Reality(愛のファンタジー)~ラ・ブーム(1980)より
前回、『小さな恋のメロディ』の挿入曲である、ビージーズの『若葉のころ』を取り上げました。
少年少女たちの少し背伸びした恋の物語を描いたイギリス映画でしたが、今回は同じように背伸びをした恋愛物語フランス代表として『ラ・ブーム』(1980)とその主題歌“Reality”(
邦題:愛のファンタジー)のご紹介。
以前書いた作品レビューはこちら
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「ブーム」とよばれるダンスパーティーに夢中な13歳の女の子ヴィック(ソフィー・マルソー)。
日本の感覚からするとずいぶんマセた子供たちだなあと文化の違いに驚きながらも観ていましたね。
にぎやかなダンス会場でいきなり男の子からウォークマンのヘッドファンをかぶせられ、そこから流れてきたのがこの“愛のファンタジー”。
こんなにドラマティックでロマンティックなアプローチをされたら夢見る少女のヴィックはたまらない。たちまち恋に落ちます。
Met you by surprise. I didn't realize
That my life would change for ever.
Saw you standing there. I didn't know I'd care
There was something special in the air.
Dreams are my reality. The only kind of real fantasy.
Illusions are a common thing. I try to live in dreams.
It seems as if it's meant to be.
Dreams are my reality. A different kind of reality.
I dream of loving in the night. And loving seems all right.
Although it's only fantasy.
フランス家庭の性に対する自然さとおおらかさも感じることができますね、この作品。
この年頃の自分はどうだったのかなと比較すると、この作品で描かれる世界はまさにファンタジーです。
だけど、私のこの頃の心の動きや淡い思い、
あのころ見ていた風景などをこの作品は思い出させてくれる。
ロリコン趣味映画だとか、幼稚なキャストが背伸びして作った作品だとか酷評する人もいますが、あの時の自分と置き換えて鑑賞することのできない人はかわいそうだと思いますね。
初めてのデート、初めてのキス、初めての夜明け・・・
それぞれみんな甘酸っぱい思い出があるはず。
ヴィックに恋のアドバイスをするイケてるひぃおばあちゃんプペットがとてもいいですね。
香水屋でのエピソードが素敵で痛快です。
そして、ヴィックのお母さんを演じているのが・ブリジット・フォッセーです。
そう、あの名作『禁じられた遊び』の子役ポーレット役で世界中の観客の涙を搾り取った彼女です。
本作ではイラストレーターのお洒落なお母さん。とても綺麗にお年を召されていました。
初見の頃は、ヴィックの不安定な恋の行方にドキドキしたものですが、再見すると、ヴィックのお父さんとお母さんのおとなの駆け引きの方が気になってしまいましたね。
決め台詞は一発で決めるフランス映画。
あえて核心の会話をミュートにするところなど心憎い演出もあちこちに見られますね。
いろんな意見はあると思いますが、
私は好きです。
背伸びした少年少女のラブストーリーと音楽。
次は、アメリカ代表にご登場いただきましょうか^^