ブリジット・バルドーとジャンヌ・モローのW主演で贈るお色気冒険コメディ。
この手の作品を演じる事ができる女優がいなくなったことで、
いまや絶滅危惧種となってしまったジャンルですね。
父からの教えで片っ端から主要施設を爆破してきた少女マリア(ブリジット・バルドー)が警察に追われるうちにメキシコでボードビル一座に加わる。
この一座の花形女優二人組の一人が失恋を苦にして自殺。
残されたマリア(ジャンヌ・モロー)は突然舞い込んできた(バルドー)マリアと意気投合してコンビを組むことに。
そして初舞台。
ハプニングにより(バルドー)マリアの衣装が破れる。
彼女は勢いに任せて次々と破いていき、相方の(ジャンヌ)マリアも流されて破いていく。
このお色気舞台により二人のマリアは大人気となり、
ボードビルショーの目玉演目になっていく。
ある日劇団が旅回りをしているときに(ジャンヌ)マリアが行きずりで愛したフローレスと出会う。
彼は革命の闘士となっており、今は政府軍に捕まり拷問に合っていた。
混乱期のメキシコ。
圧政を強いられてきた農民を中心にあちこちで革命が企てられている時代だった。
(ジャンヌ)マリアはフローレスを救い出し、
再び二人は恋に落ちるが、
政府軍の銃撃をうけフローレスは命を落とす。
そして(ジャンヌ)マリアは彼の志を継ぎ、
革命軍の女闘志となり、
かつてフローレスを愛したことのあった(ブリジット)マリアも協力して、
農民たちを引き連れて政府軍に殴りこむ・・・
まず、主演二人の魅力ですね。
泥だらけになりながら派手に重機をぶっ放す。
(ジャンヌ)マリアがガトリング銃を撃ちまくるシーンの爽快さ。
頭脳プレイを用いながらの(ブリジット)マリアの爆弾攻撃の楽しさ。
舞台の場面ではミュージカル風の踊りを加えた可愛いお色気場面。
『地下鉄のザジ』(1960)の主人公ザジが大きくなったらこんな女性になったかもしれない。
多数のエキストラを動員してのモブシーンの迫力。
ド派手に繰り返される爆破シーン。
時折挟まれる(時々滑る)コメディシーンも楽しい。
CGなど使わないこれらのシーンがとても盛大でダイナミックです。
二人のマリアに愛される革命の闘士フローレスを演じるはジョージ・ハミルトン。
若いころから男前。
ルイ・マル監督は得意のトリック撮影を駆使しながら、
実に楽しそうに演出しているように感じます。
設定が革命の混乱時だというのに、
説教臭くならず、あくまでもコメディとして作り上げているのがいいです。
鳩にまで演技をさせてしまいますからね。
緑多い森と清水が流れる小川の爽やかさも、
この作品の雰囲気の熟成に大きく貢献しているところもあります。
一気に楽しく観ることのできる2時間2分です。
『ビバ!マリア』Viva Maria!(1965) 仏=伊
ルイ・マル監督 122分