ひきしお(1972) | あの時の映画日記~黄昏映画館

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あの日、あの時、あの場所で観た映画の感想を
思い入れたっぷりに綴っていきます

 

 ひきしお(1972)

 

船上で口論をしていたカトリーヌ・ドヌーヴが、激高して海に飛び込む。

 

マルチェロ・マストロヤンニが自給自足をしている島に流れ着き、彼女はその島に住み着く。

 

ある日、ドヌーヴが、マストロヤンニが飼っていた愛犬を死なせてしまう事件が起きる。

 

彼女は、マストロヤンニの愛を失いたくないためか、犬がつけていた首輪を自分にはめて犬のようになってマストロヤンニと過ごそうとするのだが・・・

 

外界と完全に閉ざされた孤島ではないようで、妻の自殺未遂を息子が知らせに来たり、脱走兵が紛れ込んできて、軍に捕まったりしている。

 

妻の様子を見るために都会に一旦戻るのだが、ロビンソン・クルーソーのような生活に馴染んでしまって、結局島にかえってきたりする。

 

後半は、マストロヤンニが犬のようになったドヌーヴに暴君的に振舞うようになるのだが、ついに食料がなくなってしまった後にドヌーブをつれてこわれた飛行機で死を共にする予感を抱かせるのは、究極の愛の物語として物語を締めたかったのか。

後年日本公開され話題になったイタリア映画『流されて』(1974)は、このストーリーの刺激的なところをえげつなく拡大したようだ。

 

各人の心情の変化がよくわからないので、ドヌーヴの美しさ(エロさ)以外は見るところがないなと感じる作品。

せっかくのマストロヤンニ・ドヌーヴの競演なのに残念!

『ひきしお』仏: Liza , 伊: La cagna(1974)

マルコ・フェレーリ監督 100分

1972年(昭和47年)7月公開