「ノラや」もいいけど「クル」でもっと泣けます | 「本の森の入口で」

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ノラや (中公文庫) ノラや (中公文庫)

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朝日新聞日曜版の「百年読書会」。今月のお題は内田百閒のノラや (中公文庫) です。

百閒先生には、私、学生時代にはまりました。なんといっても、今や絶版となった旺文社文庫で8冊持っております。

確認したら、「ノラや」は1983年の(文庫としての)初版本です。定価380円とありますが、おそらく古本として値段がつくでしょう。(中断して、アマゾンで確認したら中古本で500円~1700円でした。コレクター品としては2000円とも!)

自慢(なのか?)はともかく、「ノラや」。猫好き、百閒好きにはたまりません。大おやじが、猫の失踪に、おろおろ、おいおい泣き続ける様は、傍からはこっけい。しかも、生活力というか、実効性とかが弱い百閒先生。やることがどこかピントはずれ。

そんなによぼよぼのじいちゃんでもないくせに、似た猫がいたという知らせに、確認に行くのも人に行かせる。新聞折込広告を3回も出すくせに、どうも、文面が具体的でない。子どもにもわかるようにと、現代かな使いの易しい文面のを別に作ったり、外国人も多い地域だからと英文のちらしを作ったりもする。そんな懸命な努力も、どこか的外れなのです。

しかし、みーんな愛すべき百閒先生だもの、許します。ノラちゃんはもちろん、先生の身を気遣いながら、一気に読み進みます。もちろん文筆王の文体ですもの!


百閒の他の著作を触れていればいるほど、かわいらしくも哀れな姿に、より百閒愛は増幅します。

だから、百閒本の一冊であって、これ一冊だけの読者って、私には想像できません。もちろん、愛猫家やら動物愛好家やらが、これを機会に百閒ファンとなり、印税が少しでも入ってくれたなら、借金まみれの先生のためにもよかったです(笑)


そして、是非「クルや、おまえか」を読んでください。今、横に猫がいる方。かつて猫とともに暮らした方には、こっちはさらに、ツボです。

注意!私が読んだ旺文社文庫はすでに絶版。「クル~」は新編 ノラや (福武文庫) で読めます。

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「ノラや」はいろいろ出ています。

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