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「本の森の入口で」

本の森 イメージはドイツの童話にでてくる森 深くて暗い森に足を踏み込む勇気はないけど、
付近から離れることはできない 物心ついたころから本好きの読書日記 とりとめなく書いてみます

大橋歩の私的雑誌「アルネ」。大好きです。アルネの記事で覚えのある赤木智子さんの本を、図書館で発見。一気に読み終えてきました。

著者は19年前には、若い作家を中心に紹介するギャラリーに勤務。東京育ちで、コムデギャルソンなんぞを愛用するおしゃれな女性。夫は「家庭画報」の編集者。だったはずが、ある日「職人になる!」と宣言。翌年には、何のゆかりも無い輪島に、一家で引越し、本当に塗師に弟子入りしてしまいます。

普通、妻は「そんなはずじゃないわよ」と、押しとどめるか、別れるか・・


智子さん(そう呼ばせていただきます)は、夫の身勝手に(?)、「おもしろそう」と付いて行き、(おそらく)閉鎖的なムラ社会に溶け込み、(おそらく)えらく大変な職人の徒弟制度に巻き込まれ、(確実に)大変そうな職人の妻として、家内制手工業の働き手となりつつ、お弟子さんの賄いから三人の子育てから、畑仕事までを、嬉々としてこなしています。

人間の器が違います。マイナス思考がまるでなく、周りの人に感謝し、子どもたちを愛し、自然を愛し、身体を動かします・・・おおらかで素敵な女性ぶり。いいなぁと思いながらも、片隅で、ちょっとわざとらしくないか、と意地悪な思いが消えません。


しかし、職人となった夫の「あとがき」で、私は自分を恥じました。そして少し涙がでちゃいました。

とてもいい、妻への賛辞です。いい男だな~。そして、しっくりと思うのです。この男を作ったのは、夫のいう「心根の美しい」智子さんなんだなって。


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朝日新聞日曜版の「百年読書会」。今月のお題は内田百閒のノラや (中公文庫) です。

百閒先生には、私、学生時代にはまりました。なんといっても、今や絶版となった旺文社文庫で8冊持っております。

確認したら、「ノラや」は1983年の(文庫としての)初版本です。定価380円とありますが、おそらく古本として値段がつくでしょう。(中断して、アマゾンで確認したら中古本で500円~1700円でした。コレクター品としては2000円とも!)

自慢(なのか?)はともかく、「ノラや」。猫好き、百閒好きにはたまりません。大おやじが、猫の失踪に、おろおろ、おいおい泣き続ける様は、傍からはこっけい。しかも、生活力というか、実効性とかが弱い百閒先生。やることがどこかピントはずれ。

そんなによぼよぼのじいちゃんでもないくせに、似た猫がいたという知らせに、確認に行くのも人に行かせる。新聞折込広告を3回も出すくせに、どうも、文面が具体的でない。子どもにもわかるようにと、現代かな使いの易しい文面のを別に作ったり、外国人も多い地域だからと英文のちらしを作ったりもする。そんな懸命な努力も、どこか的外れなのです。

しかし、みーんな愛すべき百閒先生だもの、許します。ノラちゃんはもちろん、先生の身を気遣いながら、一気に読み進みます。もちろん文筆王の文体ですもの!


百閒の他の著作を触れていればいるほど、かわいらしくも哀れな姿に、より百閒愛は増幅します。

だから、百閒本の一冊であって、これ一冊だけの読者って、私には想像できません。もちろん、愛猫家やら動物愛好家やらが、これを機会に百閒ファンとなり、印税が少しでも入ってくれたなら、借金まみれの先生のためにもよかったです(笑)


そして、是非「クルや、おまえか」を読んでください。今、横に猫がいる方。かつて猫とともに暮らした方には、こっちはさらに、ツボです。

注意!私が読んだ旺文社文庫はすでに絶版。「クル~」は新編 ノラや (福武文庫) で読めます。

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「ノラや」はいろいろ出ています。

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Amazonで詳しく見る by G-Tools 子育てに悩み(?)、時どきこんな本に手を伸ばします。「個性なんかいらない」小林道雄(講談社+α新書)。新書で手軽だし・・しかし、中身も手軽でした(笑)。タイトルだけは挑発的で、個性を持てといわれることにプレッシャーを感じてきた向きには、期待を抱かせるタイトルです。


青短の保育学部?らしき学生に向けての講演をして、学生たちの感想文に対する回答のようなかたちの本です。内容的には、これからなる保育士さんや若い母親たちに、子どもはしっかりしつけなさい!と優しく渇をいれているもの。


「個性」とは、何か独創的なもの、奇抜なものと考えず、全ての人に個性はある。おとなしい、控えめなというのだって、立派な個性です。個性を、他の人との「差異」であり、その違いを目だたたせることが個性的だのと勘違いがまかり通っている、といわれると、そうかなぁと思う。実際、著者の元に寄せられた感想文には、そんな「個性的」ということばの呪縛から逃れられて、ほっとしたというものが多かったようだし。それなら一定の意味のある啓発書となるのでしょうね。


たしかに、「個性を大切にのびのびと育てています」っていう家の子は、鼻持ちならないわがままな子どもってことありそうだし(笑)


しかし、実際の親たち、多くは子どものわがままを放任しているでしょうか?むしろ叱ってばかりの気がしますが。「あれするな、これするな」って。一方で、著者も言っているように、「幼児期は未分化ゆえに喧嘩がおこって当然。大人が口をだして、子どもの解決能力の芽を摘むな」ってとこには共感します。しかし、問題はそうせざるを得ない、大人側の事情があるということはどうするんですか?小林先生?


補遣として、脳科学やらの科学的根拠みたいな文章もついているけど、特に目新しいことはなし。「早寝・早起き・朝ごはん」と唱える安倍政権の頃の文部科学省の標語みたいなもの。


おじさんたちは、勝手に言ってください。できない状況が子育て現役世代にはあるということを、後ろにおいて口当たりの良い指南書としか思えません(涙)。


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