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「本の森の入口で」

本の森 イメージはドイツの童話にでてくる森 深くて暗い森に足を踏み込む勇気はないけど、
付近から離れることはできない 物心ついたころから本好きの読書日記 とりとめなく書いてみます

ちょうど一年前出版の「生きづらさの臨界」(湯浅誠 川添誠編 旬報社)を、昨夜読了。

この一年、いろいろなことが変わりました。なかでも、日本にも貧困が存在するとの認識が,広まったことが、大きいと思います。そして、それが「自己責任」などではない、構造的に貧困層が生まれ、広がっていくということも、見えてきたのではないでしょうか。

「生きづらさ」の臨界―“溜め”のある社会へ 「生きづらさ」の臨界―“溜め”のある社会へ
湯浅 誠

旬報社 2008-11
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経済さえよくなれば・・誰もが考えそうなことです。隣に生活困窮者がいたら、「頑張りが足りない」と思う。フリーターを自己責任と片付けてしまう。覇気がない、見通しが甘い、いろいろな言葉はあるでしょうが、根本的な原因は、社会にあるということに気付いていない不幸。貧困はすぐ隣に存在し、バランスが崩れたら、明日はわが身というほどの、お寒いセーフティネットしかない社会に気づかねばなりません。


この本のなかの、対談者本田由紀氏、中西新太郎氏、後藤道夫氏、それぞれの専門分野から、わかりやすい言葉で現状を解説しています。お寒い現状ばかりですが、日本人は、目をつぶってやり過ごしてきてしまったのですね。人はどちらを向いているかで、見えてくるものが違うのだと、改めてわかる本です。


そして、この本の価値は、現場で個別のケースに寄り添いながら活動している人たちでありながら、視線はもっと大局的で、世の中を変えていけそうな気概を感じるところではないでしょうか?


個人的には、「歴史の進歩のなかで、個別ケアが膨らんでいくのは必然」。後藤氏の言葉に、うなりました。これまで、生きるのに不器用な人たちのどこまでを対象にしなければならないのか?という疑問が、淡いながらも離れなかったのですが、それがストンと落ちたようでしたもの。


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「子どもが壊れる家」(文春新書)。タイトルに惹かれて手に取ると、著者はあの草薙厚子氏。この人の印税に貢献する気にはなれずに、ざっと立ち読みすることに。


「自分の子どもが、犯罪に巻き込まれるのではないか・・」、「加害者は普通の子だったというが、うちの子は・・」多かれ少なかれ、そんな不安を抱いてしまう親心に、響いてしまうタイトルではありませんか。


内容は・・・15分で読めてしまう程度のもの、でした。重大事件を犯してしまった子どもたちは、皆、親にかまってもらえなかった。学校はことなかれの対応だった。そんな話のオンパレードです。


取材した?ワイドショーのレポーターだって、これくらいの話は拾えるでしょっていう内容です。もし、時間をかけて周囲の人々の話を拾っていたのなら、あるいは、学校やら経過やらの取材を重ねたのなら、自身での分析はしないのかい?載っているのは、自分の文脈にあわせるための、都合の良いチョイスのみでしょう。


というわけで、編集者の良識のほうを疑いたくなります。もっとも、書かせる時点では、元少年鑑別所法務教官という職歴に、期待があったのかもしれません。売れそうなタイトルが編集者案であるなら、そこんとこはプロっぽいですね。(笑)

本の奥付けから、2005年初版のこの本。こんな本がとっくにでていたのだから、「僕はパパを殺すことに決めた ・・・」の医師が、「調書を見せたのは、人選ミスだった」とコメントされていたのは、少し軽薄な気がします。ましてや、出版元の講談社は・・・よもや出版社としての良識云々を言ってもしかたないですね。

「子どもの壊れる家」の巻末には、発達におけるゲームの障害のような章もありますが、何を言わんかやというところですね。


お口直しに、本物のジャーナリスト柳田邦男氏「人の痛みを感じる国家」(新潮文庫)。こちらはしっかり、自腹で購入してまいりました。

人の痛みを感じる国家 (新潮文庫) 人の痛みを感じる国家 (新潮文庫)

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クリスマスの猫 クリスマスの猫
ジョン ロレンス

徳間書店 1994-10
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猫好き本好きの娘に良いかなと、図書館から借りてきた「クリスマスの猫」。少し早いけど、クリスマスのいい話だろうなと思いまして・・

表紙の絵も、中の挿絵も素敵です。著者はイギリスの人気児童文学者ウェストール。1934年、戦前の階級が、ずっと色濃くあった時代の話です。そう、私たちのおばあちゃんが若い頃。
上流階級の孤独な娘と労働者階級の革命思想ににかぶれた男の子。二人の出会いと交流。12月のロンドンの、とっても寒そうな情景のなか、二人の子どもはどちらもすっくと背筋が伸びた印象です。

賢い二人が力をあわせ、回りの大人たちの状況も、少しだけ改善します。その話の真ん中に、身重のノラ猫を守る話。
娘のツボだと思ったけど・・絵もきれいだし・・でも残念。手もつけてくれませんでした。

でもいいんです。私が堪能しましたから。ちょっといい話。人間が幸せになるハッピーエンドと合わせて、猫も。

本の作りとしては、文芸春秋社のヒット本の、「クリスマスの思い出」「あるクリスマス」(カポーティ原作)みたい。これは89年、90年刊行。村上春樹訳 山本容子銅版画というもう、当時なら売れて当たり前、私も何冊か買って、友人にプレゼントした・・そんな若い頃を思い出してしまいました(笑)
クリスマスの思い出
クリスマスの思い出 トルーマン・カポーティ

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stars甘口の“クリスマスの思い出”
stars所有していたい本。娘に引き継ぎたい本。プレゼントに最適の本
stars私のクリスマス・ストーリー・マスターピース
stars心に残る本
starsクリスマスの頃に読みたくなる本・・・カポーティが好きになる

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あるクリスマス
あるクリスマス 村上 春樹

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star辛口の“クリスマスの思い出”
star父の満たされない日々
star山本容子の銅版画ノート

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