オアシス(2002) | あの時の映画日記~黄昏映画館

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あの日、あの時、あの場所で観た映画の感想を
思い入れたっぷりに綴っていきます

 

 オアシス(2002)

 

 

 

ヴェネチア映画祭で批評家賞を受賞するなど、

国際的にも評価されたという韓国映画だが、個人的には、設定を含めて感動させてやろうというあざとさが鼻について、いまいち乗り切れない作品でした。

 

刑務所から出所してきた、軽い知的障害のある男。

脳性まひで、体が不自由な女。

 

この二人の恋愛ドラマということでもう、あざといと思いませんか?

 

毎年夏の終わりに巨額の制作費を投じて制作される日本テレビの「24時間テレビ」みたいに。

 

周りに理解してもらえない二人の恋愛を描くことを障害というスパイスを加えて感動させようという魂胆が見え見えです。

 

夢か現実か、

全身不自由な女性主人公が電車の中ですっと立ち上がり、男とじゃれあうシーンなどセンスはいいんだけどね。

なんだろう、このモヤモヤした感じ。

そう、

あの見世物にされた障害者を見世物にして悪意のある善意の涙を搾り取ろうとした『エレファントマン』(1980)を見た後の心地悪さに似ている気がする。

 

主人公の男の弟が、ちょっといい味を出していたのだけが救い。

 

この監督は観客を感動させたかったのか、障害者の生きづらさを訴えたかったのか。

前者だとすれば、私はやっぱり乗れない。

 

韓国映画らしいといえばそうなのだが・・・

 

 

『オアシス』오아시스(2002)

イ・チャンドン監督 133分

2004年2月公開