山口組三代目(1973) | あの時の映画日記~黄昏映画館

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 山口組三代目(1973)

 

当時の東映社長である岡田茂は「ゴッドファーザー』を見て気に入り、『日本で当てはめるなら山口組だ。これをやるのは自分しかない』と思い立った。

-wikipediaより

という作品で、実在した広域暴力団山口組三代目組長である、田岡一雄の自伝を原作に作られた東映作品です。

幼いころに両親が亡くなり親戚に預けられるも、まともな愛情を受けてこなかった田岡少年が、義理を重んじてヤクザ社会を成り上がっていきます。

 

高倉健演じる田岡組長は、とてもヒロイックに描かれ、公開当時連日組員が劇場を訪れて拍手喝采を送ったのもわかります。

 

芸能界とヤクザの蜜月関係も、隠すことなく、むしろ堂々と描かれ、他の組員が腰が引けている中、無口な健さんが胆力を発揮して大きな興行を成功させて幹部にのし上がっていく様は、サクセスストーリーを見ているようで面白い。

 

他にも、大相撲との関係や労働組合との対立など、田岡側の一方的な視点ではあるが、裏社会と表社会がひそかにつながっている様も興味深いです。

ヤクザの世界も一般社会も、人心掌握する人は、同じ匂いをしているなと思ったり。

 

兄弟分の菅原文太もカッコいいし、本当のヤクザ社会はこんなのじゃないとわかっていても、彼等に憧れる層は一定数いるのだろうな。

雪の舞う夜に、健さんと文太さんの対決のシーンが美しいです。

 

 

『山口組三代目』(1973)

山下耕作監督 88分

1973年(昭和48年)8月公開