「本の森の入口で」 -114ページ目

「本の森の入口で」

本の森 イメージはドイツの童話にでてくる森 深くて暗い森に足を踏み込む勇気はないけど、
付近から離れることはできない 物心ついたころから本好きの読書日記 とりとめなく書いてみます

千住家にストラディヴァリウスが来た日 (新潮文庫) 千住家にストラディヴァリウスが来た日 (新潮文庫)

新潮社 2008-04-25
売り上げランキング : 44245

Amazonで詳しく見る
by G-Tools

著者はかの有名な「芸術三兄弟」を生んだ千住家の母、千住文子さん。父母の代までは芸術の系統とは遠かったのに、三人の子どもが全て優秀な芸術家になったという千住家。


同じ著者、母文子さんの「千住家の教育白書」を読んでいたからか、私はかつて千住真理子のコンサートで流れる涙を止めることができなったという経験があります。音楽による感動プラス、毎日毎日修行僧のようにヴァイオリンの練習にくれる小さなマリちゃんを思い浮かべてのことでした。


母(著者)によると、決して親の無理強いではなかったとのことですが、ならばなぜ、遊びたいさかりのこどもが、そこまでヴァイオリンの練習に打ち込めたのか?凡人の私には想像もできませんでした。

その答えともいうべきが、この本「千住家にストラディヴァリウスが来た日」にあるように思います。


つまり全ては、高貴な一台のヴァイオリンが、自分を目覚めさせ、歌わせるためのソリストを、日本の一少女に選んだから。


デュランティと名付けられたヴァイオリンにより、芸術的には凡人であった母文子を中心に、そのゆりかごとしての千住家を選ばれたということでしょう。

文字通りのセレブリティが千住真理子というソリスト。それはもう、憑かれたという表現もできるほど、幼少時からヴァイオリンの魅了され、一身に練習に打ち込んでこられたという印象です。


さもありなん。話としてもおもしろいし、また千住真理子という人の音楽も、人柄も(本で知りえる限り)、私は尊敬しているので、一応素直に受け止めました。


うがった見方をすれば、母の強烈な自己投影を、ヴァイオリンをめぐる数奇な運命にかぶせているようにも思います。が、それはひとつの見方・・


母が俗なこと、実務的なことを一身に引き受け、素晴らしい一家の愛に満ちた応援で、プロとなり、その活動を続け、ひいては一台のストラディヴァリウスを手に入れる。本当に素晴らしい一家ではありますが、千住真理子という人のセレブレイトされた才能と理性と勤勉さ、とても凡人には真似できるものではありませんので、子育て、あるいは自分育ての参考にはなりませんぬ(笑)


この本読む前に是非前述「千住家の教育白書」は必読です。

千住家の教育白書 (新潮文庫)
千住家の教育白書 (新潮文庫)
おすすめ平均
stars家族と子宝
stars感動の涙なくしては読めません
stars参考にすべきではない本
starsとてもとても良い本です
stars激動の千住家の記録

Amazonで詳しく見る
by G-Tools


にほんブログ村 本ブログ 読書日記へ
にほんブログ村     ←更新の励みにぽちっと!ご訪問ありがとうございました。


日本は中国でどう教えられているのか (平凡社新書) 日本は中国でどう教えられているのか (平凡社新書)

平凡社 2007-11
売り上げランキング : 35249
おすすめ平均

Amazonで詳しく見る
by G-Tools
日本史の授業は取らなかったし、どっちにしても社会の授業は「寝」に入っていたから、自分がどんな歴史教育を受けたかは、語れません。

が、気になるところです。「日本は中国でどう教えられているのか」。


現役の社会科教師が、一年間勤務先(同志社中・高)の研修制度により、北京の中学・高校を訪ね、実際の歴史の授業を聴講し報告する、という内容の本です。


まず感想は、歴史認識云々より、中国の生徒って勉強してんな~、でした。まず学歴ありきで、いい大学にいかねば将来は無い!と、言い切っていそうなほど、真剣に受験勉強に打ち込んでいるよう。

数年前に、「NHKスペシャル」で、ものすごーい勉強漬けの中国の小学生を扱っていたのを見たことがあります。そのときも、この熾烈な競争で生き抜いた人たちを相手に、日本人が勝てるわけ無いという感想をもちました。


こんなに一生懸命勉強している人たちですから、勉強した内容が頭に刻み込まれることは間違いないでしょう(笑)。いや、笑い事ではなく、そこに明確な意図があれば洗脳的な意識の定着もさぞかし強固でしょうね。


著者はニュートラルな立場から、現状を報告するという態度が一貫しています。同じ歴史を、中国での教えられ方を紹介した上で、日本の(一般的な)教え方を書き添えていますから、偏見やら先入観なしに違いがはっきりとわかります。

その違いは、中国の歴史教育が、「全ての歴史は現代政治に有機的に関連付けられている」からきています。日本ではどうか・・・評価が定まっていない近現代史については、あいまいな表現、もしくは触れないという態度。どちらも、予想通りとはいえ、これじゃますます認識の差は広がるでしょう。

私にはむしろ、日本の若者たちの関心から乖離していく、いかせる方向が気になります。


さて、私が一読しての感想は、著者のような先生っているんだなっという喜びでした。

今までの中高の先生の印象って、知識の先達というイメージが全くなかったので・・狭い世界を生きていた中高校生時代。周りに知識人の片鱗をみせてくれる人ってまずは教師ではないでしょうか?ところが現実は・・熱心な教師というと、生徒指導とか学級経営の方面ばかりで・・


私立の一貫校という敷居はありますが、少なくともこういう教師のいる学校を評価する保護者の層が厚いのならいいなと思います。偏差値などに汲々とするのではなく、本質的なところで学校は選ばれてしかるべきだと思いますよね。


にほんブログ村 本ブログ 読書日記へ
にほんブログ村     ←更新の励みにぽちっと!ご訪問ありがとうございました。

子どものセンスは夕焼けが作る 子どものセンスは夕焼けが作る

新潮社 2006-05-17
売り上げランキング : 152106
おすすめ平均

Amazonで詳しく見る
by G-Tools
タイトルが心に響き、ずっと読みたいと思っていた本です。「子どものセンスは夕焼けが作る」(山本美芽著 新潮社)。子育て本。

音楽ライターである著者は、一流のアーティストたちと接するなかで、持って生まれた才能を開花させ、伸ばすためにはセンスこそが決めてではないかと気付きます。そのセンスはどう育てたらいいのか?そこを、取材等で得た、アーティストたちの感性を育てたであろう環境を、子育てにいかそうと教えてくれる本です。著者の素直な性格がでた文章で、嫌味がなく、素直に受け入れらそうです。


内容的には、日常的に花を飾ろうとか、母親の歌うわらべ歌がいいとか、聞き覚えのあることばかり。「夕焼け~」というタイトルも、夕焼けを子どもと眺めるような時間をもてるといい、というところからきているのでしょう。この本を読んで、そうだったのか、という人は、あまりいないのでは?逆に、知っているけど、もっと有効なことがあるだろうと、早期教育に励んでしまう母親とかのほうが多そう・・・そういう人にも素直に受け入れられることを祈ります(笑)。


私としては、ざっと読みで充分と思ってしまいましたが、中の一章「お母さんのメンテナンス」というところで、毎日子どもはおかあさんを見ているのだから、母親はいつもきれいにしていましょう!という箇所が。「そうだよね~」。髪ぼさぼさのすっぴんばかりの顔を見せていたら、いくら美しい夕焼けを見ようとも、美の感覚は半減するよね~というわけで、明日私は美容院に行ってきます!


りんごは赤じゃない―正しいプライドの育て方 (新潮文庫) りんごは赤じゃない―正しいプライドの育て方 (新潮文庫)

新潮社 2005-06
売り上げランキング : 147754
おすすめ平均

Amazonで詳しく見る
by G-Tools
同じ著者の「りんごは赤じゃない」。子どもの美術的才能を開花させるカリスマ美術教師の話らしいです。こちらは、素材自体に興味がもてそうなので、読んでみようかと思います。あの、柳田邦男氏と河合隼雄氏が推薦文を寄せています。こちらは、読み応えがあると思います。


にほんブログ村 本ブログ 読書日記へ
にほんブログ村     ←更新の励みにぽちっと!ご訪問ありがとうございました。