ハーダー・ゼイ・カム(1972)
ジャマイカのレゲエ・シンガー、ジミー・クリフを主演に迎え、彼の同名ヒット曲をタイトルにしたジャマイカ映画。
田舎から出てきたジミー演じる主人公のアイヴァンは一文無し。
牧師の家に住まわせてもらって聖歌隊に入ったりするが、元々歌に自信のあった彼は、自分の曲をレコード会社に売り込み、成功しようと考えた。
しかし、このレコード業界は、ヒルトンという大物が仕切っている世界であり、いくら才能のあるアーティストでも、売れるか売れないかは彼次第だった。
アイヴァンもヒルトンと報酬10ドルという不利な契約を結ばされ、レコードデビューはしたものの、生活は困窮していく。
そんな彼は、裏社会と取引するようになっていき、大麻の密売人になったりして、ついには警官殺人事件を起こし、お尋ね者になっていくのだが・・・
裏社会でアイヴァンがのし上がっていく様は、『ゴッドファーザーPARTⅡ』でおなじく貧乏からのし上がっていく、ビト・コルレオーネのようです。
そののし上がる様子がジャマイカの土着的な風景とレゲエの音楽が独特の雰囲気を醸し出していて興味深いところがあります。
とても情感あふれるシーンもあって、たとえば、壊れた自転車を直して牧師の養娘とアイヴァンが海岸をデートする場面は、陽光が海面にキラキラきらめいてとても美しいシーンになっています。
あと、テーマ曲になっている『THE HARDER THEY COME』がやっぱりいいですね。
ラストは、『明日に向かって撃て』の一斉射撃のストップモーションを連想しちゃいましたよ。
お茶目だなと思いました。
ジミー・クリフといえば、『クール・ランニング』(1993)の主題歌であるこちらを連想する方も多いのでは^^
他愛ないといえばそうなのですが、混ざりっ気のないジャマイカ映画なので、ちょっとカリブの気分を味わうのもいいんじゃないかなと思います。
『ハーダー・ゼイ・カム』THE HARDER THEY COME(1972)
ペリー・ヘンゼル監督 104分 ジャマイカ
1978年4月日本公開 2014年7月HD版公開
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