生の
12月1日現在での内定率が発表されました。

大卒の就職内定率68.8% 2年連続で過去最低
産経新聞 1月18日(火)9時44分配信
--------------------記事引用(一部省略)---------------------
厚生労働省と文部科学省は18日、今春の大学卒業予定者の就職内定率(昨年12月1日現在)が、68.8%となり、調査を開始した平成8年以降、過去最低だった前年の同時期を4.3ポイント下回り、過去最低を2年連続で記録したと発表した。
国の推計では、今年3月に卒業予定で就職を希望する学生は約66万人。そのうち、約24万人がまだ内定がない計算で、厚労省は「先行きの見通しが不透明な現状で、企業の採用活動が冷え込んでいる。学生にとっては非常に厳しい状態が続いている」と話している。

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12月1日時点での大卒内定率68.8%というのは
2000年前後の就職氷河期よりも悪い数字だそうです。

$数字語り-内定率

内定率で見た場合は過去最悪ですが、
内定者数(実数)で考えるとどうでしょう?

2011年卒で前年の12月1日に就職が内定していた人数は
66万×0.688=45.4万人

内定率が最も低かった2000年の大学卒業者数は約55万人。
上のグラフから2000年卒の前年12月1日時点の内定率は74.5%なので
2000年卒で前年の12月1日に就職が決まっていた人数は
55万×0745=41.0万人

となるので、内定を勝ち取った人数で比べると
実は2011年卒の方が多かったりします。
#記事にある今年卒の学生66万人というのはちょっとあやしい気もしますが…。

もし実数での比較が間違っていないならば、
今年の就職戦線は2000年前後の就職氷河期よりも内定率が下がっている理由は
「企業が採用を絞っているからではなく、大学生が増えたからである。」
となります。

率でみる数字と実数でみる数字では
同じものを見ているのに見え方が異なってしまうことがある
ということは知っておいた方がいいと思います。


とはいえ、まだ就職が決まっていない学生さんは
あきらめずに就活を続けたほうが良いですよ。
あきらめたらそこで終わりです。